身土不二(しんどふじ)※
いのち育む郷土(ジゲ)の味
島根の気候風土に育まれた食材を、その土地で受け継がれてきた食べ方で味わいます。
※身土不二=その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方。四つの旧街道が交わり、交通の要衝として栄えた邑南町出羽(いずわ)地区では、戦後しばらくまで中国地方三大市場といわれた牛市が開かれていました。当時、屋台や宿屋で仲買人が食べた料理が「肉汁(にくじる)」です。
食文化の伝承や町の魅力創出に取り組む同町の「食の学校」では、地区の高齢者に教わって肉汁を復活。イベントで振る舞ったり、料理教室で教えたりしています。
作り方は、水からゆでた牛肉の切れ端にこんにゃくを加えて味を調え、あくを取りながら約30分煮込むだけ。だしを使わないのが特徴で、刻んだ白ネギを入れて仕上げます。味わうと、汁は深いこくがあり、煮込んで軟らかくなった肉はうま味たっぷり。弾力のあるこんにゃくにも味がしみこみ、食べ応えは満点です。
出羽地区で生まれ育った「食の学校」マネジャーの川久保陽子(かわくぼようこ)さんは「当時、牛肉はぜいたく品だったため、こんにゃくでボリューム感を出していました。材料の石見和牛は脂身やすじ肉などを使うので部位ごとの味わいが楽しめます」と話します。シンプルな料理だけに、素材の良さが一層引き立てられています。
川久保陽子さん
●お問い合わせ先
「食の学校」(TEL:0855・97・0500)
材料(4〜6人分)
●牛肉180グラム
●こんにゃく1枚
●白ネギ1本
●しょうゆ大さじ3弱
●砂糖大さじ1弱
●酒1/4カップ
●塩ひとつまみ
●水1リットル
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