8月4日質問事項3
3.教職員の人事権
○山陰中央新報:知事、済みません、きのうとおとといと、知事室に松浦市長と雲南の速水市長がいらして、教員の人事権の移譲についてお話があったと思いますけども、2つ前だったか3つ前だったかの定例会見でもお聞きしたんですけども、今時点の知事のお考えについてお聞きしたいんですけども。
○溝口知事:人事権の問題ですか。
○山陰中央新報:はい。
○溝口知事:国の閣議決定では、広域での人事調整の仕組みにも配慮した上で、中核市等に権限を移譲する方向で検討を行い、小規模市町村を含めた関係者の理解を得て、結論が得られたものから順次実施するというようなことになっておるわけですね。松江市の意向だけではなく、小規模市町村等の理解を得なければならないということがあるわけですから、市町村の意見をよく聞いて判断をしなければいけないだろうということであります。
○山陰中央新報:ですので、今現在ですと、今ちょっとそこの検討入りするかどうかというところの判断というよりも、まだするもしないも決まってないという、どっちかというと、ちょっとこの人口規模からすると、過去の経緯も踏まえて、ちょっと難しそうなところは多々課題はあるんですけれども、まだ松江市の要望に対してだめだとか、そういう判断はまだされてないということですね。
○溝口知事:しておりませんが、いずれにしても、松江市以外の市町村において、この問題については長年の経緯もありますから、そういう市町村の意見をよく聞かなければいけませんね。
○山陰中央新報:松浦市長が要望されたのが2日で、速水市長が3日なんですけども、3日の午前中に県の教育委員会のほうから各教育委員会の教育長宛てに文書が出ているようで、ちょっと手元にあるんで見ますけども、県教育委員会は現時点で検討を行う状況にはないと考えているといって、先ほどの知事のお答えとちょっと違う……。
先ほどの知事のお答えと違うようなことを、文書を見ると、要は現時点で検討を行う状況にないといって、もう門前払いをしているような、要は松浦市長が要望にいらっしゃって、知事はいろいろ課題があるけども、もうちょっと引き続きということで門前払いされてないと思うんですけども、この教育委員会の文書ですと、もう現時点で検討を行う状況にないといって、もうそこで議論は終わっているように見えるんですけども、教育委員会にその状況とかを多分聞かれていると思いますが、どういう経緯でこうなっているんでしょうか。
○溝口知事:ここに書いてあるとおりではないですか。要するに長年、関係の市町村のほうでその問題には賛同できないということですからね、そういう意味で、多分新聞の報道を見られて、市町村などから問い合わせもあったのではないですか。だから、今の段階で何か市町村の考えを聞かずに何かするのではないかという質問がきっとあって、そういうことに対して答えられたというようなことではないですか。私のほうも、それは松江市がいろんな案を出されても、それは市町村の意見をよく聞かないといけないので、そう簡単ではありませんよというようなことは申し上げておるわけですけれども、教育委員会のやりたかったことは、まだそんなことを何かしますよということを決めているということではありませんよと、従来どおり市町村の意見をよく聞いてということをやっていきますよというメッセージを出されたということではないかと私は思っていますけれどね。
○山陰中央新報:であれば、そういうふうに書けばいいところを、現時点で検討を行う状況にはないと考えているって書いてあるんですよね。
○溝口知事:その報道の文言などを見て、何というか、さらに進むのではないかと思われたところもあったのかもしれませんね。私もこの教育委員会の紙は後からもらったようなことですからね。
だけど、これが何か問題になるということではないですよ。私はいつも言っていますように、それは関係する市町村の意見を、了解がなければできない話ですからね。
○山陰中央新報:ただ、松江市にとっては、知事のところに来て、市長が検討してくださいとお願いしたら、知事はもうしませんとは言ってないわけですよね、あの場では。いろいろな課題がありますけども、まあ市町村の意見を聞きますといって、いわゆるペンディング状態というような言い方をしていいと思います、している中で、翌日の朝には、県教育委員会から検討を行う状況にないっていう回答が来ると、きのうの話は何だったんだって話になると思うんですけども。
○溝口知事:ないでしょうね。
○山陰中央新報:いや、そんなことはないと思いますけども。
しかも、速水市長もいらして、これには反対ですというお話をされて、知事は、また市町村の意見をよく聞きますからといって、これもペンディングしてるんだったら、もう検討することを考えてないんであれば、速水市長に、もう検討しませんからって言えばいいところを、ちゃんとこれは県教育委員会との連携ができてないんじゃないかっていう。
○溝口知事:そこはよく、私も聞きましたけれども、検討の意味合いが違うのかもしれませんね。
○山陰中央新報:というのは。
○溝口知事:松江市は松江市として、中核市としての意見があるわけですから、それは当然持ってこられれば聞かなければいけないわけですけれども、それをどうするかというのは、やっぱり最終的には関係する市町村の意見をよく聞いて判断をせざるを得ないという問題があるわけですから、松江市さんの話を聞いて、それで決まるというわけではないですから、そう違いはないのではないですか。
○山陰中央新報:いや、それをした上で検討はしませんという答えが出るならいいのに、それもしてないのに、もう、ちょっと早過ぎるというか、手続が。
○溝口知事:早いかもしれませんね。
○山陰中央新報:はい、ちょっと。
○溝口知事:私のところへ聞いてこられればよかったけれども、新聞を見て、朝方出したと聞きましたからね、多分市町村等からも問い合わせがあったりして、誤解がないようにしたかったということではないですか。
○山陰中央新報:確認ですけど、この問題について議論をする検討組織を立ち上げる用意はあるんですか、検討組織を。
○溝口知事:国の方針ですとね、ちょっとこれ技術的な話ですが。閣議決定等を見ますと、こう書いてありますね。広域での人事調整の仕組みにも配慮した上で、中核市等に権限を移譲する方向で検討を行い、小規模市町村を含めた関係者の理解を得て結論が得られたものから順次実施をするということでして、意見は聞かなければいけないわけですよ、松江市がこうしたいということであれば。ただ、それを聞いても、最終的な段階までに至るまでの間、いつのタイミングになるかはありますが、小規模市町村を含めた関係者の理解を得なきければいけないということになりますから、その理解を得なければ変化がないんですね。その結論が得られたものから順次実施するというのが閣議決定の中に書いてあることですからね。
○山陰中央新報:関係者が集まって議論をする場を設定するのかどうかと。
○溝口知事:そういうことは今、何も考えていませんね。
○山陰中央新報:じゃあ、検討組織は設置しないということ。
○溝口知事:検討ということはいろんなやり方があるわけでして、個別に市町村の意見を聞いてやるやり方もありますし、集まってやることもありますし、いろんなやり方があるわけですけれども、そういうやり方はまだどうするかというのはしていませんが、いずれにしても、松江市は県のほうに持ってこられるということですからね、そういう意見が来れば、関係の市町村等、あるいは教育委員会等に意見を求めなければいけませんね。
○山陰中央新報:知事、県教委が回答するに当たって、事前に知事に協議はあったんですか。
○溝口知事:それはなかったわけですよ。
○山陰中央新報:なかった。その後、報告があったと思うんですけど……。
○溝口知事:その後の報告はありました。
○山陰中央新報:県教委が実際に回答したのと、それこそ松江市だったりに対する知事の発言と、整合性はとれてるっていうふうにお感じになったんですか。
○溝口知事:整合性がとれているかどうかは別として、要するに検討するという、多分教育委員会のほうでは、検討委員会のようなものをつくって検討すると思ったのかもしれませんね、かつて行ったように。
○山陰中央新報:それは県教委にこういう回答をした意図なりというのを確認をされたんですか。
○溝口知事:それはしましたよ。多分市町村等からいろんな問い合わせもあって、何かこれまでと変わった、違うことをやるということではないですよということが言いたかったのではないですか。
○山陰中央新報:今、整合性は別に……。
○溝口知事:いずれにしても、私のほうは、松江市が意見を言うのは、あるいは考え方を言うのは松江市の立場ですからね、それを、来て、受け取らないということはないですよと、わかりましたと。しかし、県としてどういう判断をするかということになると、関係市町村の意見をよく聞かなければいけない。ただ、やり方をどうするかというようなことは全然議論していないわけです。
○山陰中央新報:今、整合性は別だとおっしゃったんですけど、今の議論というか、それは整合性がとれてるかというところが今議論というか、今聞きたい話のとこなんですよ。整合性のとこについてはどうなんでしょうか。
○溝口知事:整合性というのはどこのことですか。
○山陰中央新報:だから、何回も言いますけど、県教委が回答したことと、知事が今まで発言なさったこととの整合性はとれているかどうか。
○溝口知事:誤解は招くかもしれませんね。
○山陰中央新報:その誤解を招いたのであれば……。
○溝口知事:それは県教委に言っておきましたから。
○山陰中央新報:あ、それは県教委にはもうお伝えになってる。
○溝口知事:もちろん。
検討という意味は、要するにみんなが集まって検討するような場でやるのか、あるいは意見を個別に聞くのか、いろんなやり方があるでしょう。そこら辺は何も決まっていないです。
○山陰中央新報:だから、何度も言いますけども、松江市にとって、私、この問題自体がいいか悪いかというと、結構否定的な立場で思っているんです。それはさておきですけど、手続論として、松江市が2日に要望してきたのに、3日に検討を行う状況にないという文書が来ると、知事はまだ何もやらないとも言ってないのに、何でこんな文書が来るか、多分当惑されると思うんですよ。ですから、やっぱりさっき言われたように、誤解を招くかもしれないというのはあると思うんです。実際、こういう文書を送るんだったら、今後、市町村の意見を聞いた上で判断しますので、意見をまた求めますとか言えばいいところを、これ、もう完全に何か門前払いしてるような感じで、物すごく、ちょっと手続として失礼と言ったらあれですけども、何かよろしくないなあと思って、実際、そうは。
○溝口知事:私のほうも早く教育委員会に言っておけばよかったですけれどもね。新聞の報道を見て、いろんな問い合わせがあったということではないですか。
○山陰中央新報:それはわかります。
○溝口知事:そういうことだと理解していただいたほうがいいですね。
○山陰中央新報:県教委としても、当然知事が御発言なさってるというのはわかってるわけであって、それであれば、そういう回答をするんであれば、事前に協議をした上でというのがあると思うんですけど。
○溝口知事:県教委は、私が松江市と話しているときに同席してませんからね、よくわからなかったのでしょう。
○山陰中央新報:手続として、事前に知事に協議をすべきだったっていうふうにお考えなんでしょうか。
○溝口知事:話は聞いていますよ、私も知っているから。
○山陰中央新報:いや、県教委が回答するに当たって知事にきちんと協議をすべきだった、さっき言った手続のところで瑕疵がなかったのか。
○溝口知事:してもらったほうがよかったでしょうね。ただ、察するに、たしか翌日の速水さんが早い時期に、午前中に来られたのではないですか。それで速水さんは多分そのことを知って、通常の重点要望の前にこの問題を紙にしたものを持ってこられたから、それは後からと、こういうようなことをしましたけれどもね、そういう、悪いですが、報道の表現を見て、報道ですから細かいことが記載されているわけではなくて、それで反対の、心配をしている市町村からいろんな問い合わせがあって、そこに応えたということではないですか。
○山陰中央新報:経過はわかったんですけども、それを受けて、知事は何か教育委員会に、ちょっと修正した文書を送るようにとか、何か指示されたんですか。
○溝口知事:指示はしませんが、きちんと報告してもらったほうがよかったなということは言っておきました。
○山陰中央新報:この問題については、10年前にも県教委と市町村教委で検討組織をつくって中間報告まで出しているんですね。今回はそこまではしない、もっと緩やかに個別の市町村の意見を聞いていくと、そういうスタイルをとるんですか。
○溝口知事:何も決めていないわけです。これからです。
○山陰中央新報:知事、済みません、確認ですけども、県教委が出した回答と、知事の今発言なさったお考えというのは、それは違う。
だから今、県教委、回答してるわけですよね、県教委が。知事の協議ないまま回答した分については、誤解を招くようなところがあったかもとおっしゃったんですけども、その県教委の回答した分と知事の今思ってらっしゃる考え方というのは、それは違うということでよろしいんですか。
○溝口知事:そこをどう処理するかは任せてありますけれどね。
○山陰中央新報:表現が適切だったか、ちょっと不適切だったかって。
○溝口知事:いろんな事情があるわけですから、理解はしていますから。
○山陰中央新報:ただ、誤解を招くような状況であるというのはよくないですよね。
○溝口知事:問い合わせてくれるでしょうから、当然答えるでしょう。
○山陰中央新報:そもそもこういった事態に備えて、教育委員会制度を改正しまして、教育委員会に知事も加わって教育会議が設置されて、教育委員会と知事部局との意思交流を密にするという制度ができたんですけども、今回はその委員会の制度が十分機能していないという感じがするんですね、教育委員会と知事部局との意思疎通が余りうまくいってなかったんじゃないかと。その機能の問題もちょっと。
○溝口知事:わかりませんが、いずれにしても今後どうするかというのはよく関係者と相談してやってまいります。今どういうやり方でやるということを決めているわけではありません。
○毎日新聞:知事、確認なんですけど、検討するということでいいんですね。
○溝口知事:いや、検討するというのは、非常に曖昧な言葉ですからあまり使わないほうがいいでしょう。
○山陰中央新報:一応中核市移行でやる方向で検討はするんだけども、やっぱり前提があるのでということなんで、閣議決定の……。
○溝口知事:検討というのは幅の広い文言ですからね、何でも使えるわけだから。
若干やりとりのずれがありますが、そんなに深刻な問題ではありませんので。
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