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里見香奈さんに県民栄誉賞

女流棋士の記録を次々と塗り替え

将棋のイラスト


女流将棋界で数多くの記録を打ち立てた里見香奈さん=出雲市出身=に今年3月、島根県県民栄誉賞が贈られました。史上初の女流六冠など輝かしい記録を残している里見さん。県民に明るい希望と活力を与え、県民であることの誇りを喚起することから、このたびの受賞となりました。


里見香奈さんの写真


里見さんは、5歳頃から将棋愛好家の父の影響で将棋を始め、中学1年のときに女流プロに昇格。当初は夜行バスで11時間以上かけて東京での対局に通っていた里見さん。着実に力をつけ、平成20年には16歳で初タイトルとなる倉敷藤花を獲得しました(写真1)。


写真1


里見さんは「出雲のイナズマ」と称され、その由来となった終盤の鋭い攻めを武器に、平成22年には女流王将を獲得。史上最年少での三冠を達成しました。平成25年5月には女流六冠のうち女流王座を除くタイトルを獲得して史上初の女流五冠となりました(写真2)。


写真2


令和元年9月には、新タイトルの清麗を獲得し史上初の女流六冠に。今年2月には女流名人を防衛したことで、女流タイトル戦連覇の最多記録、11連覇を樹立しました。


※タイトル戦

現タイトル保持者と挑戦者が対局し、次のタイトル保持者を決める棋戦。女流タイトルは、清麗、女王、女流王座、女流名人、女流王位、女流王将、倉敷藤花の7つ。タイトル戦では、前日の前夜祭や、当日に行われる対局の解説会などで棋士とファンの方などの交流も行われている。


地元の声援が励みに~里見香奈さんインタビュー~

県民栄誉賞を受けた里見香奈さんに、受賞や将棋、ふるさとへの思いなどを聞きました。


−受賞が決まったときの感想を教えてください。


「自分が受賞してもいいのかという思いはありましたが、評価していただいたことを自分の励みにし、地元の方を元気づけられればという思いで引き受けさせていただきました。受賞後、多くの方々に声をかけていただき、大変な賞をいただいたとすぐに実感しました」


インタビューを受ける様子


−将棋をする上で支えになっているものは何ですか。


「地元の方々の声援はすごく励みになっていて、それで頑張れているなと多々実感します。私が最初のタイトルを獲得した倉敷藤花でも、公開対局の会場となった岡山県倉敷市のホールに、地元の方々もたくさん応援に来てくださいました。対局後に家族をはじめ、多くの方々が喜んでくださっていた姿が印象に残っています。日々の対局は、主に大阪や東京の将棋会館などで行いますが、タイトル戦だと地方で行われることも多いです。地元の方やファンの方とお会いする機会もあり、たくさんの方々の支えで対局できていることを実感しますね」

※里見さんは出雲文化伝承館(出雲市大社町)で対局したことも。第46期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負第2局など(令和2年)。


−将棋の世界でも人工知能(AI)が話題となっていますね。


「AIソフトがプロ棋士に勝ったりもしていて、AIの著しい進化を感じます。研究でAIを取り入れることもありますが、自身の考える力が低下してしまうと思い、あまり積極的には取り入れていません。棋風に合う、合わないがあると思うので、自分の個性を生かしつつ、いい部分は取り入れたいです」


−住んでいる大阪から見たふるさとはどうですか。


「19歳の頃から大阪に住んでいますが、今でも出雲そばやしじみ汁を頻繁に食べたくなります。大阪にもしじみ汁はありますが、やっぱり親が作ってくれたものがいいですね。ふるさとは帰るだけで落ち着きますし、帰るのを楽しみに頑張れています」


−新型コロナウイルスによっていろいろな面で大変な状況です。島根の皆さんへメッセージをお願いします。


「心が痛くなるニュースを目にしたり、私自身もタイトル戦が延期になったりしました。地元の現状も家族や友人から聞きました。距離が離れている分、余計に心配です。多くの方々が大変な思いをされていると思いますが、体調を第一に考えて、過ごしていただきたいと思います。私も県民栄誉賞をいただいたことや地元の声援を励みに、新たに頑張っていきます」


丸山達也知事と里見香奈さんの写真
丸山達也知事から史上2人目の県民栄誉賞を受け取った里見香奈さん(今年3月)



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