始まってます小さな拠点づくり
中山間地域で安心して暮らし続けるために
県土の約87%を占める中山間地域で進む、人口の減少や高齢化。
日常生活に必要な機能の維持が困難となる集落が増えるなか、公民館エリアなど、
より広い地域でまとまって日常生活を支える仕組みをつくることが必要になっています。
できることから、少しずつ
住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、さまざまな課題の解決が必要です。そのために、知恵を出し合い、計画を作って、できることから一つずつ取り組んでいくことが「小さな拠点づくり」です。住民の皆さんでよく話し合い、地域コミュニティーの維持や、買い物などの日常生活を送るうえでの課題を明らかにすることから始めましょう。
(ステップ1)
・地域のことを知る
・みんなで話し合う
(ステップ2)
・計画をつくる
・取り組み体制をつくる
(ステップ3)
・取り組みの試行・改善
・取り組みの充実
●詳しく話を聞いてみたい
●地域での話し合いを始めてみたい
●計画づくりや取り組みをサポートしてほしいなど
思い立ったら気軽にお電話ください(担当者がお伺いします)
東部/しまね暮らし推進課(TEL:0852・22・5065)
西部/西部県民センター地域振興課(TEL:0855・29・5514)
隠岐/隠岐支庁地域振興課(TEL:08512・2・9611)
取り組み事例はこちら↓
「食育」核に地域づくり、人づくり
●ときめきの里・真砂(まさご)〔益田市〕
保育所の給食に提供する野菜の出荷作業
益田市真砂地区は、平成23年度に県の「地域力醸成プログラム事業」の選定を受け、公民館と学校、地域商社「真砂」の3者が協働して地域づくりへの取り組みを開始。今年4月には地域自治組織「ときめきの里・真砂」を発足させました。
食育を活動の核に、給食用野菜の提供に取り組んでいます。市内の4保育所と連携し、約50世帯の高齢者らが家庭菜園で栽培。拠点とする真砂地区振興センターに週2回出荷して仕分けし、配送係の住民が遠方の保育所へ届けます。
生産者には出荷量に応じて販売収益があります。「収入はわずかだが、地域社会で誰かの役に立てる生きがいや、住民同士の交流が生まれたことが成果」と「ときめきの里・真砂」の大庭完(ゆたか)会長は話します。
真砂の野菜は給食食材としての安全性が注目され、市内スーパーに販路が拡大。出荷を兼ねて買い物支援バス(ふれあいバス)を試行運転させ、交通弱者対策にも取り組んでいます。
そのほか小中学生へのふるさと教育・キャリア教育を実施。今後は交流拠点施設の開設や認知症の高齢者の見守り活動を計画しています。
地区データ
該当エリア/益田市波田町、下波田町、長沢町、馬谷町
人口/389人
高齢化率/53.2%(平成28年4月時点)
ふれあいバスでの野菜出荷
地域食材を使ったふるさと教育活動(1日レストラン)
配食サービスで高齢者の見守り
●北三瓶よろず会(大田市)
弁当の配食サービス
大田市北三瓶地区は、かつての国境(くにざかい)にまたがった3地区の一体化を図り、地域課題に取り組もうと、平成24年に「北三瓶よろず会」を結成しました。
高齢者への聞き取り調査で課題を洗い出し、週1回の配食サービスを始めました。市内業者に北三瓶まちづくりセンターまで弁当を配送してもらい、住民ボランティアが各戸へ届けています。買い物の不便さや栄養管理への不安に対する生活支援だけでなく、高齢世帯の孤立予防につなげています。
また自主防災のための防災マップの作成や救命救急キットの全戸配付、県の支援を受けて空き家対策や産業振興にも取り組んでいます。住民の一体感を深めるため開設したホームページにかかる費用は、カレンダーを作成・販売して自己資金をつくるなど、工夫をしました。
地域づくりは「北三瓶の夢を語る会」で住民が語り合った内容が土台になっています。北三瓶よろず会の亀谷惠隆(えりゅう)副会長は「不安を語ってもきりがない。ああしたい、こうしたいという将来への希望が活動の推進力」と話しています。
地区データ
該当エリア/大田市三瓶町多根・野城、山口町
人口/542人
高齢化率/44.5%(平成28年4月時点)
「北三瓶の夢を語る会」で住民から挙がった希望
全戸配付した救命救急キット
資金づくりのために作成したカレンダー
地域主体でマーケット運営
●波多コミュニティ協議会(雲南市)
波多交流センター内で運営するマーケット
雲南市波多地区は、昭和57年に「波多コミュニティ協議会」を設立し、平成20年度から県の支援を受けて「波多いろどりプロジェクト」を結成。地域住民全員に聞き取りを行って作成した地域ビジョンを元に、取り組みを進めています。
平成26年に地区唯一の商店が閉店したため、買い物支援策としてマーケットの運営を始めました。生鮮食品や日用品など650品目に及ぶ商品の管理・調達は全日食チェーンへの加盟で効率化。活動拠点の波多交流センター(旧波多小学校)に店を開き、職員が店員を兼務しています。
波多コミュニティ協議会の山中満寿夫会長は「住民の利便性を考えて毎日営業しようと、固定経費や人件費が抑制できる方法を考えた」と話します。車を持たない高齢者のために、自宅からマーケットまで無料送迎車も運行しています。
防災体制の整備にも力を注ぎ、避難に支援を必要とする人ごとにサポートする人を割り振って、年1回の避難訓練を実施。実践的な活動は、住民相互の一体感にもつながりました。
また、近隣には温泉施設やキャンプ場があり、その指定管理者となることで産業振興や雇用創出を図っています。
地区データ
該当エリア/雲南市掛合町波多
人口/337人
高齢化率/49.6%(平成28年4月時点)
地域内交通「たすけ愛号」
指定管理を受けて運営する波多温泉「満壽の湯」
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp