令和3年度当初予算4,670億円・令和2年度2月補正予算274億円
令和3年度当初予算は、新型コロナウイルス感染症対策と、島根創生計画を推進する予算として編成しました。また、令和2年度2月補正予算においても、新型コロナウイルス感染症や国土強靱(きょうじん)化の対策を進める予算を編成し、当初予算と合わせて切れ目ない取組を実施しています。
1.新型コロナ感染症対策:147億円
I.医療提供体制・感染症対策
新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制の強化や学校等における感染防止・学習環境を確保します。
II.県内経済や県民生活の回復に向けた施策
コロナ禍で厳しい状況の続く県内経済や県民生活の回復に向けて取り組みます。
III.県民生活の支援
社会福祉施設等の事業継続への支援や、新型コロナウイルス感染症の影響により修学が困難となる生徒等の負担軽減など、県民生活の支援を行います。
2.人口減少に打ち勝つための総合戦略:845億円
I.活力ある産業をつくる
産業の活力を高めて、所得を引き上げ、若者の雇用を増やします。
II.結婚・出産・子育ての希望をかなえる
子育て支援の充実や、子育てしやすい職場環境の整備を進めます。
III.地域を守り、のばす
中山間地域・離島と都市部が、共存・連携して共に発展する地域づくり、社会基盤の整備を進めます。
IV.島根を創る人をふやす
島根に愛着と誇りを持ち、将来の島根を支える人をふやします。
3.生活を支えるサービスの充実:701億円
I.健やかな暮らしを支える
保健・医療・介護の充実や地域共生社会づくりを進めます。
健康寿命延伸のための健康づくりを進めます。
II.心豊かな社会をつくる
教育の充実、スポーツ・文化芸術の振興等により生き生きと心豊かに暮らせる社会づくりを進めます。
4.安全安心な県土づくり:652億円
I.暮らしの基盤を支える
県民の日常生活を支える地域生活交通などの生活基盤の確保や、豊かな環境の保全を進めます。
II.安全安心な暮らしを守る
土砂災害対策や道路防災対策、河川改修等の国土強靱化対策を強化し、災害に強い県土づくりを進めます。
江の川流域の県管理河川については、国の事業とも連携し、優先的・重点的に整備を進めます。
1.新型コロナウイルス感染症対策
147.0億円【当初69.1億円・補正78.0億円】
引き続き感染症対策を最優先し、医療提供体制や検査体制の強化、ワクチン接種の確実な実施などに取り組みます。
一方、依然として厳しい状況が続く県内経済については、これまで国・県・市町村等で実施した各種施策の効果をみながら、県内経済の回復に必要な対応を行います。
I.医療提供体制・感染症対策を強化します
円滑なワクチン接種に向けて
新型コロナウイルスワクチン接種に関する相談窓口を設置し、円滑にワクチン接種が進むよう体制を整備します。
迅速なPCR検査の実施
県西部でPCR検査ができるよう浜田保健所に検査室や検査機器を整備し、PCR検査を迅速に実施できるようにします。
病床・宿泊療養施設の確保
入院病床を確保するとともに、無症状者・軽症者のための療養施設についても専用のプレハブ施設を整備するなどし、患者の増加に備えます。
II.県内経済や県民生活の回復に向けた支援をします
中小企業者等の資金繰りを支援
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に対応するため、既存の制度融資の中で、経済変動により売り上げが大きく減少した場合に対応する「セーフティネット資金」に一歩踏み込んだ特別枠を創設し、引き続き中小企業者等の資金繰りを支えます。
飲食業の需要回復を支援
国事業の「Go To Eatキャンペーンしまね」の食事券に、県独自で特典を上乗せして消費を促し、飲食業を支えます。
県内中小企業者等のためのデジタル支援拠点の整備
「しまねソフト研究開発センター」の移転・機能拡充を行い、デジタル技術の導入支援や経営相談などをワンストップで行える体制を整備します。
地酒と県産米を活用した観光誘客
地酒と県産米を活用した特典付き宿泊プランをつくり、新型コロナの影響により落ち込んだ観光需要を下支えするとともに、県産品の消費拡大につなげます。
宿泊施設の受入環境の整備
・観光拠点整備に取り組む事業者に対し、市町村と協力して支援を行います。
・個室化、グランピングなど、ウィズコロナ時代の需要に対応するための施設整備を支援します。
2.人口減少に打ち勝つための総合戦略
I.活力ある産業をつくる
302.1億円【当初299.2億円・補正2.9億円】
県内産業の競争力を強化しながら、働きやすい環境の整備に努め、人材の確保と育成、定着に取り組みます。
(1)魅力ある農林水産業づくり
主な新規・拡充事業
持続可能な米づくりの支援
コストの削減に効果のある多収穫米の栽培を進めるため、有望品種の実証栽培や、販路の確保・拡大に向けた取組を支援します。
水産業の担い手の確保・育成
県内の企業的漁業経営体と協定を結び、研修生を受け入れるために必要な設備などの経費を助成することで、自営漁業を目指す人を育成する体制を整えます。
原木生産・再造林のコストの低減
最新のICT機器などを活用した新技術を、県内の林業現場で実証し、原木生産と再造林の低コスト化を推進します。
(2)力強い地域産業づくり
主な新規・拡充事業
挑戦する県内企業の競争力UP
・デジタル技術を活用した生産性向上の取組や事業再構築に伴う経営計画の策定、専門商社や営業を代行する事業者を活用した販路拡大の取組などを支援し、企業経営の変革を促進します。
・JETRO松江、しまね産業振興財団の海外展開支援部門および県の3機関を「しまね海外ビジネスサポートセンター」として共同事務所化し、効果的な海外展開支援を実施します。
「美肌県しまね」への誘客
・「温泉」や「食」などの地域資源を活用した「美肌観光」のモデルとなる旅行商品づくりなどの取組を支援します。
・ポーラ・オルビスグループおよびANAグループと連携した「美肌ウェルネスツーリズム」を推進し、県内への誘客を促進します。
「ご縁の国しまね」への誘客
・隠岐地域への滞在型観光メニューと航空券を組み合わせた、企画航空券の販売や団体旅行商品づくりを支援します。
・JR木次線乗車を組み込んだ、県外からの旅行商品づくりを支援します。
事業承継の促進
経営者の高齢化や後継者不在による休廃業が生じないよう、案件の掘り起こしから、後継者の確保、事業承継計画の策定、経営の改善、フォローまで関係機関と一体となって総合的に支援します。
新たに事業譲渡などにより地域に必要な事業を引き継ぐ場合、後継者の固定資産の譲受経費を支援します。
(3)人材の確保・育成
主な新規・拡充事業
高校生の県内就職の促進
高校生と企業を結ぶコーディネーターを増やして、工業高校や私立高校、隠岐地域での企業説明会などの取組を強化します。
県内大学生などの県内就職の促進
・県内大学と企業、県などが連携して、構成するコンソーシアムにより、学生が地元企業を知る機会づくりに取り組みます。
・コーディネーターを増やして、島根県立大学などの学生の県内就職を支援します。
県外大学生などの県内就職の促進
・大阪と広島に配置している就職アドバイザーを中心に、大学などと連携して、企業交流会などの取組を強化します。
・就活生向けの企業説明会を、オンラインと対面を効果的に組み合わせて開催します。
・文系女子学生の就職先の選択肢を広げるためのIT企業訪問ツアーや、女子学生の視点で企業情報を発信します。
企業の発信力の強化
・企業向けに、採用力を強化するセミナーを開催します。
・大手就活サイト内に島根県ポータルページを開設します。
・アプリを活用して「しまね学生登録」の登録者に就職情報などを届けます。
・保護者などに向け、地元紙を活用した情報発信や就活セミナーを実施します。
II.結婚・出産・子育ての希望をかなえる
107.1億円【当初106.5億円・補正0.6億円】
出会いの場を増やすことで結婚を望む男女の希望をかなえます。
また、妊娠期から子育て期まで、切れ目ない支援体制を充実させ、若い世代が安心して妊娠・出産・子育てできるよう取り組みます。
(1)結婚への支援
主な新規・拡充事業
「結婚したい」あなたのご縁を応援
コンピューターマッチングシステム「しまコ」利用時に必要な登録料を、期間限定で女性は無料、男性は半額に引き下げ、「しまコ」を利用しやすくします。
(2)妊娠・出産・子育てへの支援
主な新規・拡充事業
子どもの医療費負担の軽減
県内全ての市町村で、小学6年生までの医療費負担を軽減できるようにします。
貧困などの課題を抱える子どもと親を支援
・SNSを活用して支援制度や相談情報の提供を強化し、貧困世帯などの子どもと保護者に支援が届くようにします。
・子ども食堂などの開設・拡充を推進する市町村を支援し、子どもの居場所を確保します。
・家庭での学習が困難な子どもの学習支援を行う市町村をサポートします。
障がいのある子どもと親を支援
・県立高校で、巡回指導を行う教員を拠点校に配置し、障がいによって学習や生活に困難さがある生徒が適切な指導を受けられるようにします。
・「合理的配慮アドバイザー」を県教育委員会に配置し、生徒一人ひとりの障がいの特性や困り事にあわせて提供される配慮(合理的配慮)のニーズに対応します。
不妊に悩む夫婦などを支援
特定不妊治療費助成における助成額を拡充し、所得制限の撤廃により対象者を広げるなど、出産を希望する世帯を支援します。
放課後児童クラブの充実
定員を増やすための増設や修繕などを行う放課後児童クラブが、併せて利用時間を延長する場合、助成額を拡充します。これによって、学童保育の環境を整えます。
III.地域を守り、のばす
385.2億円【当初319.2億円・補正66.0億円】
中山間地域・離島と都市部が、共存・連携して共に発展する地域づくりを進めるとともに、それを支える社会基盤を整備します。
主な新規・拡充事業
モデル地区の取組を全県へ波及
「小さな拠点づくり」のモデル地区などの事例集の作成や、複数の地区が連携して行う実践活動の支援を強化します。
集落の営農体制確立を支援
担い手不在集落で、新たに営農を行う近隣の担い手や定年帰農者などの、営農に必要な経費を支援します。
自然公園への誘客
自然公園を活用した体験プログラムの拡充や、周遊促進などの取組を支援し、県内の自然公園への誘客を促します。
IV.島根を創る人をふやす
50.6億円【当初43.5億円・補正7.1億円】
生まれ育った地域の価値を子どもの頃から学ぶ活動や、地方回帰の流れが進みつつある時勢を捉えたUターン・Iターン支援に取り組み、島根に愛着と誇りを持ち、将来の島根を支える人をふやします。
(1)島根を愛する人づくり
主な新規・拡充事業
県内大学と高校の「高大連携」を進める
・主幹教諭(※1)を、全ての県立普通科高校に配置して、高大連携や学力の底上げなどに取り組みます。
(※1)主幹教諭:生徒が県内就職や県内大学進学を進路先に選んだり、大学で求められる探究心を身につけたりできるように、管理職とともに生徒を導く役割を担う。
・高大連携推進員を松江、出雲、石見エリアに各1名配置し、総合型・学校推薦型選抜による県内大学への入学を希望する生徒を支援します。
高校での生徒一人一台端末(PC)に対応した環境を整備
生徒一人一台端末の導入を、令和4年度入学生から進めるため、端末購入費の一部について助成を行うとともに、個人負担による購入が困難な生徒への貸出用端末などを整備します。
帰国・外国人等の日本語指導が必要な生徒を支援
宍道高校定時制において、日本語指導が必要な生徒を受け入れるための体制を整備します。
(2)新しい人の流れづくり
主な新規・拡充事業
情報発信の拡充
県外の若者・女性や県内の家族に向けた情報発信を強化します。また、オンラインや対面を組み合わせながら、若年層や女性に重点を置いた移住イベントを新たに開催し、Uターン・Iターンを促進します。
しまねのイメージ発信
県内中高生やその親世代、都会の若者向けに、島根の暮らしやすさなどを発信し、定住・移住につなげます。
関係人口が県内地域に関わる機会の提供
都市部の関係人口と島根での地域活動のマッチングや、関係人口を受け入れる地域活動を支援します。
(3)女性活躍の推進
主な新規・拡充事業
女性一人ひとりの希望に応じた就業や起業の実現に向けて
ワンストップの就職相談窓口で対面に加えてWEBによる相談を開始し、県内企業などで就労を目指す女性を支援します。
男性の家事・育児の参加の促進
男性が家事・育児をすることを当たり前として捉えられる社会機運を醸成するため、男性や企業に向けたセミナーを開催します。
本号の特集ページでは、島根県の令和3年度当初予算の一部を紹介しています。
詳しくは島根県のホームページをご覧ください。
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