「安心」は「関心」から・ネットトラブルから子どもを守ろう!
スマートフォンなどの利用によるインターネットのトラブルに、子どもたちが巻き込まれています。面識のない人とも交流できるコミュニティサイトをきっかけにした児童ポルノ等の被害が増える一方、加害者になってしまうケースも増えています。「うちの子は大丈夫」と思い込まず、子どものネット利用に関心を持ち、子どもの安心・安全へつなげましょう。
コミュニティサイトでの犯罪被害が増えています
平成28年に、コミュニティサイトをきっかけとして犯罪に巻き込まれた児童数(18歳以下)は、全国で1736人にのぼり、この8年間で倍増しています。
コミュニティサイトには、LINEやツイッター、フェイスブック、インスタグラムや、ブログ、動画共有サイト、ゲームの交流サイトなどがあり、手軽に情報を発信したり、複数の人とやりとりができる利点があります。その特徴を悪用され、親密になるまで交流を深めて油断させ、誘い出したり、裸の写真を送らせたりしたケースが、県内でも起きています。
いじめや金銭トラブル、犯罪の被害・加害者に
児童の受けた被害の内訳は、児童ポルノの製造や児童買春、青少年育成条例違反(金銭が伴わないわいせつ行為)で9割を超えています。その他にも、注文した商品が届かなかったり、「登録完了」等の虚偽の表示が現れて入金を求められたりするなどの詐欺被害も後を絶ちません。
犯罪以外のトラブルもあり、メッセージの誤解などから人間関係が悪化する「ネットいじめ」はその代表例です。また文章や画像の無断使用やなりすまし、ストーカー行為、ゲーム課金等の高額請求、ネット依存など、さまざまな問題が起きています。
一方で、児童が加害者として検挙されたケースもあり、気づかないうちに犯罪に加担させられる危険も潜んでいます。
家庭内でルールをつくり大人が関心を持ち続けましょう
ネットへのアクセス手段はスマートフォンが9割と最多ですが、タブレット端末やゲーム機などを含め、自分専用の機器で場所を選ばず、誰にも邪魔されずに利用できる環境が今の子どもには整っています。
保護者は子どものネット利用に関心を持ち、ルールを決めるなどして安全に使えるよう導くことが大切です。また、日ごろから子どもとコミュニケーションを取り、相手の気持ちを考えた受け答えや意図を伝える表現を身につけさせることも必要です。
インターネットのトラブル
1.ネット依存
- 成績の低下・不振
- 対人コミュニケーションへの悪影響
- 寝不足による体調や精神の不安定
など
2.ネットいじめ
メッセージの意味を誤解されたり、ネット上だけで仲間はずれにされたりするなど、何気ない行為から人間関係が悪化し、いじめに発展しています。
3.個人情報の流出
写真の位置情報や背景、文章から住所や学校などが特定されます。また信用して伝えた情報がネットでさらされたり、なりすましやストーカー行為に悪用されたりする場合もあります。
4.犯罪等のトラブル
児童買春や詐欺等の被害に遭うだけでなく、次のように児童が加害者となる場合もあります。
- 友人や交際相手の裸の画像を第三者に送るなどして拡散させた「児童ポルノ法違反」
- 悪ふざけで「爆弾を仕掛けた」とネット上に書き込んだ「威力業務妨害」
- 音楽や映画を違法にダウンロードする「著作権法違反」
5.不適切な情報からの悪影響
違法薬物の入手方法や犯罪のノウハウ、わいせつ画像、著しい暴力行為などの情報との接点になります。
子どものネット利用に関心を!
ネットトラブルを防ぐために
1.家庭でルールをつくろう
押しつけではなく、子どもとよく話し合って「1日○時間まで」「自分の部屋に持ち込まない」など、子どもが守ることができる具体的なルールを決めましょう。その後もルールがきちんと守られているか、関心を持ち続けることが大切です。
2.必ずフィルタリングを設定しよう
有害・違法サイトの閲覧を防ぐことができます。不都合がある場合は、その都度フィルタリングの設定変更が可能です。
3.親子の会話を大切にしよう
悪意ある人物は性別や年齢などを偽り、長期間かけて警戒心を解こうとします。実際に犯罪の被害児童は、加害者について「話をよく聞いて、自分を理解してくれた」「優しかった」といっています。日ごろから親子の会話を大切にして、相談しやすい関係をつくっておきましょう。
7月は「青少年の非行・被害防止全国強化月間」です
多くの学校で夏休みが始まるこの時期は、夏祭り等のイベントも多く、授業がない開放感などから生活習慣が乱れ、深夜の外出や外泊などを繰り返すうちにトラブルに巻き込まれることがあります。家族のみでなく、地域がつながりを深め、子どもたちが犯罪に巻き込まれないように見守ることが重要です。
保護者は子どもの外出先や同伴者を確認し、地域の大人も夜間に外出している子どもには帰宅をうながしましょう。
●問い合わせ先
青少年家庭課(TEL:0852・22・6524)
警察本部少年女性対策課(TEL:0852・26・0110〔代表〕)
教育指導課子ども安全支援室(TEL:0852・22・6064)
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