5月11日質問事項5
5.石見銀山
○山陰中央新報:知事、済みません、ちょっと話変わるんですけど、石見銀山のことでちょっとお聞きしたいんですけど、7月から石見銀山展が予定されてまして、もう10周年を迎えるということなんですけど、これまで振り返ってみて、この石見銀山いろいろ、アクセスの問題とか、あるいはそこに行ってから歩く距離があったりとかして、高齢者の方の負担とか、いろいろ課題とかもあったと思うんですけど、この10年を振り返ってみていかがですか。まあ観光客の方もなかなか、数的には伸びてないという状況もあると思うんですけど。
○溝口知事:いろんな対応もやってまいりましたけれどもね。例えば出雲に来られると、タクシーであちらまで行けるようなルートをつくられて、民間の方もやっておられたり、ほかでもいろんな対応をしていますけれども、やはり遠いということが一つのハンディでしょうね。それから銀山自身は狭いところですから、そんなに時間を費やしてというわけにもなかなかいかないですね。それから歴史に関心のある人はいろいろ博物館を見たり展示を見たりということもありましょうが、なかなかそういう時間がない観光客も多いですからね。そういう面で、10周年記念でいろんな行事を地元でやられますので、我々もその支援をやっていこうと思っています。
○山陰中央新報:それで、今回の石見銀山展は会場が2つあって、それぞれ石見銀山と世界のつながりだったり、あるいは国内への影響だったりってテーマごとにあると思うんですけど、今回10年ということで、まあまあ今後、また続いていくと思うんですけど、今回の石見銀山展というのをどういう契機にしていきたいかという。
○溝口知事:そうですね、オペラをつくられたり、新しい取り組みも地元でなさっておられます。私も少し前に見に行きましたけれども、お店もかなりふえているような感じもしますね。私が知事になった、4月の末日になって、その1週間後ぐらいに登録延期というのが出てくるわけです、評価したイコモスからね。それで、これは困ったというので、パリにユネスコの本部があるわけですね。ユネスコが認定するわけです。そのユネスコは各政府から大使が行っていて、たまたま日本の大使は近藤さんという人で、僕がワシントンとかの、彼は外務省ですからよく知っていたわけで、彼に電話をして、ぜひ島根に来て石見銀山を見てくださいと、見ないと、ユネスコの中の委員会で最終的に決定するわけですよ。あれは勧告が出ただけであって。そういう勧告は今まではなかったようですね。大体そのまま通って。それで、容易なことではないから、ユネスコのそういう会議で決めるときに日本の大使に頑張ってもらわないといけないと思い、それで近藤さんに来てもらって、私も行かなければいけないと思っていたというので、見て、ちょっと長話になるかもしれませんけど。
それで彼は、一緒に石見銀山の間歩を見て、それから山の上から見えるんですね。山の上から見ると日本海が見えるんですよ。日本海が見えて、石見銀山までが森林がずっと続いているわけですね。それで、石見銀山のあたりも森林がたくさんある、緑だと。その当時は、10年前はやはり環境ということに大きな関心がありましてね、緑を守るということが大きな関心だった。それで彼はそれを見て、これだと思ったわけですわ。鉱山遺跡というのはチリの銅山のように赤茶けるわけですね。石見銀山はそうなっていないですよというのでやろうということで、最終的な決定する会議はニュージーランドであったんですね。そこで彼がいろんな知恵を働かせて、チリの大使がいるから、議長に、最初にあのチリの大使が発言したいと言っていたから当てなさいと。そしたらチリの大使が、自分のところにも銅山はたくさんあるけども、こんなに緑があるところというのはないというような説明をしたらしい。そういうことで石見銀山が復活する転機になったわけですね。そういう意味で、彼には大変お世話になったということです。
けれども、銀山というものはなかなか、何といいますか、難しい遺産ではありますね。ぱっと見て、ああ、こうだということがわかればよいでしょうけれどもね。その銀がどういうふうに使われたかとか、そういう歴史的な関心だとか、いろいろ関係があるわけですね。ちょっと余談をお示しした。
○中国新聞:知事、今ので関連して、地元でもいろいろやるのでって、県は支援するということなんですけども、7月なんですけども、正直言って、どれだけ石見銀山が世界遺産10年というのを県民、県外の方に周知されてるのかっていうのはちょっと、我々としてもどうなのかなという部分はあるんですけども、となると、地元というよりか、もう県がもっと前面に出てPRをしていくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○溝口知事:県も支援はしておりますけれども、いろんな協力はしていますが、その地元がやはり中心でしょうね。例えば隠岐が、これは世界遺産ではなく、ジオパーク。やはり地元が、県も隠岐に対していろんな支援はしますけども、中心はやはり隠岐ですし、日本遺産の津和野などもいろんな行事をされますけれども、我々も支援はするけれども、やるのはやはり地元。それから今度、たたら製鉄もそうですね。雲南市や奥出雲町など、関係の市町が協力してされていますが、それは関係が広いですから。今度、出雲市が世界遺産に登録されたわけですね。世界遺産ではなくて日本遺産にね。それもやはり出雲市の職員がいろんなデータをまとめて、申請書をつくってということでして、県の関与というよりも、登録が成功したのは出雲市が一生懸命やられたということだと思いますし。県として必要な支援はしてまいりますけども、中心はやはりそういう地元の市町だと思います。
○山陰放送:済みません、知事、それに関連してなんですが、知事が、まあ県がというか、県が地元が地元がということを言われるんですが、実際、情報発信をする、あるいはそれを受け取る県外の人から見ると、当該の市町村も地元なんですが、県も地元じゃないかっていうふうな見方が大半ではないかと思うんです。ただ、その地元である県が市町村に向かって地元が中心だというふうに言ってしまうと、これなかなかその中での自己矛盾といいますか、少し、ちょっと奇異に感じる部分もあるかなというふうにもとれるんですが。
○溝口知事:そんなことはないですよ。島根のいろんなPRをするときは島根県全体としてやりますからね。
○山陰放送:つまり、地元が中心と言われる場合には、アイデアを出せということなんでしょうか。それとも、もっと汗をかけということなんでしょうか。
○溝口知事:そこはそう簡単に割り切れないですね。いろんな状況にもよると思いますね。
○山陰放送:具体的に中心になれということは……。
○溝口知事:それは、やってるいうちになっていくということではないですか。
○毎日新聞:済みません、関連してなんですけど、ゴールデンウイーク期間中に、県内、全体的には割とおおむね好調だったかなと思うんですけど、やっぱり10年でも、7月で10年ですよね、石見銀山。やっぱり世界遺産センター、昨年比で29.2パー減と、ちょっと厳しい数字だったかと思うんですけど、なかなかやっぱり盛り上がりが若干見えてこないんですけど、その辺に対しての現状の受けとめというのは、知事、どうですか。
○溝口知事:石見銀山も、あの通りだけではいけないので、ちょっと小高い山の上にいろんな展示をする場所をつくったりして、そこで映像を見たり、あるいは展示を見て石見銀山が果たした役割とか世界の中でどういう役割をしたか、そういうのが見て回れるような場所をつくっていますけれども、これはたしか県と大田市、一緒ですかね。それは後で調べますが、そういう協力などはやっておりますよ。
○毎日新聞:知事もたくさん先ほど思い入れを語られてましたけど、やっぱりいまいち盛り上がってきてないというところで、何か歯がゆさみたいなところっていうのはないですかね。よさが伝わらないという、なかなかうまいこと。
○溝口知事:よさは伝わるんだけれども、いろんな事情もあるということなわけですよね。
○毎日新聞:まあ立地とか。
○溝口知事:やはりそこだけで終わるということではないわけですよね。いろんなところを見たいという人がおられるわけでしょう。それで交通の便でいうと、飛行機などで来るとかね、遠くの人は。そうすると、空港から近いところでまず見るとか、それから泊まる場所も違いますよね。ホテルの有無もありますし。それはやはり一定のハンディがあるわけですね。ハンディがあるところを県もできる限りの支援はしていくという感じですかね。
○毎日新聞:もう2カ月切ってしまいましたけど、何か秘策はありますか。
○溝口知事:いろいろやっていますよ。オペラをやるとか、いろんなことを考えてくださる。それは県の職員がやるというわけにいかないですよ。それは同郷の人たちが集まってやるという動きがあって、それに対して支援が必要な場合に支援をするとか、やはり大体そういう、そこをうまく切り分けていくというのは難しいですけれどもね。状況によるでしょうね。
○毎日新聞:済みません、私のミスリードだったら申しわけないです。そうなると、地元がいまいち盛り上がってないから支援ができないというような認識でいいんですか。そうではない。
○溝口知事:ないですね。盛り上がっている。
○中国新聞:ただ、関連してです、先ほどの話にちょっと戻りますが、地元がといって言っても、島根県大田市がPRするというよりも、島根県が、県がPRするほうが、やはり国内の他県に向かってとか海外に向かってには発信力が大きいと思うんですけども、それを地元がやる分を支援というよりか、島根県が世界遺産があります、ことし10周年ですというようなのをもっと大々的に、前面に出て打って出ないと、なかなかやっぱり、このままだと石見銀山展とオペラやって終わりなのかなという感じも思わなくもないんですけど。
○溝口知事:それは我々のほうでもやりますよ。ただ、オペラをつくってやるのはそちらの方々がやるということでしょうね。そのPRなどは、ここにさっきいろんなことを示したでしょう。それは「たたら侍」なんかを見ましても、我々のほうでいろんなPRはやっていくわけですから。
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp