メード・イン・しまねの底力
Vol.3パスチャライズ牛乳(木次乳業)
木次乳業のパスチャライズ牛乳
パスチャライズ牛乳が製造される工場
本物の牛乳を求めて
欧州で主流の低温殺菌牛乳を日本で初めて「パスチャライズ牛乳」として世に問うたのが、木次乳業(雲南市)だ。
パスチャライズ牛乳は、65度30分間または72度15秒間で加熱殺菌(パスチャリゼイション)した牛乳で、低温殺菌のため生乳本来の風味や栄養分、性質を損なわずに有害な菌だけを殺菌しているのが特徴。
当時の日本では、すべての菌を殺菌する超高温殺菌牛乳しか流通していなかったため「本物の牛乳を届けたい」との想いから同社は昭和50年、パスチャライズ牛乳の製品化に着手。さまざまな熱処理をした牛乳を発酵
させ、社員が毎日飲み続けてその安全性を確認した。また酪農家とともに牛の管理を徹底して乳質を向上させた。3年間の試行錯誤の末、昭和53年にパスチャライズ牛乳を市場に送り出した。
口コミで広がり代表商品に
当初、パスチャライズ牛乳は「傷みやすいのではないか」と不安がられ売れ行きが鈍かった。
しかし、食の安全にこだわる京都市の消費者グループとの取引が始まるとたちまち口コミで評判が広がり、関西地方で人気が上昇した。
その勢いで島根県内でも売れ行きが伸び、今では東京都から鹿児島県まで、販路が広がった。
地元雲南市や奥出雲町、松江市の学校給食にも採用されている。
日本の牛乳の製造方法に一石を投じた同社の想いは「食は健康な命の源」。
佐藤毅史(さとうたけし)専務は「牛乳だけではなく、すべての食に対して真摯に取り組んでいく」と語る。
島根の中山間地から食の本質を追求し続ける。
木次乳業有限会社
本社/雲南市木次町東日登228番地2TEL/0854・42・0445
http://www.kisuki-milk.co.jp/(外部サイト)
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