美術館でほっとひといき
島根県立美術館は平成26年3月20日から6月16日まで、開館15周年記念展「水辺のアルカディアピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」を開催します。
理想郷(アルカディア)を描き続けたフランスの画家、ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824〜1898年)の作品を一堂に集めた、島根発、日本初のシャヴァンヌ展です。
《諸芸術とミューズたちの集う聖なる森》1884-89年頃93×231cmシカゴ美術館
PotterPalmerCollection1922.445PhotographycopyrightsTheArtInstituteofChicago
《プロ・パトリア・ルドゥス》1885-87年頃94×280cm個人蔵
ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ展
夕暮れ時の静かな水辺に、美術の女神とミューズたちが憩う《諸芸術とミューズたちの集う聖なる森》。
シカゴ美術館からやってくるこの作品は、シャヴァンヌの代表作で、この展覧会が日本初公開となります。
《プロ・パトリア・ルドゥス》には、生まれたばかりの赤ちゃん、その世話をする若い母親、槍投げの練習をする若者、
それを見守る長老たち、と各世代が仲睦まじく、自然の中で暮らす姿が描かれています。
自然と人間が調和する、また世代を超えて人と人とが調和をもって生きるアルカディア。
それらを描き続けたシャヴァンヌは、アルカディアの画家として知られています。
また、シャヴァンヌはフランスを代表する壁画家でもあり、アミアン美術館やリヨン美術館、パリ市庁舎など公共建造物の壁画を数多く手がけました。
その作品はゴッホ、ゴーギャン、スーラ、ピカソなど、19世紀から20世紀にかけて強力な推進力となった画家たちに大きな影響を与えるとともに、
日本の近代洋画の確立に、さらに、日本の古代をいかに絵画で表現するか、という同時代の課題にも多大な影響をもたらしました。
建物の壁に描かれた壁画は移動が不可能なこともあり、展覧会の開催が難しく、
待望されながらもシャヴァンヌの展覧会は日本で一度も開催されたことがありませんでした。
同展は、神々の国しまねプロジェクトの一環として、
ここ神々の国に立地する島根県立美術館が人々の集う水辺のアルカディアとなることを夢見て企画しました。
忙しい毎日のなか、ほっとひといきしたいとき。
シャヴァンヌのアルカディアに癒されてみませんか。
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