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3月11日質問事項1

1.新型コロナウイルス感染症

○山陰中央新報:知事、よろしいでしょうか。山陰中央新報の高橋です。

 新型コロナウイルスによる肺炎について、ちょっとお話をお伺いしたいんですけれども、全国的に肺炎が非常に蔓延してきている状況につきまして、知事は今どのような御所感をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。

○丸山知事:一刻も早い終息を願っている、国民、県民の皆さんと同じ思いであります。さまざまな対策がとられておりますので、この非常時の対応を通じて、この感染ができるだけ早くおさまると、そして今、大きな問題になっていますのは、治療薬がないということに伴う、やはり国民の皆さん、県民の皆さんの不安が大きいということでありますので、そういった治療法の確立といったことを並行して進めていただくということで、まずは蔓延防止、それを完全に、感染症ですので根絶するのは難しいということかもしれませんけども、仮に感染したとしても治療薬がちゃんとあって、きちんと受診すれば命にかかわるようなことにならないといった病気に早くしてもらうと、この2段構えじゃないかというふうに思っております。

○山陰中央新報:島根県の防疫体制と検査体制というのは今現状どういうふうになっていて、体制が十分かどうかについての評価はいかがでしょうか。

○丸山知事:島根県独自の防疫体制とかいうのは実際ありません。防疫は国の仕事でありますので。そこは国の関係の機関、それから国からの要請に基づく空港ですとか県としての、設置者としての対応をさせていただいておりますので、そこは要請されたことというのはきちんと実行している段階にあると思います。

 検査については、一定の体制を準備しておりまして、それで今、事が足りているという状況であります。蔓延期になった場合、たくさんふえた場合に、当然一定の容量がありますので、そういったときにどういう対応をするのかということについては、近隣府県、関係県、全国的な協調体制といいますか、協力体制ができるということではありますけども、そういったものを活用しながら足らざるを補っていくという状況になります。どこも完全なところというのは、今、蔓延することを前提とした体制をどこも組んでないわけですから、蔓延に向けてどういう体制をとるかというのは、進捗に応じて対応していくということではないかと思います。

○山陰中央新報:今、松江市内の施設で感染しているかどうかの検査をしていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、その状況については十分余裕があるというふうな御認識でいらっしゃいますでしょうか。

○丸山知事:今は、検体を20、割と時間がかかる検査ですので6時間で結果を出していくということであります。今は件数がそれほど多くありませんので、お一人当たり2検体をとって対応していると。なので、たしか20検体が6時間で対応できて、それを1日2回でやっていけば40検体が処理できる、最後、多くなってきたときには一人2検体ということじゃなくて、一人1検体ということになると、たしか40人分はその既存の施設で対応できるはずですが、ただ、一度動かしますと追加ができませんので、例えば20のうち10でスタートしたら、残り10はそのは使ないという、先ほどの延べのカウントでいくと入りませんので、そういう、フルで稼働したとしてそういう数字だったと思います。ちょっと間違ってたらごめんなさい。確認していただきましょう。ちょっと聞いてみてください。

○山陰放送:BSSの秦と申します。

 きょうの、企業ガイダンスの支援ということで、このWEBを打ち出されましたけれども、今後、このコロナウイルスの対策について、特にどういった分野にさらに追加の支援が必要だというような、その分野を狙い撃ちしたところの支援策で、どこの分野が必要であるかということ、お考えありますでしょうか。

○丸山知事:いや、正直、幅広いということはよくわかりますけども、中国との間のサプライチェーンとかっていう問題になりますと、県は、当然、聞き取りはいたしますが、そういった県内での主要企業の状況とかっていうのは聞き取りになりますし、そういう企業の操業の頻度が、操業率が下がるといったことに伴う影響が多分、その周辺の企業、取引先にも影響するでしょうから、そういった意味でどんどんつながっていきますので、よくわからないというところが、観光とかですとか比較的調査で把握できますが、そういうつながってるサプライチェーンの問題というのは、正直、マクロでないと、日本全体の数字とかということでないと把握がしにくいので、個別の業種に絞ってというふうな対策というよりは、全産業に共通する対策を当面講じていくということだと思いますが、間違いないのは、宿泊、観光、また今回のイベントの自粛要請などに基づきます飲食業への影響が、これは明白に大きいというふうには認識しておりますけども、全体としての対策として、県単独でどういう対策を講じていくかというよりは、国としてどういう対策を講じられるのかということを見守ってるという状況です。

○山陰放送:その聞き取りに関してなんですけども、先ほど聞き取りというふうに言われましたけれども、その聞き取りは、毎日、各担当部局が何か回って情報を上げるというようなシステムづくりがされてるんでしょうか。

○丸山知事:いや、そんな毎日やる意味もないでしょうから、定期的にやっているものがあって、四半期ごとにやってるものがあったり、それを前倒しでやったりする場合もあるでしょうし、それはどの道、聞いたとしても、それはサンプリングのような話になるので、全体ではありませんから、全体的な兆候、または大きな傾向をつかむという意味での聞き取りを、定例でやってるもので把握しているという状況かと思います。

○山陰放送:ありがとうございました。

○毎日新聞:毎日新聞の榊原です。

 小さい飲食業とかですと、県の融資があるよと言っても、融資って結局返さなきゃいけないんでしょというような声も聞かれたりするんですけど、支援というのは考えていらっしゃいますでしょうか。

○丸山知事:それは、どういう支援ということですか。具体的には、融資という支援をします。今回落ち込んでいる消費をどういうふうに回復させるのかということは、正直、県単独では難しいと思ってます。国として、今回の感染が落ちついたときにどういうふうな需要喚起策をとっていくのかという、そういう課題が国政としてあるということだというふうに思ってますし、そういったことを含めて、今回の経済対策、きのう出た第2弾の対策の中でも、そういうことを検討するというふうにされておりますので、そういったことに対応して、県として追加を、何をするかというふうな考え方で臨んでいかざるを得ないんじゃないかと。

○毎日新聞:じゃあ国にいろいろ働きかけをしていくとともに、基本的にはおさまるまでは我慢をしてもらうという形になりますか。

○丸山知事:外出を控えるようにっていうふうに今、政府が言われている以上は、どんどん外出してくださいとは言えない状況かと。東日本大震災の際の旅行控え、例えば西日本でとかというのは気持ちの問題でした、ある意味。これだけ多くの方々が東北で亡くなっていて、そんな中で、いわゆる娯楽とか余暇という形で外出をするのは控えようという気持ちの問題だったと思いますけども、そういうことまでは求められてないということでいろんな旅行を喚起するためのいろんな経済対策を打たれたと記憶してますけども、それは外出することについて問題がなかったから、気持ちとか、そういう補助をすればよかったわけですが、今、この状況ではやりようがないですよね。多くの場所に集まることを控えると。どこまでが適切なのかという線引きは難しいですけども、大規模イベント自粛という要請が来ている、実際感染も広がっているという中で、どこかにみんなで、国民挙げて出かけましょうというふうな対策というのは、今はとりにくい、とれない時期だというふうに思いますので、早く基本的な終息をしていただいた上で、その上で、それに間を置かずに対策をとってもらうしかないんじゃないかと。そのために、その間に売り上げの減で資金繰りの関係で経営が傾くことがないように、きちんと資金繰りをフォローする金融支援といいますか、資金繰りをきちんと円滑に行ってもらうということじゃないかというふうに思います。それで需要が本当に戻ってくるのかと。送別会を延期、難しいですから、見送られた送別会というのはなかなか、4月にやろう、5月にやろうということにならないと思いますから、そういう厳しい状況だというのは重々承知していますけども、そういうことを含めて、後で取り戻すような対策を国全体として講じてもらわなきゃいけないんじゃないかというふうに思ってます。

○共同通信:済みません。共同通信の出川でございます。

 きょうは、選抜高校野球の関係でお聞きしたいんですけども、コロナウイルスの関係で、無観客か中止かという話が今議論されてると思いますけども、県勢としては平田高校が初出場になっているんですけれども、現状として、無観客の開催がいいですとか、それとも中止にしたほうがいいとか、そういったような、もし意見があれば、知事も野球されてたと思うんで、意見があればお願いします。

○丸山知事:これは自粛することが目的ではなくて、感染拡大の防止のために大きなイベント、感染が広がりやすいイベントを自粛しましょうというお話だというふうに認識をしております。ということは、感染防止について工夫をして、そういうリスクはゼロにはできないでしょうから、極力抑えて開催をしていただくというのが、平田高校の関係者を含めて、島根県民の多分共通した思いじゃないかなというふうに思います。別の考えの方もおられるかもしれませんが、私は、ともかくいろんな工夫をしながら、甲子園でプレーをしてもらう機会をできるだけつくってもらいたいなあというのが、県知事としてというか、私個人の希望であります。決して感染を広げてもいいから開いてくださいということではありませんが、もう無観客試合ということが決まってたら、もし選手間で感染防止を工夫をすることがあれば工夫をしてもらって、そういった中で開催というか、何をもって開催かということですが、ともかく憧れの甲子園の出場に向けて一生懸命頑張ってこられた選手の皆さん、そしてそれを応援されてこられた家族、周辺の皆さんの思いからすると、そういうことだろうというふうに思いますし、私もそっち側の人間かなということです。

○共同通信:でも、無観客でもやったほうがいいというか、言われたかと思うんですけども、片や、ほかのスポーツの、例えばテニスとかですかね、の全国大会が中止されてる中で、野球だけどうしてというふうな見方もあると思うんですけれども、それでもやはり甲子園は絶対やったほうがいいというふうに考えられますか。

○丸山知事:いや、別にテニスだって、感染の抑制をしながらやれるんだったらやられたほうがいいと思いますし、別に野球だから特別じゃなくて、趣旨は感染拡大防止だと思いますので、自粛と変わらないようなリスクで開催できるんだったら、それは開催をされたほうがいいんじゃないかなと。また、テニスだって、無観客でいろんな対策を講じて開いて、リスクを過度に高めないような工夫がされるんだったら、それは開催されたほうがいいんじゃないですかね。それは全部、基本的には主催者の判断だと思いますけど。目的と手段はちゃんと分けて、目的にかなう範囲内でのやり方というのはあるんじゃないかなというふうに思います。ですから、大相撲もああいうやり方というのは一つのやり方だというふうに思いますし、いろんな工夫の仕方、開催の仕方というのはあると思いますので、野球だけ特別にということではありません。出場に向けて、出場権を得られた方々というのは当然、そこでプレーしたい、できれば大勢の地元からの観客、また全国からの観客のもとでプレーをしたいというのが本来的にはあると思いますけども、まだそこは今回難しい。でも、やっぱり全国大会という場で自分の力を発揮したいというふうにプレーヤーが思われているわけですから、その願いができるだけ実現されたほうがいいなというふうに思っているということでありまして、ただ、それは主催者が全般としてどういうふうに捉えられて考えられるかなので、結果について私があれこれ申し上げる立場にはありませんけども、一般論として、目的にかなった範囲内で、自粛とか中止が目的ではないんじゃないかというふうには思ってます。

○共同通信:ありがとうございました。

 

○中国新聞:中国新聞の松本です。

 コロナ関連で、ちょっと戻るようになるんですけども、近隣の県で感染例が判明してますけども、今の危機感というのか、当初に比べて危機感がどのように変化してきたのかということと、それから県内で感染例が発生した場合の備えとして、検査、診療の備えとしてどのような指示をされてるか、教えてください。

○丸山知事:危機感は最初からあります。いつも、常にあした出てもおかしくない、検査があるわけですから、ない日もありますけど、日々、疑い例じゃないですけども、よく検査をしたほうがいいんじゃないかという方の検体の検査がありますので、その中から感染例が出てくることもあるでしょうし、他県の例で、濃厚接触を大量にされるケースの場合に、本県の県民の方が戻られてるということも、それはあるでしょうから、そういった意味で、感染の検査の結果、そして他県からの波及といったことを含めて、いろんな、これは県内で感染がいつ生じてもおかしくないという気持ちで、県庁全体で臨んでおります。したがいまして、検査体制については、先ほど申し上げましたように、頻度を今は検体を一人2つでやるものを、当然たくさんになれば、もう1でやっていく。動かす方の頻度を24時間化すると。今の研究所以外で、県内でお願いできるところがあればお願いをしていくといった形で、稼働を高めるといった形で対応していきますし、病床についても、今の感染症用の病棟以外に追加できる病床を確保しているところですので、そういった、今の平時の状況に対して、さらに検査ですとか入院病床が必要な場合には、その準備をあらかじめしていくという状況であります。

○中国新聞:ありがとうございます。

 

○時事通信:時事通信社の大槻です。

 コロナの質問に戻るんですが、検査体制について、一人2つの検体を一人1つにしたり24時間体制にしたりして体制を整えていくということだったんですけども、最大で何人分の検査を受け付けられるというような想定はあるのでしょうか。

○丸山知事:数字は、もう細かいところは事務方に聞いてください。担当課長が答えると思います。

○時事通信:わかりました。

○広報室:この後、御説明に参ります。

○山陰中央新報:よろしいですか。山陰中央新報、高橋です。

 県内経済に対する影響というのは、今、知事、どういうふうに、全体的に見て感じてらっしゃいますか。

○丸山知事:小さくないという表現では足りない、大きいということじゃないですかね。もともと消費税が昨年10月に引き上げられて、消費自体はやっぱり日本国全体が弱含みだったわけでありますので、そういった中で外出を控えるというふうな生活スタイルになりますし、そういった意味で、最終消費としてのいろんな消費が縮んでる、いろんな行事もなくなっていけば、そういった分だけ最終支出は減るわけですから、これを、先ほど榊原さんからお話があったように、落ちたままにしておけばその分GDPは下がった状況になるわけですから、この下がった分を、いわゆる大まかな終息後にできるだけ速やかに回復していくようないろんな対策がやっぱり必要なんじゃないかと。これは島根に限らず、全国的な状況だと思いますので、国として取り組んでもらう必要があるんじゃないかというふうに思っております。

○山陰中央新報:その回復に向けた対策を打つタイミングというのは非常に、今回の案件だと、先が見えずに難しいのかなという印象を持つんですけれども、その中で、県としてこういうことをやれればいいかなということがもしあれば、お話をお伺いできますでしょうか。

○丸山知事:なかなかやっぱり難しいですよね。まず、学校の休校ですとかイベント自粛がどこまで続くのかということの見立ても難しいわけですよね。もう一つは、サプライチェーンの関係ですと、中国の感染とか、中国に限らず東南アジアの感染の落ちつきぐあいとかっていうことにも影響されると思います。したがって、いわゆる我々の個人消費に関する対策だったりという対策と、サプライチェーンに基づく影響というのは、おさまる時期がまた違ったりするでしょうから、ともかく我々は個人ベースの支出抑制みたいなモードをいつ転換できるかというのは、我々が今までどおり、従前の、感染前の外出するスタイルがとれるようなタイミングで、できるだけ速やかに実行していただくということが必要だというふうに思っておりますけども、その対策がどういうふうになっていくのかということが、そもそもまだ検討するというふうにお約束はいただいてますけども、姿は見えませんので、その対策にあわせて講じていくということになるのではないかと。影響が大き過ぎて、なかなか県単独で受けとめるには余りにも大き過ぎて、やりたいのはやまやまですけども、先が、我々が見通せる状況にないということ等を含めて、ともかく苦慮しているというところであります。

○山陰中央新報:一方で、医療であったりとか保育とかっていう分野だと、どうしても狭いところで多くの、子供さんも含めて患者の方々であったりとか、そういう方々を見るような形になって、蔓延の危険性も非常に高いと思うんですけれども、そこに対して対応とか対策というのは、県のほうで何か考えていらっしゃったりはされますか。

○丸山知事:今回、経済対策の中で、福祉施設とか保育所とかですかね、消毒液の購入経費の補助とかっていうのが項目に入ってたような気がしますので、そういったものをきちんと使っていただく。なので多分、今の施設というのはそういう観点での施設の選び方だというふうに思いますので、そういうことを、いわゆる咳エチケットですとか手洗いの励行、消毒の励行といったところを、人が密に、基礎疾患または小さいお子さんとかがおられるところについては、より入念にやっていくということを徹底してもらうということと、それに伴って必要な資材がないということがないように、国にしっかり流通をしてもらうような、その制度のもとに要請をしてもらうといったことを通じて、気をつけることを気をつけてもらえる環境をちゃんとつくっていくということを国、県、市町村とあわせて全体で取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。

○山陰中央新報:一方で、先日、知事は、県立学校について休校しないという御判断をされた経緯がございますけれども、改めてその判断をされた御理由についてはどのように。

○丸山知事:県議会でも御説明をしたとおり、県立学校ですから高等学校、それから特別支援学校、これはいずれにも共通する要因ですけども、やはり学習のおくれを最小限にする。そして、もう1点は、特別支援学校に関連する問題ですけども、やはり高等学校と違いまして、家で一人で留守番など、家でいてくださいねといって一人で置いておくことができない生徒さんが多いわけですから、そういった意味で、小学校と同じように、家庭でサポートしていただく親御さんなり、おじいちゃん、おばあちゃんなりが家に一緒にいていただかないといけないということが当然想定されますから、そういった意味での家庭の負担も最小限にしたいということで、私は当面見送りという表現されますけども、基本的には実施をする方針でああした、必要があればというか、県内の感染が確認されればできるだけ速やかにやる準備を常にしておりますので、スタートの時期をそういう感染が確認された後直ちにという形で、基本は実施をするということでありますが、スタートの時期を、家庭の負担と学習のおくれ、これを最小限にする観点から、そういう段階という形で置かせていただいているということであります。

○山陰中央新報:それは、蔓延の危険性と、県民生活への影響、これを、どっちをとるかというか、どういうふうなバランスで考えるべきかっていう御判断のもとでそう考えられたという認識かなと思うんですけれども、ほかの都道府県では、ほとんど学校は休校しているような形になっておりまして、それについては、知事は御所感としてはどういう御所感をお持ちでしょうか。

○丸山知事:いろんな判断があると思いますけど、ともかく結構短い時間で判断を求められたので、いろんなことを考える余裕がない状況に都道府県も市町村も置かれたと思いますから、そういうふうな判断をする人がもっといてもしかるべきだというふうには全く思いませんし、私も1県だけだということを明確に認識して決めたわけでもありませんから、それぞれの判断の結果がこういうふうになったということであろうと思います。ただ、やっぱりそれぞれ、例えば月曜からの休校を実施するために土日を臨時登校日にして休校に備えたという、たしかこれ報道ですけども、どこかの市町村もあったと思いますし、やっぱり1日2日あけて、行って、3月2日からではなくて、若干猶予を置いてやるとか、いろんな工夫はされていると思いますので、そういった中で皆さんのところでそれぞれの事情を踏まえて判断された結果だというふうに思っております。

○山陰中央新報:もう1点、知事が休校しないというか、学校を実施しようという御判断をされる前に、県教委のほうから非公式に休校だというような通知を市町村教委に送っていたことに対する御所感だけお伺いしてもよろしいでしょうか。

○丸山知事:それは、当然だと思います。実は前日、私も突然、総理の発言は報道で流れてましたから、しかも今回の案件というのは、学校の問題でもありますけども、家庭でどう受けとめるかということについて、福祉の部門と一体で考えなきゃいけないということで、前日の晩に県教委からその相談がありました。そのときは私が今回、国の要請の範囲内だというふうに判断した通知はまだありませんでしたので、期間については地域の実情に応じて判断してもらって構わないといった要素はありませんでしたから、そういった要素がない中では、3月2日の実施はやむなしじゃないかというふうに私も了解して、そういった連絡を、ともかくウイークデーベースで、翌々日の話ですから、翌日の中で、もう休校を生徒さんに伝えなきゃいけないという状況ですから、その時点の見込みとして、こういうことで予定してるということを伝えるというのは、ある意味、一般県民の皆さんに対するものではありませんが、教育関係者の中での最大限の情報公開をしてる、県教委として、今のところの考えはこうだというふうに伝えるというのは、ある意味賢明な対応だというふうに思ってます。

 ただ、私の立場からすると、県教委はどう思ったかわかりませんけども、そういうことをやってしまうとなかなか変えにくいということだったと思いますけども、それはそういうふうにやったということに縛られずに、やはり通知などを踏まえて、翌日の昼の時点で、これが一番いいんじゃないかという判断をしたということは、これはこれで私の判断ですから、県教委が悪いとかって話じゃなくて、私も関与した問題ですので、私にも責任があろうかと思いますけども、私自身は前の日の時点でその時点の考えを内々伝えておく、その準備をしといてもらう、心づもりをしといてもらうということは大事なことだと思いますし、やらなければよかったとは思っておりませんし、それをやったから翌日の判断をそのままにしなきゃいけないということでもないだろうというふうに思ってますので、全体の判断としては、自分自身に問われる問いがありますけども、正直、それほど間違ったことをしたとは思っていないところであります。

○山陰中央新報:総理が休校を要請された当日に県教委がということだったと思うんですけれども、そこには知事に対する報告はなかったということでよろしいんですか。

○丸山知事:いや、ありましたよ。

○山陰中央新報:あ、あったんですね。

○丸山知事:はい。そういう。

○山陰中央新報:通知をしようということを連絡があって……。

○丸山知事:翌日最終判断ですけど、その時点で相談はありました。

○山陰中央新報:わかりました。それは、知事も御了承されたと、一旦は御了承されたと。

○丸山知事:はい。

○山陰中央新報:その後、次の日、文部次官の通達が来て、あの文書の中で、各都道府県の判断だというような文言があったと思うので、それを読まれて対応を変更されたということなんですね。

○丸山知事:そういうことです。

○山陰中央新報:わかりました。ありがとうございます。

○丸山知事:私の信条は臨機応変ですので。

○山陰中央新報:了解しました。

○NHK:済みません、NHKの西林です。

 コロナの関係のところで、おととい、政府が新型インフルエンザ対策の特別措置法の改正案を閣議決定して、きょう衆議院入りしたと思うんですけれども、内容として、総理が緊急事態宣言を行って、期間や区域を指定した場合、その対象地域の知事が外出の自粛とか施設の使用制限とか要請ができるという内容だったと思うんですけれども、そういった、今議論されている特別措置法の改正案について、何か御所感があれば。

○丸山知事:いや、もともと通ってる法律の対象の疾患を広げるという、それ以外に何かあるんでしたっけ。

○NHK:特に、済みません、ちょっと私も……。

○丸山知事:多分、今回の新型コロナウイルス感染症を追加するってお話だとすると、もともと認められたスタイルの間口をどこまで広げるかということだと思いますけど、当事者になった場合のことを考えると、結構責任が大きいので、権限が大きいですので、何かどんと任せてくださいというふうに言えるほど自信はない、いろんなちゅうちょ、いろんな検討をしながら、迷いながらやっぱり法律を執行していかなきゃいけないなというふうに思いますね。自粛の要請とかで、実際自粛の要請をして、従った方々には今でもいろんな問題が出てますけど、やっぱりイベント自粛に伴う損失をどうしてくれるのかというふうな話が必ずつきまとうと思いますけども、我々、政府と違ってちっちゃな身ですから、それは我々が全部補填しますとかというふうに言えるわけでもないので、そういったことが実際問題としてどういうふうに使われるのかっていうことっていうのは、ある意味、未知の世界ではありますので、それはもう法律の要請だから、何らかの補填措置をするわけではないから、法律上書いてないので、それは何もしないという考え方なのかもしれませんけど、ちょっと詳しくわかりませんけど、今起きている感染予防と現実の経済活動、市民活動のいろんな調整の問題がより明確に、非常事態宣言の場合は出てくるわけですから、そういった中でどういうかじ取りができるかというのは、いろいろ県知事の頭の中だけで判断できるという感じがしないので、いろんな専門家の意見を聞いたり、国の意見を聞いたりしながら試行錯誤してやっていくんだろうなというふうに思っております。

○NHK:ありがとうございます。

○朝日新聞:よろしいですか。朝日新聞の市野と申します。

 休校についてなんですけども、今、県の判断だと、県内で感染者が確認されれば休校ということなんですけども、ケース・バイ・ケースかとは思うんですが、例えば米子であったりとか、県外であっても交流する上でかなり近い場所というのが多くあるかと思うんですが、そういう場合には、原則県内というだけではなくて、県外でもリスキーな場所であれば休校という判断を下す可能性というものがどれほどあるかというのをお考えでしたら教えてください。

○丸山知事:まあゼロではないですね。

○広報室:申しわけございません。会見の途中でございますけれども、2時46分まであと10秒程度でございます。皆さん、御起立のほど、よろしくお願いしたいと思います。

 では、黙祷。

 皆様、お直りください。

○丸山知事:隣県だからとか隣地だからとかっていう、単純な、それでということはないですけども、確認された患者さんがどの程度動かれているかとか、どういう場所で濃厚接触されているかとかということを具体的に把握できれば把握して、結局、県内感染の1例目に相当するような状況だとすれば、それはもう是々非々ではないので、これは感染のリスクと、先ほど申し上げた学習の問題、それから家庭の問題、そのバランスをとってるという話ですから、それは、それに相当するような状況があり得るだろうとは思ってます。ただ、形式的に今、この場合にこうするとかって決めてるわけじゃなくて、仮に隣接で発生したから県内発生とみなすとかっていうふうに決めてるわけでもない。その方の発症までの、検査に至るまでの状況を確認の上で判断するということになるんじゃないかというふうに思います。どこまで情報が得られるかによりますけども。

○朝日新聞:それぞれ個別具体的なケースで、県内の感染1例目に相当するほどのリスクがあると知事が判断されれば休校の可能性というのもあるということですか。

○丸山知事:まあ教育委員会と相談してですけどね。

○朝日新聞:承知しました。ありがとうございます。

○読売新聞:読売新聞の岡本です。済みません、ちょっと話が戻ってしまってるんですけど、特措法の関係で、先ほど知事、ちょっと自信がないような感じでおっしゃっておりましたけれども、実際もう閣議決定されてしまった以上、かなりの短時間での知事の判断というのが迫られる事態も、今、島根は発生ないんですけれども、余り笑ってられない事態に陥ることもあるかと思うんですが、知事の今のお話の感じだと、余り心の準備はできてらっしゃらないのかなと受けとめたんですが。

○丸山知事:いや、私、47都道府県知事の中で、任せてくださいって胸張って言える方って、そうそうおられないと思いますよ。感染の全体的な広がりとか、そういう情報が島根県、県単位でそれほど持ってるわけではないので、その中でどの程度のことをやるべきかというのは、単純に言うと、総理から指示を受けて県知事がやるという話だったら簡単なんです。非常事態宣言で都道府県の指定まで国の本部でやられて、あとは県がやるような、県知事の判断となってるわけですから、その裁量、与えられてる権限をどこまで使うかというのは悩みながらになると思いますけどね。北海道知事さんも今、非常事態宣言とかやられてますけども、全く迷いなくやられてるとはとても思えませんので、悩みながら法律に基づくからといって悩まずにできるっていうわけではないと思いますけど。

○読売新聞:かなり今回の改正で都道府県知事の権限が強化されて、その私的な権利を制限する権限が知事に強化されるということなんですけれども、その……。

○丸山知事:違う違う。もともとそうなってるんですよ。

○読売新聞:ああ、まあそうなんですけども……。

○丸山知事:もともと、コロナが入るか入らないかっていう問題だったんですけど、もともとの制度が、法律が制定されたときからそういうふうになっているので、そういう意味では。

○読売新聞:もうちょっと細かく定めてる部分とかもあるようなんですが、何か知事として国に、今回の法律ができることで、何か改めて要望されることとかってありますか。

○丸山知事:いや、知事会として非常事態宣言の基準とかを示してほしいとかっていうことは言ってますけど、現実問題、私権の制限をどういう段階でやるべきかとかっていうことを、こういう場合にやりなさいって概括的に淡々と、そういうふうな法律構造になってるかどうかもわかりませんし、ともかく権限は大きいし裁量も大きい。ということは、それをどう使うかということを県知事がちゃんと判断していかなきゃいけない話ですけど、この場合だからこうするよねっていうふうに単純にならないんじゃないでしょうか。今回の総理の御判断も、感染防止に向けて英断だというふうな評価がある一方で、やっぱりいろんな負担も大きいじゃないかというふうな話が、当然賛否両論が、何をするにしても出てくるでしょうから、そういう意味で、いろいろ考えながらやらなきゃいけないと。この状況に至ると思います。これはただ、あらかじめ準備するとか、法律の規定をちゃんと読んで、当然把握はしてますけども、結局のところ現実問題、現実島根で起きていることに対して、この措置が適切なのか、やり過ぎじゃないのか、いや、やり過ぎかもしれないけどもやるべきなのか、やはりやり過ぎじゃないっていうことよりは、もう感染防止のために、あえて、もしかすると若干強目かもしんないけどもやるべきかとかっていう、そういうことを考えながらやらないといけないはずなので、非常にフローチャートを追っていくと答えが出てくるみたいなことにならないというところが難しいところだなというふうに思っています。すごい自信満々という方がおられるかもしれませんけども、私はちょっと、多分悩みながら、この法律、非常事態宣言に基づく指定に伴い、いろんな権限の行使というのは一つ一つ慎重に考えて、悩みながらやることになるというふうに、恐らく思います。

○山陰放送:BSSの秦です。

 県立学校の休校見送りの判断のことについてです。前日までの流れといいますか、判断はよくわかったんですけれども、その当日、結局見送ったという判断は、知事主導で県教委を説得したという形になるんでしょうか、それとも双方が、やはりそうだよねということで意見が最初から合致したということなんでしょうか。

○丸山知事:いや、いろんな、当然幾つかの案があって、どうしようかと。当然、きのうの方針どおり3月2日から休校するという案もあり、今やってるような案もあり、そういった中でどうしようかということをお互いに相談して決めたということです。これは教育委員会のほうで案をつくってもらって、それについて議論して、お互いこうやっていこうというふうに合意したということですね。どちらが主導ということはないです。

○山陰放送:知事のほうとしても、見送りだという強い意思を持って県教委とのやりとりに臨んだということではないということでしょうか。

○丸山知事:強いか弱いかというのはちょっと比喩的ですけども、私は、きのうときょうで判断を変えることになりますけども、それは状況が違って、国からの要請の内容が、そういう工夫がし得る要請の内容だったということが判明しましたんで、それも含めて、そういう柔軟な対応も含めて選択肢に入れて考えるべきだということは、これは強く思いましたけども。要するにきのう決めて、きのう、こうする予定ですというふうに内々の連絡をしたことというのは、ある意味一つの大きな事実なんですけども、それにこだわって状況変化というか、国から与えてもらった裁量を使わないという手はないだろうと、そこは強く思いました。

○山陰放送:午前中には出雲市であるとか、もう既に見送りを決めている自治体が出てますね。それから知事のほうも、議会中でしたけども、議会の始まる前とか、議員の方との意見交換もあったのではないかなと想像するんですが、そのあたりの情報というのも有力な判断材料になったんでしょうか。

○丸山知事:まあそうですね、出雲市のそういう判断、理由はちょっとわからなかったですけど、結果がそういうことになりそうだという話は聞いてましたし、都道府県知事の中で、性急だというふうなコメントをされている方もおられましたけど、そのときは最終的な結果を見たわけじゃないのであれですけど、まず基本は島根県の県立学校設置者、教育委員会としてどういうふうな判断をしてもらうのがいいのかということですよね。人の意見をあれこれ聞いて、みんなの意見を取り入れるわけでもないので、恐らく賛成という方もおられるでしょうし、やはり子供さんの感染防止の観点からは休校を、国の要請どおりすべきだったんじゃないかという御意見も当然あるだろうというふうに思いましたので、そこはバランスをとるべきかどうか、感染防止という観点だけで判断をするかどうか、若干、実際の県民生活だったり子供さんの休校後の学習ということも加味をするということで、だから、ちょっとまとまりませんけど、いろんな人の話を聞いてみて決めたというよりは、そういう考慮すべきかどうか、する余地があるかどうかということで、前日の時点ではそういうことを考慮する余地がないような、それを感じさせるものがなかったのでそういう議論まで至りませんでしたけど、翌日出てきた通知でいけば、そういった対応ですとか、島根県においてはまだ感染例が確認されてないという地域の事情が反映できないことはないだろうというふうに思いましたんで、そういうことで教育委員会と相談して決めたというところですね。

○山陰放送:ありがとうございました。

 

○毎日新聞:毎日新聞の榊原です。

済みません、コロナの話に戻るんですが、経済的影響で、県単独で受けとめるには大き過ぎるというようなお言葉もあったと思うんですけども、国の対応については十分というふうに考えられてますでしょうか。

○丸山知事:今は、きのうの第2弾の中では、そういう対策っていうのは今後検討するというふうになっておりますので、やるって書いていただけたほうがよかったですけど、まだ、今の段階では規模も決められないでしょうし、そういった意味で、引き続き検討で、書かれてないとか、やらないと書かれることはないですけど、入っていないよりは随分、こういう問題意識を持っていただいているという意味において、私は全国知事会の中で問題提起をしましたけども、やはり実際の経済の中でいろんな問題が生じてるということを政府においてきちんと受けとめられてるというふうに思っておりますので、今後十分な規模なり十分な内容の対策が講じられるように、我々も地域の現状をきちんと伝えていくということで、いい対策を打っていただけるように、これからも頑張っていきたいというふうに思っております。

○毎日新聞:ありがとうございました。


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