7月20日質問事項4
4.原子力発電所(追加負担・宍道断層)
○中国新聞:知事、済みません、原子力発電所の関連なんですけども、知事もよく御存じだと思うんですが、鳥取県が原子力発電所の安全対策として、中国電力から2016年に6億円の寄附を受け取っておったと。このたび、1号機の廃止措置計画の了解に関して、鳥取県はその基金がもう年度末に7,000万まで減るということで、人件費や安全対策でどんどん使っていきますから、再度追加負担ですかね、追加負担というのを求めていくということで、中電さんにはそういうふうにお伝えしたということなんですけども、島根県としては、こういう動きに対しては今どういうふうにお考えでしょうか。
○溝口知事:そこまで今考えているわけではありませんね。中国電力は、これから1号機の廃炉措置を実施していくわけですけれども、その中で使用済み燃料とか、あるいは低レベルの放射性廃棄物の取り扱いをどうするかといったような問題を詰めていかないと、どういう負担が生ずるのか、そういうことが明確になっていかないわけでして、そういうことを見きわめながら考えていくということですね。
○中国新聞:済みません、僕のちょっと聞き方が悪かったかもしれないですけど、鳥取県のもらった寄附というのは、1号機だけじゃなくて2号機や3号機も含めての話で、要は原子力発電所の災害対策、全般という目的でもらっているお金です。
○溝口知事:それは県にもありますし、それで、周辺市などにも供与するということもあります。
○中国新聞:島根県の場合は、核燃料税……。
○溝口知事:まだ今どうするということは考えていませんね。
○中国新聞:それはいいんですけど、島根県の場合は、核燃料税を県が徴収して、周辺市に配ってということをやってますよね。鳥取県の場合は、県境をまたいでそういうことができないもんで、知事も3年前、4年前に中国電力に鳥取県の平井知事が行って要請されたときにも、知事のほうからも平等に扱うべきだという……。
○溝口知事:要請をしたわけですよ。
○中国新聞:ですよね。今回それが、知事の働きかけもあって、鳥取県が過去6億円を寄附されたと。それが今残高がどんどん少なくなっているという状況で、どういうふうにお考えかということです。
○溝口知事:私も実情を知りませんので、この場でお答えできませんね。
○中国新聞:ただ、鳥取県は……。
○溝口知事:それはやはり核燃料税だとか、いろんなことも考えながら、鳥取県と中国電力の間でやるべき話でしょうね。
○中国新聞:直接の当事者は鳥取県と中国電力ということはもちろんなんですけども、過去に立地も、周辺のそういうひとしくリスクをこうむるという意味では、公平に扱うべきということで言われたので、知事も、今回もそのスタンスは変わってないということでいいんですね。
○溝口知事:変わらないですね。それは中国電力も考えながらされるでしょう。県内のほかの3市も同じ状況ですよね。
○中国新聞:はい。
鳥取県は寄附金ということで、1回ぼんともらって、それがどんどんどんどん少なくなっていくという今現状にあって、年度末にはもう早々に1億を切っちゃうという状況なので、鳥取県としては急いでほしいという、対応を急いでほしいという思いがあるとは思うんですけど。
○溝口知事:それは我々のほうから言うべき話ではないですね。
○中国新聞:じゃあ、今後何か中電さんに言っていくということは、島根県としてはないだろうと。
○溝口知事:島根県のほうでも、それは状況により、あるわけですけれども。
○中国新聞:要検討ということですかね、今後にかけて。わかりました。
○山陰中央新報:済みません、原発の関係で、震源断層、いわゆる宍道断層の評価の見直しについて、先週、公式に自治体向け説明会を開かれて、島根県の方も出席されて、あらかたの説明があって、知事も報告を恐らく受けていると思いますけども、内容を聞かれて、ちょっと科学的な話がかなりあったので、いわゆる従来の分と、今度評価するP1というような言い方してますけども、このずれの向きが違うだとか、あと、上載地層といって、古い地層の上に地層がないから、ないとか、すごい難しいいろんな話があって、ちょっと住民にはなかなか難しい、1回で終わるかなというような感じがしたんですけども、私は。報告等々を聞かれて、どう思われたか、お願いします。
○溝口知事:やはり非常に専門的な立場から評価をしなければいけないわけですね。その最後のよりどころが規制委員会なわけです。規制委員会がきちっとやるということがまずなければいけませんね。それをよく説明をする。それが県の場合は、顧問を専門家の方を指名をさせていただいて、顧問の方々の意見も聞きながら、必要があれば国に対して申し入れていきますし、中国電力にも必要な要請をするという体制であります。
○山陰中央新報:知事も一度聞いてみたいと思われませんか。すごい専門的で、これ、結局連続しているのかなとか、あと、鳥取沖との連動性はどうかという話もあって、これはないんですけども、今の主張では。本当にそうなのかとか、鳥取県側の方も今回出席されてて、延びるとさらに鳥取に近づくので、その辺もかなり心配されて、今言われた顧問の方も、鳥取の顧問の方は地震の専門学の人を新たにこうやって加えたりだとか、いろんな動きあるんですけども、何がしかの、例えば安対協とか、何か知事も直接聞く機会を設けるとか、その辺はいかがですか。
○溝口知事:それは状況を見て考えます。基本はやはり規制委員会がどういう評価をするかということです。
○山陰中央新報:今回、従来25キロと14キロは、それはセパレートしているということを中電が言ってるんですけども、ただ、断層というか、39キロになるのは変わらないわけで、過去にもなかったと言っていた宍道断層があって、距離も延びていってという、どんどん延びていくことに対して、知事はどういうふうに受けとめてらっしゃいますか。
○溝口知事:それは難しいことですね。いろんな分析方法も活用しながらやっているわけでしょうが、現実としては延びていると、状況がありますから、そういう問題を一体どう評価するかということについては、やはりいろんな人の意見も聞くということが一つ。それから、やはり最終的には、こういう問題を処理するために規制委員会というのがあるわけですから、規制委員会できちっとやってもらうということだろうと思います。
○山陰中央新報:今なぜこういうことを聞いたのかというと、なかったものがあった、どんどん延びていくというと、県民感情として、やっぱり本当にどうなんだろう、大丈夫なのかという不安感は出てくると思うので、その辺について、やっぱりきちんと、きっちりと中電なりというのは説明もしなきゃいけないだろうし、規制委も住民の不安を解消するようなきちっとした審査をしなきゃいけないと思うんですけど、その辺は、その不安感が県民にあるということも踏まえて……。
○溝口知事:それはありますね。
○山陰中央新報:ええ。
○溝口知事:そこはやはり人知の限界というのもあるでしょうしね。しかし、そのためには、それぞれが専門家の意見なども聞く、よく聞くということ。それから、やはり規制委員会が国として原発というものに係るいろんなリスクをきちっと評価をして、適切な対応をするように電力会社に指示をするということではないですか。
○山陰中央新報:今回延びたのが、過去にあった知見じゃなくて、去年の7月に出てきた知見、最新の、知事も前回の会見で言われたように、最新の知見というのはどんどん出てくるので、評価自体が延びること自体に対して、自治体の中からは不信感もあるという意見もあれば、新しい知見に基づいてちゃんと評価することが県民の安全だというような意見もあったり、いろいろ分かれて、隠してたわけじゃないと中電も思いますし、その辺で、ちょっと改めて聞きますけど、延びること自体には知事は疑念だとか、何かよろしくないとか、そういう認識ではないという。
○溝口知事:感情としては、どうかなと思いますけれどもね、感情としてはね。ただ、人知に限界があるのも事実でしょう。それから、やはりそういう問題をきちっと評価をし、判断をするのが規制委員会ですからね。そういうメカニズムがきちっとワークするように、国として適切な対応をする必要があるでしょうね。
○中国新聞:知事、この宍道断層の東端については、もともとの経緯としては、東側は規制委が現地調査をして、ここはオーケーでしょうと。西側は3キロ延びるときには、現地調査をして、ここでは確実にもうここから先は断層がないからオーケーでしょうとなったのが、国の地震、推本ですね、いわゆる、あそこの発表で、宍道断層は21キロプラスアルファという延び方をしてたんで、今回の中電さんの資料を見ても、それを踏まえて、25を39と評価し直すみたいな書き方をしてあるわけですよ。だから、専門家集団であるところの原子力規制委員会が一回オーケーになりかけたところが、全然別の機関の調査でちょっと長くなるんじゃないですかと言われて、それで、もろもろ話し合った結果、この経緯になったということについては、正直どう感想を持ちましたか。
○溝口知事:それはそれぞれの人たちが可能な限りの情報を活用して評価をしているわけでありまして、ただ、問題として、全てがわかるということはなかなか難しいことでしょう。
○中国新聞:それでいうと、さらに、この経緯をもっと考えてしまうと、要は今回39とまた評価されたところも、結局また延びていくんじゃないかみたいな懸念というのは、当然県民の間には出てくるかと思うんですけど、その辺はどういうふうに、そういう声に応えていかれるか。
○溝口知事:そこら辺は、そうした事情について中国電力、あるいは規制庁のほうでもよく説明をしてもらうということですね。我々も安対協を開くときには、そういう方々に来てもらって、質問に答えてもらうようになっておりますので、そういうときにいろいろ聞いていただくということも必要だろうと思います。
○中国新聞:あわせて、規制庁、規制委へのお願いとして、知事も以前、たしか新潟の立石さんでしたかね、先生が重力異常のことについて、島根半島でというのを問題指摘されたときに、すぐ東京のほうにお伝えになったじゃないですか、知事がすぐ。ちょっとそれとまた推本の話は別かもしれませんけど、規制委も当然全力を尽くしてやられるとは思うんですけど、先ほど知事もおっしゃったように、人知の限界というのもあるわけで、そのときにまた新しい知見が出てきたときに、それをどんどん規制委の審査に反映させていくということについて、もうこれまでも要望しているとは思うんですけど、可能な限りの知見を拾うように規制委にはもっとお願いされたほうがいいのかもしれません。
○溝口知事:そうですね。それから、もう一つ、やはり自然現象として、そうした震動が起こるということがある一方で、それに対して安全対策をどの程度組むかというのも、もう一つのサイドであるわけですよね。だから、その両方を見ないといけないのではないですか。その両方について、やはり規制委員会が評価して、どうするということを決める、そういうメカニズムがきちっとワークするように、我々が関係のところによく申し入れていくということですね。
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