ワンシーンVol.6/隠岐の島町
800年の伝統・隠岐の牛突き
堂々たる体躯(たいく)の雄牛同士が角を突き合わせた。傍らに立つ綱取(つなど)りが巧みに鼻綱(はなづな)を操り、勇ましい声を響かせる。鼻息荒い巨牛は首をひねり、蹄(ひづめ)が力強く、地面を踏みしめる。
年に3回開かれる本場所大会の勝負は、一方が戦意を失って背を向けるまで続く。時には1時間以上にわたり、観客も手に汗握る闘いが繰り広げられる。
隠岐の牛突きは、約800年前に配流された後鳥羽上皇を慰めるために始まったと伝わる。時を経ても、伝統は脈々と受け継がれていく。
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