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新春知事対談

パラリンピックで20年ぶりの快挙

パリ2024パラリンピック(以下「パリ大会」)の車いすテニス男子ダブルスに、出雲市出身の三木拓也選手が小田凱人選手と出場し、銀メダルに輝きました。山陰両県出身者のパラリンピックでのメダル獲得は20年ぶりの快挙です。丸山達也知事が三木選手にパリ大会の振り返りや今後の目標などを聞きました。


丸山達也知事と三木拓也選手の写真
丸山達也知事×三木拓也選手(車いすテニス)

選手人生のハイライト

知事:パリ大会では、パラリンピック出場4大会目にして自身初となるメダルを獲得されました。振り返っていかがでしょうか。

三木:14年かかりましたが、銀メダルを獲得できました。たくさんのお客さんの前でプレーでき、コーチや現地に駆けつけて応援してくれた方にメダル獲得の瞬間を見せられたのは、選手人生のハイライトでした。とても感慨深かったです。
県内各所でパブリックビューイングもしていただき、本当に盛り上がったといろんな方からメッセージをもらいました。皆さんの応援が力になりました。本当にありがとうございました。

知事:これまでの大会とパリ大会で違いは感じましたか。

三木:全く違いましたね。東京2020パラリンピックは無観客でしたが、今回はチケットが完売し、各競技で盛り上がりを感じました。一万五千人の観客の中でプレーできたのは貴重な体験でした。

知事:パラスポーツの普及も感じますね。

三木:車いすテニスは通常のテニスと違って2バウンドでの返球が認められていますが、パリ大会の観客の中にはそのルールを知らない人が多くいらっしゃいました。たくさんの方に、車いすテニスを知ってもらえるすごく影響力のある大会だと感じました。

スポーツの可能性

知事:三木さんの活躍を見て、パラスポーツを始められる子どもたちがさらに多くなるかと思います。

三木:そういう子がいるというのは、メダルを取ること以上に価値のあることだと思いますね。地域に貢献しているという実感が得られますし、パラスポーツの輪が広がっていくとうれしいです。

知事:スポーツを楽しむ、極めることを諦めないという姿を三木さんが示されていますね。

三木:自分自身、スポーツに本当に救われましたし、自分が車いすテニスをやっていく限りはそういう姿を示していきたいですね。

知事:2030年には島根県内で第84回国民スポーツ大会と第29回全国障害者スポーツ大会(愛称:島根かみあり国スポ・全スポ)を開催する予定です。県としてもスポーツの機運を高めていきたいと考えています。

三木:スポーツ選手に憧れ、選手を目指してもらえるといいですね。車いすテニスに限らず、スポーツに触れられる大事な機会だと思います。
海外では障がいのある子にいろいろなパラスポーツを体験してもらい、適性のある子を応援するというシステムがあります。私も地元でパラスポーツをやりたい子の橋渡しのようなことができたらいいなと思いますね。スポーツをしたい子の声を聞き取る土台を作ることが課題です。

地元への思い

知事:海外で転戦されていてお忙しいと思いますが、地元に帰られる時はどのように過ごしておられますか。

三木:麺類が好きで、地元に帰ったときは出雲そば・うどんのお店によく行きますね。地元のテニス友達と会って、昔話に花を咲かせたりもします。
サンライズ出雲で帰ることもありますが、出雲市駅のホームに降りて最初の風を感じると、都会と匂いが違っていて『ここで育ったんだな』って思います。

知事:島根のことを思っていただけるのは本当にうれしいですね。

三木:島根県は何を食べてもおいしいし、ここでしか食べられないものもたくさんあります。毎回帰るたびに島根の良さを感じますね。

今後の目標

知事:今後の目標を教えてください。

三木:パリ大会で金メダルが獲れなかったことが本当に悔しかったんですよね。まだまだ満足していませんし、この悔しさをプレーに出していきたいです。
次の目標はテニス世界四大大会です。まだタイトルを取れていないので、そこを目指したいですね。
今後もいい結果を報告することで『あいつ頑張っているな』と思ってもらえるようにしたいと思います。皆さんにスポーツの可能性のようなものを届けていけたらいいなと思います。

知事:さらに上を目指して頑張ってください。県民みんなで三木さんを応援しています。

三木拓也(みきたくや)

出雲市出身。出雲高校3年の2007年に左脚に骨肉腫が見つかり、人工関節となる。闘病中に車いすテニスの国枝慎吾選手の活躍を見て車いすテニスを始める。テニス世界四大大会では22年の全米オープンでシングルス4位、24年ウィンブルドンなど5度のダブルス準優勝。パラリンピックでは24年のパリ大会でダブルス準優勝となった。


三木拓也選手の写真
写真提供:共同通信社



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