しまねeyeVol.5
島根で活躍する人たちの「視点=eye」で語ってもらいます。
田中淳央(たなかあつひさ)さん(益田市)
建築家
広島県出身の田中淳央さんは、建築を学ぶため、島根職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ島根、江津市)に入学した。その時、目にした石見地方の赤瓦の家並みが、今の活動の原点。「都会で見られる、どこにでもある風景とは違う、その土地ならではの景観があった」と振り返る。学校を卒業すると同時に益田市内の設計事務所へ入った。
建築家として働く傍ら、プライベートでは地域活動に取り組んでいる。きっかけは今から3年前、築約90年の古民家へと引っ越した時のこと。建築家が引っ越してきたという話が地域で広まり、公民館の物置だった空間を人が集まり、くつろげる図書スペースにするプロジェクトに誘われ、参加することに。「みんなと作業することで一体感が生まれた」。そこで次は自分が地域活動を企画した。地元で切り出した竹に穴を開け、デザイン性を高めた灯ろうを作るワークショップを開催。10~80代の幅広い世代が参加し、完成品は市内のイベントに出品した。
その後も、「建築に興味を持つ人を一人でも増やしたい」という思いから、県芸術文化センター・グラントワを市民と一緒に歩く「建築さんぽ」を企画。街の景観に配慮してデザインされたグラントワの魅力を参加者に伝えた。
「益田は人とのつながりが見え、つながりたいと思わせる地域。居心地がいい」と田中さん。「地域活動を通じて多くの人に景観の大切さを伝え、建築家としてもその土地ならではの街並みに合った設計を提案していきたい」と話す。
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