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結核は過去の病気ではありません

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結核の現状

結核はかつて、年間死亡者数が10万人を超え、「国民病」「亡国病」と恐れられた感染症です。
結核対策の強化等で患者数は大きく減りましたが、今でも年間2万人以上の患者が発病し、約2千人の方が命を落としています。


毎年100人超の新規患者

 

 

昭和25年まで日本人の死亡原因の第1位だった結核は、戦後、健康診断や予防接種等の対策強化で死亡者数、新規患者数ともに大きく減少しました。
県内においても戦後、着実に新規患者数は減少してきましたが、平成16年以降、高齢患者の増加や高齢者施設での集団感染の頻発等により、横ばいの状態が続いています。
現在は、毎年100人を超える患者が新たに発生しています。

 

 

 

県内の結核新規患者数

 

患者の7割が高齢者、働き盛り世代も注意

 

 

平成25年の新規患者のうち、7割超が70歳以上の高齢者です。
一方、働き盛りの世代でも依然として患者が発生しています。
高齢者は典型的な症状が出ないことも多く、診断の遅れにつながるケースがあります。
また、働き盛りの世代では、仕事の都合などで受診が遅れる傾向にあることが問題となっています。
結核は誰にでも起こりうる病気だという認識を持ち、せきが続くなどの気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

 

 

 

県内の新規患者年代別割合

 

集団感染が断続的に発生


県内では、結核の集団感染事例が平成20年以降断続的に発生し、大きな課題となっています。
結核は空気感染するため、多数の人が集まり長時間をともに過ごす医療機関や高齢者施設、職場、学校等で菌の排出がある結核患者が発した場合、
適切な対応が取られないと多くの人が感染する恐れがあります。
これらの施設では予防や早期発見に対する、日常の備えが必要です。


結核の正しい知識を身につけましょう

 

 

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どうやって感染するの?

 

 

結核の病状が進むと、せきやくしゃみのしぶきの中に結核菌が混じります。
このしぶきが乾燥して結核菌だけが空気中を漂い、これを周囲の人が吸い込むことによって感染につながります(空気感染)。
感染後、すぐに発病する人は約1割で、そのうち多くは2年以内に発病しています。
また、すぐに発病しなかった人のうち約2割は、免疫力の低下などに伴い、感染後数十年を経て発病することもあります。

 

 

 

結核菌の感染イメージ

 

治療は長期入院になるの?

 

 

結核は、かつて1年以上の治療期間を必要とする病気でしたが、今では数種類の薬を組み合わせて飲む治療法が導入され、
治療期間が6〜9カ月程度になりました(人によって治療期間が延びることもあります)。
また、たんの中に結核菌が出るような重症の方は、専門の病床のある病院へ入院して治療を受けますが、それ以外の方は外来治療で治すことが可能です。
しかし、治療の途中で服薬を止めてしまうと治らないばかりか薬が効かない耐性菌になってしまう恐れがあります。
薬の飲み忘れや中断を防ぐために、保健所は医療機関と連携し、服薬を支援しています。

 

 

 

服薬支援の写真
服薬支援の様子

 

研修会等の開催

 

 

医療機関や高齢者施設等を中心に集団感染事例が発生しています。
このことから、県では、医療従事者、高齢者施設等の職員を対象とした研修会等を県内各地で開催し、
各医療機関における結核医療の充実や関係機関相互の連携強化を図っています。

 

 

 

医療従事者向け講習会の写真
医療従事者向け講習会

 

 

 


 

問い合わせ先
薬事衛生課TEL0852・22・6532


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
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