介護の魅力を伝えたい
介護人材の確保対策
高齢化社会を迎え、介護の仕事はますます重要になっています。介護は大変な仕事ですが、それ以上の喜びややりがいがあふれています。県では介護職員を目指す人材の育成や、現役の介護職員の定着支援などに力を注いでいます。
将来の介護人材を育成
介護は人が人を支える仕事で、人がいなければ成り立たないため、人材確保は大切な課題です。その対策の一つとして、毎年夏休みに県内の中高生を対象に介護の魅力の一端を感じてもらい、将来介護の仕事に就くきっかけになればという思いで、介護職場の体験事業を実施しています。
平成27年度の体験事業は7〜8月に、県内72カ所の福祉施設で実施し、中高生192人が参加しました。このうち、松江市玉湯町の福祉施設「たまゆの杜」では、高校1年生の女子生徒2人が体験しました。生徒たちは施設利用者といっしょに体操やボールを使ったゲームを楽しんだり、配膳を手伝ったりしながら、介護の仕事のやりがいを感じていました。介護福祉士を目指しているという生徒は「介護は大変だけど、楽しくて多くのことが学べるやりがいのある仕事だと思う。この機会にいろいろなことを体験したい」と話しました。
施設の職員(右)から仕事の説明を受ける生徒=松江市、たまゆの杜
施設利用者におしぼりを配ったり、
手を消毒したりする生徒=松江市、たまゆの杜
施設利用者とゲームを楽しむ生徒=松江市、たまゆの杜
配膳を手伝う生徒=松江市、たまゆの杜
福祉の仲間が集う「ミーティングポイント」
県内の福祉現場で働く若者でつくる団体が「ミーティングポイント」です。同じ仕事に従事する仲間が職場や地域の垣根を越えて交流しながら、仕事の悩みを解決したり、ノウハウを共有したりして楽しく研さんしています。
同団体は、支え合える仲間をつくることで、離職者を減らそうと代表の和田征大(わだまさひろ)さんが中心となり平成23年に結成。県内の介護福祉士や社会福祉士、ケアマネージャー、福祉施設経営者ら20〜30代の男女30人が参加しています。
定期的に福祉について意見交換したり、資格取得の勉強会や交流会を開催したりしています。また、平成24年からは、介護福祉士を養成する県内の専門学校で出前授業を行い、学生たちに現役職員ならではの体験談や、やりがいを伝えています。
ことし9月には、福祉の魅力を発信するイベントを昨年に続いて出雲市内で開催。メンバーが福祉の仕事への熱意や悩みを発表したり、来場者を交えて意見交換したりしました。和田さんは「私自身もつながりに救われ、活力を得ました。福祉現場で働く人同士の関係性を豊かにすることで、福祉の仕事が活気づくと考えます。この可能性にミーティングポイントは『つながる』ことでチャレンジし続けたいと思います」と話します。
県では、同団体の活動は福祉従事者の早期離職の防止や定着に有効と考え、イベントの開催を支援しました。
ミーティングポイント主催のイベントの様子
ミーティングポイントの交流会の様子
和田征大さん
●問い合わせ先
ミーティングポイント/電子メールアドレス:MeetingPoint.izumo@gmail.com
介護職員のキャリアアップ支援
県は介護福祉士の資格取得や職場定着を目的とした支援もしています。例えば離職率の高い介護経験がおおむね1年未満の人が介護の資格を取る場合、研修の受講料などの一部を補助しています。また、介護福祉士の資格を取る場合、修学資金の貸付を行っています。介護職員のキャリアアップを支援することで離職を減らすとともに、介護事業者側にとっても職員の技術が高まることで、介護サービスの質の向上にもつながります。
●問い合わせ先
高齢者福祉課/TEL:0852・22・6522
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp