しまねeyeVol.2
島根で活躍する人たちの「視点=eye」で語ってもらいます。
佐々木文(ささきあや)さん(江津市)
有福温泉「よしだや」若女将
有福温泉(江津市)で270年以上続く旅館「よしだや」。若女将の佐々木文さんは、中学校の教員と警察官を経て、家業を継いだ。
「両親を近くで支えようと、警視庁を辞めて県内の警察署に勤め始めたが、当初は旅館を継ごうとは思っていなかった」。しかし、浜田署勤務となり、週末に手伝っているうちに、佐々木さんの考えは次第に変わっていった。「『自家源泉があったからお客さんに来てもらえ、子どもたちも育てることができた』と両親に言われた時に、東京の大学への進学という自分の希望も、旅館があったからこそ、かなえられていたと改めて思った」。そして、3年前に若女将になった。
バブル期の頃には20軒ほどあった有福の旅館。現在は3軒まで減り、そこに新型コロナウイルスが追い打ちを掛ける。こうした時勢に佐々木さんは、美人の湯といわれる温泉水を使った化粧品ブランドを立ち上げるなど、柔軟なアイデアで活性化に奮闘している。また、江津市が飲食店や土産物店の誘致など、再生プロジェクトを計画しており、一緒になって盛り上げていくつもりだ。
「これまでにさまざまな職業を経験したことが人とのつながりを広げ、化粧品を始めるきっかけにもなり、今に生かされている」。多くの人との出会いや、数々の挑戦が佐々木さんを成長させてきた。「新型コロナによって、旅館のスタイルやお客さんが求めるものは変わってくる。よしだやも変わっていく」。佐々木さんの挑戦する気持ちは変わらない。
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