スモール・ビジネス~中山間地域の宝を生かす~
中山間地域の資源を生かした商品やサービスを作り出し、地域外から外貨を獲得する「スモール・ビジネス」。県は事業計画づくりや商品開発の知識習得、設備投資などへの助成といったソフト、ハード両面から事業者を支え、中山間地域のビジネス創出を後押ししています。
アドバイザー派遣や補助金で応援
安来市広瀬町に約350年前から伝わる「広瀬和紙」。伝統産業を継承する大東由季(おおひがしゆき)さんは2022年3月、町内に工房を構え、商品開発や販路開拓に励んでいます。
大東さんは高校を卒業後、京都府の伝統工芸の専門学校で紙すきを学びました。その後、広瀬和紙の職人に弟子入り。和紙職人としての腕を磨き、昨春、独立しました。
高い技術を修得する一方、経営の知識は十分ではなかったため、県のアドバイザー派遣を受けることに。専門家の助言でパンフレットを制作し、和紙を使った名刺を製品化。また補助金を活用し、工房内の店舗設備や蔵を改装した和紙の保管庫を整えました。
工房には、和紙を買い求める人や手作り体験の参加者が訪れ、地域のにぎわい創出にも一役買っています。「今後は地元の協力農家から和紙の原料を調達するなど、もっと地域に貢献していきたい」と大東さんは語ります。
紙すきに打ち込む大東さん
大東さんのアドバイザー/岩舘邦和(いわだてくにかず)さんの話
地域に根付いた技術・原料を使った商品やサービスのニーズが拡大している中で、「地域資源の活用」はスモール・ビジネスの肝になります。小規模事業者は機動的に動けるのが強み。お客様の要望に柔軟に対応すれば商機が広がります。
アドバイザー(左)と談笑する大東さん
育成支援講座でステップアップ
お茶製造の扇原茶園(浜田市)では、数年前から茶葉を使ったクッキーやようかんの販売を開始。効果的な宣伝や販路開拓の手法を学ぶため、スモール・ビジネス育成支援講座「島根もの・ことカレッジ」を受講しました。講座では専門家から指導を受け、商品のリーフレットや店頭に並べる宣伝グッズづくりのノウハウを習得。佐々木京子取締役は「商品説明の仕方など、とても勉強になった。学んだ成果を今後の事業に生かしたい」と話します。
ようかんを紹介する佐々木取締役
スモール・ビジネス育成支援事業
三つの施策で応援します
起業や販路拡大などについて専門家が助言する「アドバイザー派遣」、商品やサービスづくりを学ぶ「育成支援講座」、設備導入費などを助成する「補助金」の三本柱で事業者を応援しています。
2020~2021年度の間に、合計72の事業者への支援を行いました。
●問い合わせ先
中山間地域・離島振興課(TEL:0852・22・6449)
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp