地域に輝きを、市町村レポート
大田市のレポートのご紹介です。
大田市
週末のナチュラリストへ気軽に自然観察しませんか
鮮やかな黄色の羽根が目を引くキビタキ(星野由美子撮影)
カキツバタが美しい北の原の姫逃池(ひめのがいけ)。5月末から見頃を迎えます。
水場にやってきた北の原の小鳥たち(三瓶自然館サヒメル提供)
内容
国立公園に指定され半世紀が過ぎた三瓶山には、放牧により守られてきた草原風景が残っている一方、山の北側には豊かなブナの自然林が保護されています。
落葉広葉樹林が広がる北の原一帯はこれからの季節、春を迎えて伴侶をさがす野鳥たちのさえずりでにぎやかになります。
若葉がもえだしたばかりの頃は、木々の葉がさほど邪魔にならず、野鳥の姿を容易に見つけることができます。
シジュウカラやヤマガラ、エナガ、コガラなど、かわいらしい小鳥たちの姿が、疲れた心を癒してくれます。
恋が成就すると、次にやってくるのが子育てです。
北の原の野鳥たちも、営巣に大忙しで、三瓶山の登山者の頭に留まり、巣づくりの材料にしようと、髪の毛をしきりに抜こうとすることもあります。
そして、木々が薄緑色の若葉に優しく覆われる頃になると、キビタキ、オオルリ、サンコウチョウなど、夏鳥たちが三瓶山の森林にやってきます。
風にそよぐ若葉とそこから注がれる日の光、北の原自然林が最もにぎやかで美しい季節を迎えます。
気軽に自然を楽しみたいという皆さんにとって、四季を通じて様々な表情を見せてくれる三瓶山は絶好のポイントです。
北の原の自然観察モデルコースには、植物の種類が書かれた札や自然解説板も置かれていて、これだけでも十分に知的好奇心を満たしてくれます。
さらに、近くにある三瓶自然館サヒメルに立ち寄って、予習してから散策すると、もっといろいろなものが見えてきますよ。
北の原は気軽に自然観察できるモデルコースが整備されています。
三瓶山の自然を学ぶことができる三瓶自然館サヒメル
お問い合わせ先
大田市政策企画課
TEL0854・83・8006
FAX0854・82・6669
海士町
歴史散策エリアに新たな魅力〜村上家文書(もんじょ)から隠岐を知る〜
明治期に建てられた母家を改修した村上家資料館
行啓時のしつらえを再現した高ノ間(たかのま)
貴重な古文書が並ぶ館内
文化14年(1817年)の長者番付
内容
上皇ゆかりの文化遺産が多く残るこの島に3月、新たな歴史スポット「村上家資料館」が誕生しました。
明治期の家屋を改修したもので、場所は後鳥羽上皇をお祭りする隠岐神社から徒歩数分。
シーズンには観光客でにぎわうエリアの一角です。
海士の村上家は中世以降、隠岐島前(どうぜん)で勢力をもった豪族で、後鳥羽上皇の身の回りの世話を担ったという由緒が伝えられている名家。
江戸前期、海士へ配流された飛鳥井少将雅賢(まさかた)から当時の当主が「村上助九郎(すけくろう)」と命名され、それ以来当主は代々「助九郎」を名乗ります。
村上家には、宝治2年(1248年)のものを最古とする中世文書や、200点を超える江戸前期の文書など、
1600点以上の古文書があり、海士や隠岐の歴史、隠岐と本土との交流の実態を今に伝える貴重な史料です。
平成23年から調査してきた鍛治宏介(かじこうすけ)准教授(京都学園大学)によると
「古い寺院を除いた個人の家で、貴重な古文書がこれだけそろっているのは珍しい」(平成24年講演会)とのことです。
資料館では一部を見ることができ、江戸時代の村上家の(※)施行[せぎょう]の様子がうかがえるものや京都の公家や商人との交流の記録、
「天野助九郎」(=海士村の助九郎)という名前が載った長者番付(金持ちランキング)など、興味深い展示がめじろ押しです。
また近くには、隠岐神社や後鳥羽院資料館、後鳥羽上皇御火葬塚もあります。
1月に海士町で講演した東洋文化研究者のアレックス・カーさんは「関連しあう歴史施設や史跡が歩いて行ける範囲にいくつもあり、
歴史のエッセンスが凝縮されている。観光客はぜひ行くべき!」と、太鼓判を押しました。
春の海士町、岩ガキなど旬の島グルメはもちろん、隠岐神社周辺の散策も外せません。
隠岐の歴史に一歩踏み込む村上家資料館、ぜひ一度お越しください。
(※)災害や飢饉など地域全体が困ることが起きたときに救民活動をするような公的な貢献
地元住民や、観光客も花見に訪れるサクラらんまんの隠岐神社
毎年盛大に行われる隠岐神社の春の例大祭
お問い合わせ先
海士町教育委員会
TEL08514・2・1222
FAX08514・2・1633
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp