メード・イン・しまねの底力
Vol.4歯車ホーニング盤(清和鉄工)
歯車ホーニング盤による加工
清和鉄工の工場
清和鉄工の歯車ホーニング盤
自動車の進化支える技術力
自動車の変速機などの歯車の加工に用いられる「歯車ホーニング盤」の製造で、国内シェア7割を誇る出雲市斐川町の清和鉄工。
トヨタやホンダ、ゼネラルモーターズなどの自動車メーカーをはじめ、20カ国の企業に供給する世界的な企業だ。
歯車ホーニング盤は、歯がついた砥石に歯車の歯をかみ合わせながら高速回転させ、歯車の表面をなめらかに研ぎ上げる機械。
この加工を施すことによって歯車がかみ合う際の騒音が低減し、耐久性が向上し、動力伝達のロスも減る。
自動車1台に使われる歯車ホーニング盤で加工した歯車はわずかだが、燃費の向上や、ハイブリッドカー、電気自動車の登場で静粛性要求が高まる変速機の重要な部品として、1000分の1ミリ単位の高い加工精度が要求される。
同社は昭和63年に、国産初となる内歯式歯車ホーニング盤を開発して以来、歯車仕上げの分野を先導して自動車の進化を支えている。
ノウハウ生かし新分野に挑む
歯車ホーニング盤自体の製造も、常に精密さが必要だ。
同社は大正9年に大阪市で創業し、昭和44年に県の誘致で斐川町に工場を進出。
昭和52年には本社機能と工場を同町に集約した。
現在、本社工場で働く従業員のほぼ全員が県内出身者。河本憲二(かわもとけんじ)常務は「徹底的に精度にこだわって作業ができる、まじめで粘り強い県民性が当社のものづくりに適している」と語る。
自動車の変速機などの歯車で培ったノウハウを生かし、新分野への挑戦も始まっている。
高齢化社会の進展で市場拡大が見込まれる医療、介護機器や、ものづくりに革命をもたらすとされる「3Dプリンター」に使う極小歯車の加工機械を開発した。
達俊彦(たつとしひこ)社長は「5年後に迎える創業100周年に向け、地域の誇りとなる企業にしたい」と語り、島根で磨いた技術力でさらなる高みを目指す。
清和鉄工株式会社
本社/出雲市斐川町上直江2139番地5
TEL/0853・72・0306
http://segtec.jp/(外部サイト)
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