謹んで新年のご挨拶を申し上げます
昨年は、夏に県西部を中心に集中豪雨により大きな被害が生じました。
被害を受けられた多くの方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
県では、被災地の復旧や被災された方々の生活再建に、引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。
また、出雲大社の60年ぶりの「平成の大遷宮」で多くの観光客に島根にお出でいただきました。
今年も「ご縁の国しまね」キャンペーンや石見神楽などのPRにより誘客を図ってまいります。
9月には、隠岐諸島は、その特色ある地質や生態系などが高く評価され、世界ジオパークに認定されました。
県内外から多くの方々が、この素晴らしい自然を有する隠岐を訪れられるよう、受入れ体制の整備や対外PRに取り組んでまいります。
今年も、こうした古き良き歴史・文化や自然の豊かさなど県内各地の地域資源を生かした島根らしい発展を目指し、先頭に立って取り組んでまいります。
県民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
島根県知事溝口善兵衛
隠岐の魅力を伝える
世界ジオパークに認定された隠岐諸島には、貴重な地質や地形、動植物、歴史文化などさまざまな魅力があふれています。
島に住む人の活動も隠岐世界ジオパークのひとつ。
さまざまな分野で隠岐の魅力を伝えている人たちを紹介します。
海士町歴史で伝える
承久の乱の後に隠岐に遷(うつ)られることになった後鳥羽上皇をまつる海士町の隠岐神社。
同神社禰宜(ねぎ)の村尾茂樹さんは後鳥羽上皇のご活躍や地元の歴史、文化を伝える活動をしています。
文武両道に優れた後鳥羽上皇は特に和歌を愛し、隠岐で過ごした19年間に700首あまりの和歌を残しました。
隠岐の牛突きは後鳥羽上皇を慰めるために始まったとされています。
同神社神職の家に生まれ、平成21年にUターンした村尾さんは、後鳥羽上皇について町民にもっと知ってもらおうと、
後鳥羽上皇のご活躍を描いた紙芝居を作成して幼稚園児に読み聞かせをしています。
また、平成24年から海士町観光協会と連携して「夜の隠岐神社まいり」を実施。
竹灯籠で照らした神社の境内を村尾さんが案内して、正式参拝してもらう企画です。
村尾さんは「日本の伝統文化を大事にされた後鳥羽院のご神徳を正しく伝えて、ふるさとを大事にする心を育みたい。
まちおこしにも貢献したい」と話します。
村尾茂樹(むらおしげき)さん
後鳥羽上皇のご活躍を描いた紙芝居の読み聞かせの様子
西ノ島町デザインで伝える
西ノ島町で地域おこし協力隊として活動する西川歩さんは、得意のデザイン技術を生かして町の特産品のPRに貢献しています。
神奈川県茅ヶ崎市出身。
江津市内の高校に在学した経験などで島根県に親しみがあったことから、平成25年5月に同町に来ました。
主な仕事は水産加工場での特産品の開発。
広告デザインの専門学校で学んだデザインの技術があることから、ご当地バーガー「おさかなスリーミーバーガー」のチラシや横断幕、
イベントのポスター、水産物のPR用タペストリーなどさまざまな物のデザインやイラストを手がけて売り上げや集客の増加に一役買っています。
地域おこし協力隊の活動記録をつづったブログでは、馬のかぶりものをかぶったユニークな姿で登場。
インターネットを通じて島の情報発信をしています。
西川さんは「この島に溶けこんでいく中で、デザインは大きな武器になりました。
町民に頼りにしてもらえる存在になりたいと思います」と話します。
西川歩(にしかわあゆみ)さん
「おさかなスリーミーバーガー」のチラシや横断幕などのデザイン
知夫村おもてなしで伝える
知夫村の第三セクター・知夫里島開発が経営する「ホテル知夫の里」支配人の田上潤さんは、
家族のような心温まる接客で、島のリピーター確保に貢献しています。
京都市で35年間、友禅染の職人だった田上さんは平成21年に知夫村へUターン。
平成23年から支配人を務めています。
ホテル内には赤ハゲ山の土を染料に使い、観光名所・赤壁を描いた縦5.7メートル、横1.7メートルの自作のタペストリーを飾っています。
田上さんは客の送迎や調理もこなし、客の要望があれば送迎の合間に観光スポットを紹介したり、魚釣りや星空見物などに案内したりします。
田上さんは「島の人は頼まれると断らない心優しい人ばかり。自分もお客様の要望にできるだけ応えたい」と話します。
ホテルの宿泊客のうち、ツアー客はわずか2%程度で、大半は個人客や家族連れです。リピーターが多いのも特長です。
田上さんは「この恵まれた島を知ってもらうことが私の仕事。
島を愛する一人一人のお客様を大切にしながら、島の魅力を伝えていきたい」と語ります。
田上潤(たがみじゅん)さん
ホテル内に飾っている赤壁を描いたタペストリー
隠岐の島町伝統芸能で伝える
隠岐の島町では、結婚披露宴や家の新築、長寿の祝いなど慶事の席で伝統芸能「七福神」を踊る風習があります。
身内が七福神に扮(ふん)して踊るのが一般的ですが、高齢化の進展で踊ることができる人が減少し、
七福神を目にする機会が減りました。
島の伝統芸能を絶やすわけにはいかないと、隠岐の島町婦人会会長の松田初枝さんは昨年、
婦人会のメンバー15人で七福神を踊るグループ「隠岐まんぷく」を結成しました。
昨年10月に同町で開催された日本ジオパーク隠岐大会が、グループ結成後初めてのお披露目の舞台でした。
当日は、恵比寿役の松田初枝さんら七福神に扮したメンバーが紅白餅を積んだ宝船とともに会場を踊り歩き、
全国から集まったジオパーク関係者に、島の伝統芸能を紹介して大会を盛り上げました。
松田さんは「若い人に参加を呼びかけてメンバーを増やし、島の伝統芸能を次世代に継承していきたい。
お声がかかれば、どこにでも踊りに行きます」と意気込んでいます。
松田初枝(まつだはつえ)会長(右)と堀川竹子(ほりかわたけこ)副会長
日本ジオパーク隠岐大会で七福神を披露する「隠岐まんぷく」のメンバー
隠岐自然保護官事務所が開所
隠岐自然保護官事務所で活動する新中達也(しんなかたつや)自然保護官(右)と、前川文吾(まえかわぶんご)自然保護官補佐
昨年、隠岐の島町で行われた「子どもパークレンジャー」事業の様子
環境省は昨年10月、隠岐の島町の隠岐合同庁舎に「隠岐自然保護官事務所」を開所しました。
隠岐の優れた地形・地質や独自の生態系の保全・保護と、それらを生かした環境教育の推進などにさらに力を入れています。
大山隠岐国立公園に指定されている隠岐には、これまで同省松江自然保護官事務所の隠岐事務室があり、前川文吾自然保護官補佐1人が常駐して、
国立公園内の自然保護や環境保全、子ども向けの自然体験プログラム「子どもパークレンジャー」事業などに取り組んできました。
今回、同事務室を自然保護官事務所に格上げし、自然保護官1人を増やして2人体制に増強しました。
新たに同事務所に赴任した新中達也自然保護官は「隠岐には、住む人や訪れる人を魅了してやまない素晴らしい自然と文化があります。
隠岐世界ジオパークなどと協力しながら、国立公園・隠岐の魅力を多くの人に伝えていきたい」と抱負を語ります。
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自然環境課TEL0852・22・5724
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