謹んで新年のご挨拶を申し上げます
明けましておめでとうございます。皆さまには健やかに新春をお迎えのことと存じます。
昨年は、元号が「平成」から「令和」へと改まり、新しい時代が幕を開けました。
島根県においても、山陰道多伎・朝山道路の開通、航空路線では出雲-神戸線の新規就航、石見神楽の日本遺産認定、スサノオマジックのB1復帰など、明るい話題がありました。
今年は、いよいよ5月に大田市三瓶山で「第71回全国植樹祭」が開催されます。また、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本が世界から注目される年です。こうした機会や、「美肌県しまね」の観光プロモーションなどを通じて、島根ならではの魅力を国内外に発信してまいります。
そして、今年は「島根創生計画」のスタートの年でもあります。
豊かな自然や文化・歴史、そこで営まれる幸せな暮らし。こうした島根のすばらしい魅力を次の世代に引き継ぐため、産業の振興、子育て支援の充実、中山間地域・離島対策、インフラ整備、人づくりなどの施策を通して、人口減少対策に全力で取り組んでまいります。
県民の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
島根県知事・丸山達也
人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根をつくる
島根創生計画案をとりまとめました
「島根創生計画」は、島根県が目指すべき将来の姿を明らかにし、その実現に向けて今後5カ年(令和2年度から6年度)の施策運営の総合的・基本的な指針を示す、県行政における最上位の計画です。
若者が増え、次代を担う子どもたちが増えることで活気にあふれ、県民一人ひとりが愛着と誇りを持って幸せに暮らし続けられる島根を目指し、計画の冒頭で「笑顔あふれるしまね暮らし」宣言を掲げて、県民の皆さまと一丸となって島根創生を実現してまいります。
この計画については、昨年中に案をとりまとめて県議会へ説明し、取り組むべき施策の内容と、必要な財源の確保及び事業の点検・見直しと合わせて、現在議論いただいているところです。
「笑顔あふれるしまね暮らし」宣言
島根には、自然と歴史の中で営んできた、人々の豊かな暮らしがあります。
近所では、子どもたちが元気に走り回り、
若者は恋愛をし、趣味を楽しみ、地域活動にも参加する。
家族を思い、やりがいのある仕事に就き、
高齢になっても、元気で生きがいを感じている。
皆で囲む食卓は笑い声に包まれ、穏やかで心地よい時間が流れる。
そんなごく普通の暮らしです。
地域の助け合いや絆が残る古き良き人間関係が、郷土愛と誇りを育み、
暮らしをより豊かなものにしていきます。
この人間らしい、温もりのある暮らしを、ここで営み続けたい。
未来の子どもたちへ、大切に贈り届けたい。
日本中の多くの人へ、島根にしかない暮らしを知ってもらいたい。
「島根創生」の始まりにあたり、
「笑顔あふれるしまね暮らし」を守り、育て、未来へつなげていくことを、
ここに宣言します。
朝日に輝く斐伊川
新春知事対談
島根の豊かな自然や穏やかに進む時間に暮らしやすさを実感
豊かな自然や古き良き文化・歴史。まじめで穏やかな人柄や、温かな地域社会など、大都市で失われたものがたくさん残る島根県。「遣島使」でもあるお笑いコンビ「ニッチェ」の江上敬子さんと丸山達也知事が、島根の魅力をさらに県外へアピールする方法などを語り合いました。
ニッチェ
江上敬子さん
えのうえ・けいこ/津和野町出身。日本映画学校俳優科卒。三重県出身の近藤くみこさんとニッチェを結成、平成23年度のNHK新人演芸大賞演芸部門で大賞受賞。バラエティー番組などに多数出演する。マセキ芸能社所属。
丸山達也知事
ふるさと島根でつなぐ聖火
知事:今年は東京五輪・パラリンピックが開催されますね。江上さんは聖火ランナーとして県内を走っていただけるということで、楽しみにしています。
江上:一生に何度もある機会ではないので、今から緊張しています。家族も喜んでくれていますし、島根の皆さんと一緒に聖火をつなぎたいと思います。
知事:ご実家は津和野町ですね。子どもの頃の思い出はどんなことがありますか。
江上:小学校の同級生は16人と少なかったので、とりあえずクラスの男子は全員1回は好きになりましたね(笑)
友達とはよく川で遊びました。アユがたくさんいて、餌を付けなくても引っかけるだけで釣れるんですよ。面白かったですね。家の冷凍庫にはいつもアユが入っていたんですが、今思うと本当にぜいたく。ホタルも数え切れないくらい飛んでいました。窓を開けると川の方が明るいんです。きれいでしたね。
知事:島根の自然環境は、都会の人たちにはうらやましいでしょうね。
江上:東京に住んで感じる島根の魅力は、穏やかな時間にもあると思います。考え事をするのにぴったりで、いろんな発想が湧きますね。落ち着いた生活が好きな人には島根は最高の場所です。東京は「住む」という感じですが、島根は「暮らす」感じというか。
子育てに最適な島根
知事:島根県の一番の課題は人口減少対策です。
進学や就職で県外に出ていく若い人が多くて、それが人口が減ってしまう大きな要因なんです。若い人たちに安心して島根で暮らしてもらうには、就職先を増やすための産業振興と、子育て支援の充実が重要です。
江上:島根県はIT系の仕事をする人を優遇していますよね。そういうのはすごくいいと思います。東京じゃなくてもできる仕事はあります。私の友人でも田舎で在宅の仕事をしている人が増えています。子どもは空気のきれいなところで育てたいですからね。
知事:子ども達が健やかに成長できる環境や、子育てしやすい環境は大切ですね。
江上:自分が小さい頃は、近所のおじいちゃん、おばあちゃんにかわいがってもらいました。親に怒られたら、どのおばあちゃんの家に行こうかみたいな感じで。そういう、地域に育てられるみたいなのって東京にはないと思うんです。
知事:そうですね。社会や地域で支える環境があると、若い人たちは安心して子どもを産んで育てられますよね。
実は、島根県は女性が一生の間に産む子どもの数が全国で2番目に多いんですよ。
江上:え、本当ですか。すごい!
島根の魅力発信
知事:江上さんがおっしゃった島根の魅力などを伝えていくことも人口減少対策に必要なことだと思います。
江上さんは日頃からSNS(会員制交流サイト)などで情報を発信されていますね。
江上:私はブログやツイッターをやっていて、ブログは1日に10万人の方が見てくれています。自分が気に入った商品をブログで紹介したら注文が殺到するということもあったので、ブログやSNSといったメディアは本当に強い発信力があると思います。島根にはまだ眠っている資源や魅力がたくさんあるので、そういったものを発信すると良いですね。ユーチューブを使って島根の農家さんの暮らしなどを見てもらうのも良いかなと思います。
知事:島根の新しい魅力といえば「美肌」もその一つです。
江上:「美肌」ですか?
知事:島根県は大手化粧品メーカーが平成24年から毎年開催していたニッポン美肌県グランプリで7回中5回も1位に輝いているんです。これは日照時間の短さや冬でも湿度が高い島根の気候のたまものなんですよ。
これまでの「ご縁」のイメージに加えて、これからは「美肌」もPRしていきます。
江上:「ご縁」も「美肌」も、女性が好きなものが島根には詰まっていますね。
「島根創生」の実現へ
知事:今年は「島根創生計画」スタートの年です。島根に思いを寄せていただいている江上さんのような方々の協力をいただきながら、島根の良さや魅力を発信して、人口減少に歯止めをかけて、笑顔で活力ある島根にしていきます。
江上:こういう仕事をしているので、私は知事にはできないことをやりたいですね。不便さや「島根って何県だっけ」みたいな印象の薄さなどを逆手にとって、県民の皆さんに面白がってもらえるような発信ができればと思います。遣島使として、これからもPRのお手伝いをしていきます。
知事:よろしくお願いします。
島根創生計画
第1編:人口減少に打ち勝つための総合戦略
島根県の人口は長らく減少傾向が続いており、現在は約67万人です。
人口減少に打ち勝つためには、若い世代に島根に残ってもらい、戻ってもらい、移ってもらうこと、そして島根に生まれてくる子どもの数を増やすことが必要です。
そこで島根創生計画では、人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって人口を安定的に推移させるために、現在1.74である合計特殊出生率を2035年までに2.07まで上昇させることと、毎年平均約600人の減である人口の社会移動を2030年までに均衡させることを目標として掲げました。
この目標の達成に向けて、産業振興と若者の雇用確保、子育て支援、働きやすい環境づくり、生まれ育った地域への愛着と誇りを育む教育の推進、産業や生活の基盤として欠かせないインフラの整備などに、戦略的に取り組んでいきます。
1.活力ある産業をつくる
島根の経済を支えている第1次、第2次、第3次産業の活力を高め、所得を引き上げ、若者の雇用を増やします。
1.魅力ある農林水産業づくり
●農業の振興
●林業の振興
●水産業の振興
2.力強い地域産業づくり
●ものづくり・IT産業の振興
●観光の振興
●地域資源を活かした産業の振興
●成長を支える経営基盤づくり
●産業の高度化の推進
3.人材の確保・育成
●多様な就業の支援
●働きやすい職場づくりと人材育成
2.結婚・出産・子育ての希望をかなえる
若い人達が安心して島根で暮らし続けて、子どもを1人、2人、3人と産み育てたいと思うことができ、その希望をかなえるための子育て支援の充実や、働きやすい環境の整備をします。
1.結婚・出産・子育てへの支援
●結婚への支援
●妊娠・出産・子育てへの支援
3.地域を守り、のばす
人口減少がいち早く進んできた中山間地域・離島と人口が集積した都市部が、共存・連携して共に発展する地域づくりを進めるとともに、それを支える社会基盤を整備します。
1.中山間地域・離島の暮らしの確保
●小さな拠点づくり
●持続可能な農山漁村の確立
2.地域の強みを活かした圏域の発展
●牽引力のある都市部の発展
●世界に誇る地域資源の活用
3.地域の経済的自立の促進
●稼げるまちづくり
●地域内経済の好循環の創出
4.地域振興を支えるインフラの整備
●高速道路等の整備促進
●空港・港湾の機能拡充と利用促進
●産業インフラの整備促進
4.島根を創る人をふやす
自分たちの生まれ育った地域の価値について子どもの頃から学ぶ活動やUターン・Iターン支援により、島根に愛着と誇りを持ち、将来の島根を支える人をふやします。
1.島根を愛する人づくり
●学校と地域の協働による人づくり
●地域で活躍する人づくり
●地域を担う人づくり
2.新しい人の流れづくり
●しまねの「暮らし」や「魅力」の情報発信
●若者の県内就職の促進
●Uターン・Iターンの促進
●関係人口の拡大
3.女性活躍の推進
●あらゆる分野での活躍推進
●安心して家庭や仕事に取り組むことができる環境づくり
第2編:生活を支えるサービスの充実
県民誰もが、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、医療・福祉の確保・充実を進めます。また、自然環境の保全や教育の充実により、県民が心豊かに暮らすための取組を進めます。
5.健やかな暮らしを支える
保健・医療・介護を充実させるとともに、支え合いにより県民一人ひとりが生きがいをもって安心して暮らせる地域共生社会の実現を進めます。
1.保健・医療・介護の充実
●健康づくりの推進
●医療の確保
●介護の充実
2.地域共生社会の実現
●地域福祉の推進
●高齢者の活躍推進
●障がい者の自立支援
●子育て福祉の充実
●生活援護の確保
6.心豊かな社会をつくる
教育の充実や、スポーツ・文化芸術の振興などを通じて、県民一人ひとりが生き生きと心豊かに暮らせる社会をつくります。
1.教育の充実
●発達の段階に応じた教育の振興
●学びに向かう力と人間性を高める教育の推進
●学びを支える教育環境の整備
●青少年の健全な育成の推進
●高等教育の推進
●社会教育の推進
2.スポーツ・文化芸術の振興
●スポーツの振興
●文化芸術の振興
3.人権の尊重と相互理解の促進
●人権施策の推進
●男女共同参画の推進
●国際交流と多文化共生の推進
4.自然、文化・歴史の保全と活用
●豊かな自然環境の保全と活用
●文化財の保存・継承と活用
第3編:安全安心な県土づくり
県民生活の基盤となる交通ネットワークなどの社会基盤の維持・整備や、災害時に県民の生命や財産を守るための防災対策、防犯・交通安全対策を進めます。
7.暮らしの基盤を支える
県民の日常生活を支える地域生活交通などの生活基盤の確保や、暮らしをとりまく豊かな環境の保全に取り組みます。
1.生活基盤の確保
●道路網の整備と維持管理
●地域生活交通の確保
●上下水道の整備
●情報インフラの整備・活用
●竹島の領土権確立
2.生活環境の保全
●快適な居住環境づくり
●環境の保全と活用
8.安全安心な暮らしを守る
県民の安全安心な暮らしを守るために、防災対策を推進するとともに、食の安全をはじめとする安全な日常生活を確保します。
1.防災対策の推進
●災害に強い県土づくり
●危機管理体制の充実・強化
●防災・減災対策の推進
●原子力安全・防災対策の充実・強化
2.安全な日常生活の確保
●食の安全・生活衛生の確保
●安全で安心な消費生活の確保
●交通安全対策の推進
●治安対策の推進
●問い合わせ先
政策企画監室(TEL:0852・22・5093)
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広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp