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8月8日質問事項4

4.山陰新幹線・高速道路

○山陰中央新報:よろしいですか。山陰中央新報の片山です。

 山陰新幹線と伯備新幹線のことについて伺います。

 今、要望や意見交換等々で、県内の市長さんなどからいろいろ、整備に向けて活動に力を入れてほしいというような声が上がってますが、知事は、新幹線の必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

○丸山知事:やはり、私はちょっと直接経験しなかったですけども、大雪が降りますと、やはり空港が使えない、そして伯備線も雪の重みで木が倒れて運行ができないという形で、冬季、また豪雨のときに鉄路が使えなくなる、不通になるという期間が多数ありますので、そういった陸の孤島になるような冬の状況、そして夏場でも鉄路、鉄道が不通になってしまうということにたびたび見舞われる山陰両県にとっては、やはりいわゆる高架のしっかりした線路を敷いてもらって高速で動く新幹線というのは、速さという意味と、運行の安定性という意味で大変魅力がある。そして、できるとすれば、その効果は高いものだというふうに思っておりますので、必要性というのは十分に認識しております。必要性、重要性ということですかね。

○山陰中央新報:それはやっぱり災害時とかを踏まえた鉄路として、重要性とか必要性を十分に認識されてるというような形なんでしょうか。

○丸山知事:当然、飛行機というのは、より速いですけども、行き先が出雲空港、県民が利用されるところでいきますと萩・石見空港も加えて、隠岐空港も加えて、米子空港も含めてですけども、その就航先といいますか、行き先に限られます。けども、やはり、そういう意味ではビジネス上使われる頻度の高い広島ですとか岡山に向けて、中・近距離といったところというのは特に鉄道のほうが、鉄道しかないわけですから、そういった、高速バスはありますけどね、そういう意味でいきますと、やはりビジネス上も、我々が観光ですとか日常生活で使う上でも、そういう利便性が高まるという意味でも重要なインフラ交通ネットワークだというふうに思ってます。

○山陰中央新報:知事の立場として、重要性は認識されてて、では、それを推進していく考えなのか、それともやっぱり財政難を抱える中でちょっと慎重になるのか、そこら辺のスタンスとしてはどういった感じでしょうか。

○丸山知事:当然、問題なくできるという状況をつくっていくのが、恐らく県民から求められていることだと思うんですけども、市長さん方との対話の中でも申し上げましたとおり、高速道路との違いというのは、高速道路ができたから例えば国道がなくなるとか既存の国道が不便になるとかっていうことは、これは一切ないわけですけども、鉄道は、新幹線と在来の路線が並行する場合には、在来特急の需要がなくなる。で、在来特急が廃止されるということが常でありまして、特急料金のない路線というのは、鈍行路線では赤字というのがJRでありましても実態でありますから、その運行から手を引くということで、自治体、第三セクター等に移管されているという状況、それがルールになっております。ということは、今ある交通ネットワークに加えて新幹線ができるというわけではなくて、新幹線ができることに伴ってなくなることもあるという現実がある。それをどう捉えるのかということ。財政問題以外に、そういう高速道路との違いを十分に認識した上で、この問題を実現に向けてどう進めていくのかということを考えなきゃいけないというふうに私は考えているというところでありまして、そういう考えです。

○山陰中央新報:ということになると、やっぱり高速道路か新幹線かっていうふうになった場合は、やっぱり優先度としては高速道路のほうが高くなってくるというようなことなんでしょうか。

○丸山知事:現実問題として考えますと、今は整備新幹線は九州・長崎ルート、それから北陸のルートが最終盤に来ているという状況ではありますけども、じゃあ次の路線を、どこを整備新幹線として事業化するのかということというのは、大分、実際、工事として着工する、つまり財政負担が生じるという時期というのはある程度先の話だというふうには思っておりますので、現実問題としては、山陰自動車道の早期全線開通、まだちょっとめどが立っておりませんけれども、その事業途中に別途、新幹線で財政負担がダブルで生じるということは余り現実的ではないのかなということで、そういう意味では、時間軸として山陰自動車道の全線開通、その次に整備新幹線といった、時間軸として生じる前後関係、先に山陰自動車道、その後に整備新幹線に手をつけるのかどうか、それに手を挙げて整備を進めていくのかどうかという時間としてのずれがあって、両者が邪魔し合うという関係にはならないんだろうというふうに思ってます。

○山陰中央新報:じゃあ、高速道路の、山陰自動車道の全線開通には力を入れられて、その見込みが立った後に、その新幹線整備に対して手を挙げるかどうかっていうところを検討したいっていう、さっきの話でしょうか。

○丸山知事:いや、私自身は、山陰自動車道の整備が終わってからっていうことを言ってるわけではなくて、山陰自動車道の全線開通と、時期としてかぶることがあるかどうかという確認がまず必要でしょうと。かぶらないのであれば、どっちが後先という関係にはなりませんので、山陰自動車道という、ある意味、大きなプロジェクトの後にこの島根県として整備新幹線という課題に取り組んでいくのかどうかということを判断しなきゃいけなくて、それは国の検討のスケジュールもあります。次の、今整備されてる路線の次に、どこを整備路線にするのかということを決めるスケジュールがありますから、それは、山陰自動車道の整備と全く関係ないスケジュールで手を挙げなきゃいけない場面というのがあるのであれば、その段階で挙げるか挙げないかということを決めなきゃいけないんだろうというふうに思います。

○山陰中央新報:国の事業化のスケジュールを見ながら、やっぱりタイミングとしては、手を挙げるか挙げないかというタイミングを判断するときっていうのは、そこの、やっぱり国の事業スケジュールを見きわめながらっていうような認識でよろしいでしょうか。

○丸山知事:はい。他地域のそれを前提とした動き、四国でそういう、四国に新幹線をという動きが経済界と行政が取り組まれていますので、そことの兼ね合いで、遅く手を挙げて消極的ではないかというふうに思われないかというような、そういう手の挙げ方ということもありますので、そういうことも考えながら、ぎりぎりで滑り込めばいいというわけでもないかもしれないと。

○山陰中央新報:財政問題に関してはどのような御認識でしょうか。

○丸山知事:財政問題は、それは事業費、例えば当然、山陰新幹線となれば、当然長い島根県に長い距離の新幹線ができる。そうすれば事業費は非常に大きくなる。伯備新幹線であれば現在の構想といいますか、今のところ松江市までということで小さくなると。ただ、当然連携を呼ぶ効果、沿線が短くなりますので、そういうことを含めて、あとは全体の財政状況の中で、いわゆる島根県として基盤整備にどういうふうなお金のかけ方をしていくのかということの中で、これは財布の大きさというのは基本的には変わりませんので、そういう中で整備新幹線というものにお金を投入していくのか、それとももうちょっと身近な県道整備とかというものに使っていくのかという、そういう基本的な構図になると思いますので、そういったことを含めて、どういうふうにしたらいいのかということを考えなきゃいけないということでありまして、高速鉄道網が必要であるというふうに考えておられる県民の方も相当おられて、望まれている施設、設備であるということは当然認識しておりますし、その効果というのも頭に入れておりますけれども、高速道路のような、いわゆる現状にプラスというのが高速道路。新幹線というのは現状にプラスだけではなくて、ちょっとマイナスがついているのは間違いなくて、それをトータルとしてどういうふうに、そのプラスとマイナスを計算したら出てくるものをどういうふうに県民の皆さんが評価されて、それを進めるべきというふうに思われるかどうかということを、私、問うていかなきゃいけない部分もあるでしょうし、議論していかなきゃいけないということだと思います。ただ、新幹線というのは、そういう高速道路のような、ある意味、バラ色ではないということはきちんと、責任ある立場にある人間は伝えなきゃいけないだろうということで、私はこの問題を語るときに、6月の議会のときもそうでしたが、そういうことをきちんと申し上げるようにしているということでありまして、それは市長さん方とお話しするときもそのお話をさせていただいてますし、県としてもあらゆる面をしていかなきゃいけませんけども、当然用地買収ですとか、今の駅の規模で足りるのかと。今の駅で駅を拡張する、そういう買収をしていくのかと、今のような駅前広場で新幹線として十分なのかどうかとかということを含めて、それに伴ういろんな地元の投資とかも必要になりますし、これは地元、島根の場合は沿岸部であれば市かもしれませんけど、そういう関係する市の皆さんがそういう、いわゆる新幹線が乗っかっている高架の建物、構造物以外の部分の投資も必要になってくる。用地買収とかも必要になってくるということも含めて、そういうことに汗をかかなきゃいけない、そういうことにお金を使わなきゃいけないということも含めて、恐らく関係する自治体というのはいろんな腹決めといいますか、これはこういうお金がかかるけどもやっていこうといういろんな判断をしなきゃいけない案件だと思います。

○山陰中央新報:済みません、山陰新幹線と伯備新幹線、島根・鳥取には2つありますけど、知事としては、どちらが現実的だと考えられますか。それとも、そういった判断ができる立場にないという……。

○丸山知事:私自身は試算をしたこともないので、評価、そういう立場にありませんけども、今のところは絞り切れないので、2つ両立にしているというのが現実なのではないでしょうか。その絞り込みができている人っていうのは余り、自治体単位でもおられないんじゃないですか。

○山陰中央新報:メリットという点でいうと、やっぱり観光面であったりビジネス面であったり、そうした災害であったり、やっぱりこの3つというのが新幹線のメリットとして、知事としては捉えられる。

○丸山知事:交通機関のネットワークが広がるというのは、今申し上げられた3つのうちの最初の2つ。さらに構造がしっかりしてるという意味において、運行の安定性、耐災害性が高いということが付加されるということでしょうかね。

○山陰中央新報:ありがとうございます。


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