島根の新しい未来を開拓する農商工分野の若手経営者に焦点をあてる「未来を拓く若い力」。
確たる信念を持ち、自ら信じるビジネスを果敢に仕掛ける若き挑戦者を紹介します。

 

^{「オンリーワンの技術で信頼される企業を目指す」と語る藤原大輔専務}

 

 

^{モーター用の歯車付シャフト}

 

 

藤原大輔（ふじはら・だいすけ）
松江工業高校、西日本工業大学、中国職業能力開発大学校島根校（ポリテクカレッジ島根）を経て平成16年にファデコに入社。
第2工場長、本社工場長などを経て平成24年から現職。趣味は映画鑑賞で、特にホラー映画を好む。

 

 

優れた金属加工技術で、印刷機から住宅、自動車、リニアモーターなどさまざまな分野の部品製造を手がけるファデコ（安来市伯太町）。
さらなる高みを目指し、航空機産業への挑戦を始めた同社の藤原大輔専務（32）にものづくりの信念や将来展望などを聞きました。

 

●工業系大学から中国職業能力開発大学校島根校（ポリテクカレッジ島根）に編入して電子制御技術を学び、平成16年4月に入社した。

「中学生のころから家業を継ごうと考えていました。大学2年時に、即戦力になる技術を身につけようと、ポリテクカレッジ島根に編入しました。
同校で学んだ技術が入社後、工作機械の操作や修理に役立ちました」

●印刷機や複写機などのＯＡ機器に使う小型モーター用の部品の製造を主力事業にしている。

「モーター内部の歯車付シャフトを作っています。小型モーターでインクの噴射量を制御するため、
歯車の加工精度が印刷時の画像品質に大きく影響します。高精度な歯車の加工は得意技術のひとつです」

●自動車やリニアモーターカー、ガス関連器具など多方面に受注が広がっている。

「昨年から自動車の変速機用部品の受注が本格化し、当社の総売上の約2割を占めるほどに伸びています。
リニアモーターカーでは実験用線路のボルトに当社の製品が採用され、今秋から量産体制に入ります」

●高い技術力を培った要因は。

「どんな仕事でも挑戦するよう心がけています。失敗も多く経験しましたが、原因を考え、克服して成長してきました。
失敗は技術を高める最大の糧です。また、技術の根幹は人です。不況時にも我慢してついてきてくれた従業員みんなに感謝しています」

●昨年10月、松江、安来両市内の特殊鋼関連企業6社が、航空機部品の共同受注を目指す企業グループ「ＳＵＳＡＮＯＯ（スサノオ）」を設立。ファデコもメンバーに入った。

「航空機産業はこれまで当社に縁のない分野でしたが、スサノオに入り、航空機産業に挑戦することは当社を新たな高みへ導く好機になると考えています」

●スサノオは同月、東京都で開かれた航空宇宙産業の展示会「東京国際航空宇宙産業展」（ＡＳＥＴ）に初めて出展し、技術力をアピールした。

「ＡＳＥＴには国内外から331の企業・団体の出展がありました。ほとんどの都道府県からスサノオのような企業グループの出展があり、各地の期待の高さを実感しました。
航空機は部品の点数、種類が豊富なので、商機があると思います」

●今後の抱負を。

 

「お客様の要求に的確に応えて、頼りにされる企業を目指します。オンリーワンの技術を生み出し、地道に実績を重ね、ファデコとスサノオの知名度を上げて受注を増やしたいと思います」

 

 

 

 

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