原子力災害に備えて〜島根の防災対策〜
県では、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)で原子力災害が発生した場合に備えて、島根原発から30キロ圏内の地域を中心に、放射線の影響を監視する体制の充実、安定ヨウ素剤の事前配布、放射線防護対策の実施など、防災対策を強化しています。
中国電力島根原子力発電所
緊急時モニタリング体制の充実・強化
原子力災害では、原発から外部に放射性物質が放出される事態が想定されます。こうした場合に的確な防護措置をとるため、県では島根原発から30キロ圏内の各地に、放射線量を測定する機器「モニタリングポスト」の配備を進めています。
上:固定局モニタリングポスト
右下:可搬型モニタリングポスト
左下:簡易型モニタリングポスト
安定ヨウ素剤を事前配布
原子力災害で原発から放出が考えられる放射性物質の1つに「放射性ヨウ素」があります。放射性ヨウ素は人体に入ると、のどにある器官「甲状腺」にたまり、甲状腺がんを発生させる可能性があります。
甲状腺への放射性ヨウ素の蓄積を減らすために服用する薬が「安定ヨウ素剤」です。安定ヨウ素剤を服用してヨウ素をあらかじめ甲状腺にため込んでおくことで、放射性ヨウ素が甲状腺にたまるのを防ぎます。
県では、松江市とともに6月から島根原発から5キロ圏内の3歳以上の住民約1万人を対象に、安定ヨウ素剤の事前配布を進めています(3歳未満の乳幼児は、緊急時には保護者と一緒に早期に避難していただくことになります)。住民の皆さんが安定ヨウ素剤を受け取るには、事前配布のための説明会に出席する必要があります。
8月8日に松江市鹿島町の恵曇(えとも)公民館で開いた説明会では、医師が安定ヨウ素剤の効果と服用にあたっての注意事項などについて説明し、適切なタイミングで適切な量を服用するよう住民に呼びかけました。その後、医師や保健師、薬剤師の問診を経て、住民に安定ヨウ素剤を配りました。ことし中にすべての対象地区で説明会を開催します。
保健師による問診の様子
安定ヨウ素剤の配布の様子
放射線防護対策の実施
原子力災害が発生した場合、すぐに避難することが難しく、利用者が一時的にその場にとどまらざるを得ないことが想定される社会福祉施設や、災害対策の拠点となる県庁、オフサイトセンターなどに放射線防護対策を実施しています。
主な対策としては、放射性物質(放射性ヨウ素など)を99.5%以上取り除くフィルターを備えた外気取り込み装置を設置しました。フィルターを通した空気を送り込んで施設内の気圧を高め、放射性物質が入り込むのを防ぎます。
県庁(本庁舎)西側に設置されている
外気取り込み装置の格納庫
社会福祉施設に設置した非常時外気取り込み装置の例
●問い合わせ先
原子力安全対策課/TEL:0852・22・6303
https://www.pref.shimane.lg.jp/genan/
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp