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輝く!林業女子・はばたく!農業女子

人気高まる島根県立農林大学校

農林業の技術や専門知識、経営ノウハウの教育を行う島根県立農林大学校。農林業への関心の高まりから、本年度は県内の農業高校や普通高校からの進学者を中心に入学者が40人に達しました。数名だった女子学生も3割を超え、島根の農林業の将来を担おうと田畑や森林で汗を流しています。


オープンキャンパスで実習体験などを行う様子の写真
実習体験などを行うオープンキャンパス


農林大学校は、大田市波根町の本校に農業科、飯南町上来島の飯南校(県中山間地域研究センター内)に林業科を設置しています。農業科には「有機農業」「野菜」「花き」「果樹」「肉用牛」の五つの専攻があり、林業科は2年生から「森林プランナーコース」「森林エンジニアコース」のいずれかを選択します。

2年間で高度な農林業の技術や専門的知識、経営管理能力を身につけ、実習に時間をかけて実践力を養います。卒業後に必要となるけん引免許やチェーンソー作業従事者などの資格は、指導・支援を受けて在学中に取得できます。

卒業後の進路は、農業法人・森林組合等が半数を超え、関連産業や自営、農林業団体と続きます。自営以外の選択肢が増えたことなどから、若い世代の農林業従事者は増加しています。

本年度は、7月28日、8月2・6・21日にオープンキャンパスを開催します。ぜひお越しください。


森づくりを目指す

林業科1年/杉原愛梨(すぎはらあいり)さん


林内作業車を操作する杉原愛梨さんの写真
林内作業車を操作する杉原愛梨さん


林業科では6年ぶりとなる女子学生、杉原愛梨さん。実習ではシイタケの原木づくりや測量、林内作業車での集材などに取り組んでおり、「林業は機械や器具のおかげで作業効率がいいことに驚きました。重労働というより、頭を使って働く感じです」と印象を話します。

高校時代の進路指導で林業に興味を持ち、調べてみると、担い手不足で森林が荒廃している一方、木質バイオマスの利用拡大等で若い人材が求められていることなどが分かりました。当時、話を聞きに行った森林組合で「県内でも林業に従事する女性が増え、貴重な人材になっている」と教わり、今の励みになっています。

「私がかつて山で遊んだように、今の子どもたちが自然と触れ合える森林を作りたい」と夢を描く杉原さん。そのために「チェーンソーの操作や樹木の特性など覚えることはたくさんありますが、いち早く修得できるよう努力したい」と意欲を燃やしています。


林業科の実習林の写真
林業科の実習林


機械の操作の様子の写真
機械の操作は、力よりテクニックが必要


有機農業を志す

農業科有機農業専攻2年/橘日向子(たちばなひなこ)さん


トマトの苗を定植する橘日向子さんの写真
トマトの苗を定植する橘日向子さん


兼業農家で育ち、自然農法に取り組む祖父母の姿に影響を受けたという農業科2年の橘日向子さん。大学校で農業を学ぶ日々に「土作りから始めた野菜が、思い通りに成長して収穫できたとき、農業の楽しさを感じます。産直ショップに並べた自分の野菜が完売すると本当にうれしい」と笑顔を見せます。

実習ではハウス栽培のイチゴのほか、タマネギやカボチャ等の担当作物を管理しながら栽培ノウハウを身につけています。「化学的に合成された肥料や農薬を使わなくても、きちんと管理すればすくすく成長し、病害虫被害も抑えられることなど、実践しながら有機農業を学んでいます」と充実感をにじませます。

現役をリタイアした祖父母に代わって実家の農業を受け継ぐ夢を胸に、「経験不足の今の自分に、自営はまだ難しい。まずはしっかり有機農業に取り組みたい」と話し、卒業後は農業法人などへの就職を目指しています。


農業科の実習園の写真
農業科の実習園


健康な苗選びを行う様子の写真
健康な苗選びも学習の一つ


畜産振興に挑む

農業科肉用牛専攻2年/佐藤陽奈(さとうひな)さん


世話をする子牛と触れ合う佐藤陽奈さんの写真
世話をする子牛と触れ合う佐藤陽奈さん


親戚に牛の繁殖農家があり、身近に感じていた畜産業を進路に選んだ農業科2年の佐藤陽奈さん。子牛の世話を受け持ち、「牛の出産に立ち会い、生まれたばかりの子牛の体拭きや、へその緒の消毒に挑戦しました。子牛がミルクを飲んでくれたときは、喜びと充実感を感じました」と声を弾ませます。

実習では餌やりや牛舎の掃除、餌となる牧草を育てている放牧場の管理などに取り組んでおり、「大きく健康な牛に育てたいので、病気で食欲が落ちないよう、気を遣います」と佐藤さん。そのため講義では牛の体の仕組みや健康管理などについてもしっかり学んでいます。

また、畜産農家での実習で、繁殖牛と子牛の飼育管理も体験しました。「一日の仕事の流れを実際に経験でき、とても有意義でした。共進会(牛の品評会)のための調教も教わることができました」と話します。

将来は「農家を支える営農指導にかかわりながら、島根の畜産振興に携わりたい」と意欲をのぞかせています。


農業科の牛舎の写真
農業科の牛舎


餌やりの様子の写真
健康管理のため餌の内容も重要



●問い合わせ先
島根県立農林大学校(TEL:0854・85・7011)
農業経営課(TEL:0852・22・5936)


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp