身土不二(しんどふじ)※
いのち育む郷土(ジゲ)の味
島根の気候風土に育まれた食材を、その土地で受け継がれてきた食べ方で味わいます。
※身土不二=その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方。
津和野町の郷土料理「うずめ飯」。一見すると、だし汁にご飯がよそってあるだけに見えますが、かき混ぜると特産のワサビをはじめ、ニンジン、シイタケなどさまざま具が顔を出します。
うずめ飯は江戸時代に生まれたと言われ、ご飯で具をうずめたことが名前の由来とされています。具材をうずめた理由は、高価なワサビを気兼ねなく楽しんでもらうための心配りや、ぜいたくを嫌った津和野藩主の目を盗むためなどと言われています。うずめ飯の作り方を、津和野町の旅館「のれん宿明月」の社長、池田和哉(いけだかずや)さんに教わりました。
ニンジン、シイタケ、豆腐、かまぼこをさいの目に切り分けます。ニンジンとシイタケを昆布のだし汁で煮て、煮上がったら豆腐とかまぼこを入れます。薄口しょうゆ、塩、みりんを加えて、吸い物よりやや濃い目に味つけします。
具とだし汁を茶わんの半分ほどに注ぎ、おろしたワサビやみじん切りしたセリ、もみノリを入れ、炊きたてのご飯で具をうずめ、ふたをして完成です。ご飯をかき混ぜるとワサビやセリの清涼感あふれる香りが一気に立ち上り、何杯でも食べられます。池田さんは「ご飯でうずめるとワサビやセリの香りを食べる直前まで逃がさないようにできる。津和野伝統の家庭料理を次世代に伝えたい」と話します。
池田和哉さん
材料(4人分)
●シイタケ/中4枚
●ニンジン/小1本
●豆腐/1丁
●かまぼこ/小1枚
●ワサビ/中1本
●セリ/小1束
●ノリ/1枚
●だし汁/カップ5杯
●薄口しょうゆ/大さじ1杯
●塩、みりん/少々
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