原子力防災訓練を実施
平成26年10月18日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故を想定した原子力防災訓練を実施しました。
平成26年3月に修正した島根県地域防災計画(原子力災害対策編)に基づき、関係機関の連携や関係者の技術の習熟を図ることを目的として実施し、今回初めて、放射性物質が放出された事態を想定した住民避難、放射性物質の付着の有無を調べるスクリーニングやヘリコプターを使った搬送などの訓練を行いました。
避難訓練に臨む参加住民
訓練には、島根県と鳥取県、島根原発から30キロ圏内の6市(松江市、出雲市、安来市、雲南市、米子市、境港市)、江津市、警察、消防、自衛隊、中国電力など94機関の関係者や一般住民ら約3150人が参加しました。
運転中の島根原発2号機の送電線事故に伴い、外部電源や冷却機能を失った結果、原子炉格納容器が損傷し、放射性物質が外部に漏れたと想定しました。
県原子力防災センターでは原子力災害現地対策本部が設置され、関係自治体がテレビ会議で対応を確認しました。
テレビ会議で対応を確認する知事及び関係者=県原子力防災センター
要支援者の屋内退避とヘリ搬送
島根原発から5キロ圏内にある特別養護老人ホームあとむ苑(松江市鹿島町)では、昨年度整備した建物内への放射性物質の流入を防ぐ防護装置を稼働させ、入所者を1階に集めて屋内退避する訓練などを実施しました。
また、ヘリコプターを使った入所者の搬送訓練では、入所者役の参加者を自衛隊の車両で県警察学校(松江市西浜佐陀町)の校庭まで運び、県防災ヘリと自衛隊ヘリに乗せて運びました。
自衛隊車両に乗る入所者役の参加者=あとむ苑
ヘリ搬送訓練の様子=県警察学校
住民避難とスクリーニング
松江、出雲、安来、雲南の4市の住民が一時集結所から避難先への移動を想定した訓練を実施しました。
途中、30キロ圏外に開設したスクリーニングポイントにおいて、スクリーニング訓練を実施しました。
避難車両に乗ったまま放射性物質の検査ができるゲートモニターを使って車両検査を行い、基準を超える放射性物質を確認した場合は自衛隊による除染作業を行いました。
また、避難住民の体に放射性物質が付着していないかを調べる訓練も実施しました。
訓練に参加された雲南市の男性は「万が一の事態にも冷静に行動できるよう原子力災害について学び、備えたい」と話していました。
ゲートモニターを通過する訓練車両=雲南市吉田交流センター
車両の除染作業の様子=雲南市吉田交流センター
今後に向けて
訓練を通して、住民のみなさまへ多様な手段を使って広報を実施することが大切であると改めてわかりました
県では、訓練参加者等へのアンケートや第三者機関による評価を取りまとめ、引き続き実践的な訓練を積み重ねて原子力防災対策の実効性を高めていきます。
放射性物質の付着を調べるスクリーニング訓練=雲南市吉田健康福祉センター
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