10月25日質問事項03
3.エネルギー構造高度化・転換理解促進事業補助金
○山陰中央新報:よろしいですか。経済産業省が、原発が立地する自治体を対象にした国の補助金を、本年度から原発の半径30キロ圏内の自治体にも支払う仕組みに制度を変更していらっしゃったんですけれども、それに対しての御所感をお伺いさせてもらえたらと思うのですが。
○溝口知事:制度を変更したというか、新しい補助金をつくられたということではないですか。
○山陰中央新報:ああ、はい。
○溝口知事:それは、平成28年度から行われていますね。それで、29年度も行われているということですね。国はこの補助金の目的として、原発依存度低減の方針のもとで、廃炉が行われる市町村を初めとする原発立地自治体等においてエネルギー構造の高度化などに向けた取り組みを進め、地域の理解を図ることが重要であると。だから、原発を進めるということではなくて、それとは別にエネルギー構造の高度化に向けた取り組みを進めるということのようですね。そのために、今後、中・長期的な地域のあり方を見据えつつ、地域資源、インフラを活用した再生可能エネルギー等を中心とした地方振興の取り組みを支援をすると。そういうために昨年度から始めたということのようですね。それは格別、原発とは直接は関係ありませんね。
○中国新聞:この補助金なんですけど、名前はエネルギー構造高度化・転換理解促進事業ということで、名前にはないですけれども、原発の廃炉というか、そういったものをある程度前提とした事業ということで、先ほど知事の回答の中でちょっとわからなかったのは、今回、要綱を改正して立地自治体であると、例えば島根県だったらば、島根県と松江市しか受け取れなかったというところを、鳥取県を含めた2県6市が対象になるように変わっておったわけで、この変わったことに対してどうお考えかという、受けとめられたかということですが。
○溝口知事:いいことではないですか。関係のある地方自治体にそういうことをやられるということは。格別、それ以上のことはありませんけれども。
○中国新聞:いいことというのは、対象がかなり限定されてた部分が広がって、使える自治体がふえたということがいいことということ。
○溝口知事:原発を推進するということではなくて、それ以外のエネルギー構造の高度化を図るとか、そういうことを政府としてやっていこうということはいいことではないですか。
○中国新聞:つまり対象が拡大したことが、政府としてそういうものを推進していくという姿勢であるという、そういうこと。
○溝口知事:そういうものに役立つような目的に使用されようとされてるのではないですか。
○山陰中央テレビ:済みません、ただ、今回の対象自治体が2県6市に広がったということで、今後、再稼働などがいろいろな自治体で進んでいく、審査が進んでいく中で、これまで立地自治体にしかなかったああいう交付金が、それ以外の地域にもお金が出ていくということになると、権限というのは立地自治体にしか今はないですけども、周辺自治体の意見も聞くという状態になってる中で、立地自治体以外の自治体にもそのお金が国のほうから行くということになると、うがった見方をすると、ちょっと再稼働を容認してもらうためのお金を出しているんじゃないかというような見方もできなくはないんですが、そのあたりは知事としてはどういうふうに。
○溝口知事:私がコメントをする立場にありませんね。
○山陰中央テレビ:そういうコメントはまた……。
○溝口知事:国の話でしょうね。
○山陰中央テレビ:そこは影響してくるとは思いますか。
○溝口知事:そこは私が申し上げるような話ではないと思いますね。それはそれぞれの自治体が判断されるでしょう。
○中国新聞:ちなみに、この補助金、今回、交付決定を受けたのは鳥取県と雲南市ということで、出雲市と安来市の場合は、どうも、何というか、活用は検討したけども、うまく使える状況になかったというか、なので、財源的には非常に有利な補助金なので、今後も使用、活用というのは検討していきたいというのは両市も思っているようなんですけれども、実際活用例を見ると、ソーラーパネルの設置とか、そうした再生可能エネルギーの普及といいますか、そういった部分に実際、事業としては一応使われているということになってますので、そういう使われ方というのが、何というか、知事としてはいいことという、その一つの事業の方向性として……。
○溝口知事:一つの側面でしょう。
○中国新聞:繰り返しですけど、この補助金等の中で、原発の再稼働という部分には直接リンクしてないと。
○溝口知事:そう思いますね。
○山陰中央新報:その再稼働を容認してくれるかわりに交付金を渡すというような見方をされる住民の方もいらっしゃるんですけれども、そういうことではないという認識。
○溝口知事:私が判断することではないですね。
○中国新聞:ちなみに、この対象が拡大したということに対しては、あんまり、何というか、そもそもこの拡大したということを経済産業省は積極的に広報してなくて、要綱を変えて、それを報道発表してないし、使う自治体の側には説明会をどうもされたようですけれども、そういうちょっと姿勢なもんで、なぜこのタイミングで拡大したのかとか、そういった部分にちょっと不透明さがあると。
○溝口知事:それはやはり経産省が答えることですね。私が答えることではありません。
○中国新聞:ちなみに、この件というのは、島根県としては、かなり前から、前というか、今回、今年度になってから把握をされているということなんでしょうか。
○溝口知事:島根県も補助金申請はして、1件認められていると、採択されているということは報告を受けてますよ。
○中国新聞:そうですか。
○溝口知事:はい。
○中国新聞:ちなみに、それはどういった事業で。
○溝口知事:その事業は、再生エネルギーの推進には幼少期からの学習が重要であるので、再生エネルギーに関する理解を深めてもらうために、再生可能エネルギー教室を開催するということで、小学校、中学校などにそういう説明会といいますか、そういうことをやると。ただ、金額は600万円と聞いておりますから、そんな大きいもんではありませんが、国がそういうことをされるということは、我々もそれを活用できるということは悪いことではないです。
○中国新聞:じゃあ、そういう趣旨で同じように使える自治体が今回ふえたということは、前向きに受けとめたほうがいいということですね。
○溝口知事:そこら辺は皆さんがどう考えるかということでいいのではないですか。
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