子どものためにできること
里親になりませんか
10月は「里親月間」。里親とは、さまざまな事情から家族と離れて暮らす子どもを家庭に迎え入れ、温かな愛情と子どもへの理解を持って健やかに養育する制度です。
何気ない一言が「幸せ」
家族団らんの時間、リビングのソファーはユイちゃん(仮名)の“指定席”。隣に座った父親に「ここがテレビの正面だもんね」とからかわれると、ユイちゃんはひじで小突いて応戦します。
県内に住むこの親子は里親と里子。夫婦は「養育里親」になって、小学生のユイちゃんと一緒に暮らし始めて3年目になります。
里親夫婦の家に来た当初は遠慮がちだったユイちゃんですが、いつのまにか夫婦を「お父さん、お母さん」と呼び、学校やスポ少での出来事を話したり、里母の膝にもたれかかって甘えたりするようになりました。
ことしの夏休みには祭りに数多く出かけたといい、里母は「帰り道にユイが『お母さんと一緒に行って楽しかった』と言ってくれたことは、私の一番の思い出。こんなに幸せな日が来るなんて、想像もできませんでした」と話します。
「家族」の形はさまざま
夫婦は以前、不妊治療を受けていましたが、心身や経済的な負担が大きく、5年間続けた後に治療をやめました。この決断をきっかけに、里親をしている知人の勧めもあって、地区の児童相談所に連絡。里親制度の説明や研修、審査を受け、里親登録を行いました。
マッチングを受けたユイちゃんとは数回の面会を経て、“親子”の生活をスタート。里父は「うまくいくのか」という心配もありましたが、小学校や地域に温かく受け入れてもらったことが、大きな安心につながったといいます。「子どもを通して人とのつながりが広がり、新たに体験する出来事を楽しんでいます。ユイちゃんがきてくれて私たちの生活に光が差し込みました」と話します。
里母は「今はいろんな家族の形がある。実子を授かることだけじゃなく、こんな形の家族の幸せもあるんだと感じています」と里親の喜びを語っています。
里親にはさまざまなかかわり方があります
研修を受けるなど一定の要件を満たせば、里親には特別な資格は必要ありません。里子の生活費は公費で負担され、地域の里親会による支援や交流活動もあります。
里親には、4種類があります。
(1)養育里親
家族と暮らせない子どもを一定期間迎え入れる里親です。
(2)専門里親
養育里親のうち、虐待や障がいなどの理由により専門的な援助を必要とする子どもを養育する里親です。
(3)養子縁組里親
養子縁組によって子どもの養親になることを希望する里親です。
(4)親族里親
両親の死亡等により祖父母などの親族が子どもを養育する里親です。
里親制度についての多くの方々の理解が、里親や里子の支援につながります。関心を持たれた方は、お近くの児童相談所へお問い合わせください。
●問い合わせ先
中央児童相談所〔松江市・安来市〕(TEL:0852・21・3168)
中央児童相談所・隠岐相談室〔隠岐郡〕(TEL:08512・2・9706)
出雲児童相談所〔出雲市・雲南市・仁多郡・飯石郡〕(TEL:0853・21・0007)
浜田児童相談所〔浜田市・大田市・江津市・邑智郡〕(TEL:0855・28・3560)
益田児童相談所〔益田市・鹿足郡〕(TEL:0856・22・0083)
島根県青少年家庭課(TEL:0852・22・6392)
お問い合わせ先
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島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp