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県立自然公園が指定50周年を迎えました

県内では、優れた自然の風景地を保護・活用していくため、国立・国定公園および県立自然公園の3種類の自然公園が指定されています。
現在11地域ある県立自然公園のうち、8地域は昭和39年に指定され、ことしで50周年を迎えました。
自然公園の良好な管理のためには、一定の開発行為の禁止などの法律・条例による規制だけでなく、関係する方々の理解と協力が不可欠です。

 

50周年を迎えた自然公園

 

 

お問い合わせ先/自然環境課TEL0852・22・6172

 

 

県立自然公園は、地域に密着した存在であり、地域の人たちの熱意とパワーで支えられています。3つの県立自然公園を愛する人たちを紹介します。

 

鬼(おに)の舌震(したぶるい)

 

県立自然公園(奥出雲町)

 

 

畳岩から眺めた鬼の舌震の巨岩群の写真
畳岩から眺めた鬼の舌震の巨岩群

 

 

舌震亭のみなさんの写真
舌震亭のみなさん

 

 

舌震の”恋”吊橋の写真
舌震の”恋”吊橋

 

 

斐伊川支流の大馬木川(おおまきがわ)の中流に、約3キロ続くV字型の渓谷です。
積み重なった奇岩や巨岩が織り成す壮大な景観が見どころです。
出雲国風土記には、ワニが玉日女(たまひめ)に恋して川を上ったが、玉日女が大石で川を塞いでしまったため会うことができず、
慕うばかりであったとの記載があり、「ワニの慕ぶる」がなまって、「鬼の舌震」と呼ばれるようになったといわれています。
平成25年に奥出雲町が高さ45メートル、長さ160メートルの「舌震の”恋”吊橋」と、バリアフリー化した遊歩道を整備して、より散策しやすくなりました。
宇根駐車場側の遊歩道入り口で来訪者をもてなしているのが、昭和22年に渓谷内に店を出し、
昭和43年からは現在の場所に店を構える茶店「舌震亭(したぶるいてい)」です。
店番をする92歳の山田文子(やまだふみこ)さんが観光客を笑顔でもてなし、山菜の具がたくさん入った名物「舌震そば」を提供します。
かつて4店あった茶店は現在、舌震亭だけになりましたが、舌震亭はことし改装し、軽食メニューを充実させました。
経営者の山田孝之助(やまだこうのすけ)さんは、「食の魅力を高めて鬼の舌震の来訪者を増やしたい」と話します。

 

断魚渓・観音滝

 

県立自然公園(邑南町、江津市)

 

 

断魚渓の千畳敷の写真
断魚渓の千畳敷

 

 

復旧作業に励む断魚開発組合のみなさんの写真
復旧作業に励む断魚開発組合のみなさん

 

 

観音滝の写真
観音滝

 

 

邑南町の断魚渓と江津市の観音滝の2つの渓谷からなります。
断魚渓は江の川の支流濁川(にごりがわ)沿いに約4キロにわたって奇岩や絶壁、ふち、滝が続きます。
明治時代、観光で地域活性化しようと考えた地元の漢学者・野田慎(のだしん)が、特色ある24の景観を「断魚渓二十四景」と定め、世に広めました。
この先人の思いを受け継ぎ、断魚渓の維持管理や観光ガイドをしているのが、
地元住民でつくる「断魚開発組合(だんぎょかいはつくみあい)」です。断魚渓は昨年8月の豪雨で冠水し、
一時立ち入り禁止になりましたが、同組合が流木やごみの撤去などの復旧作業を精力的に行いました。
その結果、10月には部分開通し、紅葉狩りを楽しみにしていた観光客を喜ばせました。
長年の保全活動が評価され、ことし4月に同組合は「『みどりの日』自然環境功労者環境大臣表彰」を受けました。
同組合の高本勝蔵(たかもとかつぞう)組合長は「組合員の力を合わせて断魚渓を守り、次の世代に受け継ぎたい」と語ります。

 

青野山(あおのやま)

 

県立自然公園(津和野町)

 

 

津和野のシンボル・青野山の写真
津和野のシンボル・青野山

 

 

笹山自治会のみなさんの写真
笹山自治会のみなさん

 

 

地倉沼の写真
地倉沼

 

 

鐘状火山の青野山(標高907メートル)周辺と、山城跡の津和野城跡周辺、
モリアオガエルの生息地・地倉沼(ちくらぬま)周辺の3つの地域からなり、自然と歴史が楽しめます。
青野山の豊富な湧水は町の水源地になっているほか、農業にも利用されて「笹山のサトイモ」などの優れた農作物を育みます。
青野山の保全活動をしているのが、麓の笹山地区住民でつくる笹山自治会です。
古くから同地区の住民は青野山山頂に祭られた山王権現を信仰してきました。
同自治会では山頂の草刈りを定期的に実施しているほか、登山シーズン前には登山道をパトロールし、倒木があれば撤去して登山者の安全を確保しています。
県の事業を利用して、登山者が休憩できるベンチも整備しました。
さらに、平成24年度から近くの2つの自治会と連携して、麓の林道沿いに約500本のサクラの植樹を進めています。
同自治会の長嶺清見(ながみねきよみ)会長は「青野山は町民にとって恵みの山。大事に守っていきたい」と語ります。

 


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp