島根県庁舎本庁舎・島根県庁舎議事堂・旧島根県立博物館
国登録有形文化財に登録へ
国の文化審議会(佐藤信会長)が今年7月、松江市殿町の島根県庁舎本庁舎、同議事堂、旧島根県立博物館(島根県庁第三分庁舎)の計3件を国登録有形文化財(建造物)にするよう、文部科学大臣に答申しました。
県庁舎本庁舎と議事堂の設計は、島根県邑智郡石見町(現邑南町)出身で建設省営繕局所属だった安田臣(かたし)建設専門官が担当。いずれも建物内外の仕上げには石見焼タイルや福光石など県内産材料が使われています。旧県立博物館は、島根県立美術館や江戸東京博物館などを手掛けた世界的建築家の菊竹清訓(きよのり)による設計です。
県庁舎をはじめ周辺の県有施設は、昭和30年代から40年代にかけて松江城周辺の歴史的景観との調和を重要なテーマとして整備されたものであり、これらの建物が文化財として登録されることで松江城周辺の魅力はさらに高まると期待されます。
島根県庁舎本庁舎
【建築年】昭和34(1959)年
【構造等】鉄筋コンクリート造地上6階地下2階建て(約1万7千平方メートル)
【設計者】安田臣
【特徴】雨天の多い山陰地方の気候に配慮して各階にひさしをめぐらせ、窓開口を大きくしています。杉板型枠を用いたコンクリート打ち放しの柱と白いひさしが交差するシンプルで美しい外観が特徴。市街地から松江城への眺望を遮らないよう建物を敷地奥へと最大限に後退させているほか、松江城天守から宍道湖への見晴らしにも配慮して、建物の高さを城山の標高以下に抑えています。
島根県庁舎議事堂
【建築年】昭和34(1959)年
【構造等】鉄筋コンクリート造3階建て(約4千平方メートル)
【設計者】安田臣
【特徴】本庁舎と一体的に整備された建物で、柱の垂直線を強調した本庁舎とは対比的に、ひさしを大きく張り出して水平線を強く打ち出し、正面2階のバルコニー中央に縦格子を入れることで、単調になりがちな庁舎建築の外観にアクセントを与えています。
旧島根県立博物館(県庁第3分庁舎)
【建築年】昭和33(1958)年
【構造等】鉄筋コンクリート造3階建て(約1300平方メートル)
【設計者】菊竹清訓
【特徴】水害の多い松江の地域性に配慮し、白い箱状の3階部分(展示室)をコンクリート打ち放しの柱で持ち上げた高床式倉庫のような構成となっています。1、2階は吹き抜けのエントランスホールやバルコニーを設けた開放的な空間。外装は白と黒を基調にし、県庁庭園をはさんで向かい合う松江城との景観調和が図られています。
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