2月14日質問事項02
1.平成30年度当初予算案
○山陰中央新報:済みません。山陰中央新報の高橋です。2018年度の一般会計当初予算案についてなんですけれども、3年ぶりの増額というような形になったと思うんですけれども、増額予算を組まれた理由というのをどういうふうにお考えでしょうか。
○溝口知事:県民へのサービスというのは膨大にあるわけですね。だから予算に一定の枠ができればそういうものを行っていくというのは我々の一つの仕事ですね。そういうものだと考えていただきたい。
やはりこの島根の経済発展でありますとか、産業振興でありますとか、あるいは子育てといったものにつきましては、やはり公的な支援というものが欠かせないわけでありまして、こうした課題については県の予算を通じまして県としても支援を行っていくということです。
○山陰中央新報:特に公共事業費が31億円の増額ということで、建設業者さんにも配慮されたのかなというのは感じられたんですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○溝口知事:言葉があれですが、我々は県民の方々の利便のために、おくれている道路整備を進めるとか、あるいは鉄道などもそういう一環、一部になりますけれども、それが県政の役割でありまして、その結果、事業がふえるということは事業を担う建設業者さんにも一生懸命そういう施策の展開に尽力をいただきたいということですね。そういう関係だと思います。
○山陰中央新報:先ほど大雪の話なんかもありましたけれども、除雪なんかは中山間地域では特に地元の建設業者さんが担ってらっしゃると思うんですけれども、そこら辺に対する下支えとか配慮というお気持ちもやっぱりおありということでよろしいですか。
○溝口知事:下支えというか、当然一定の費用がかかるわけですから、そういうものはきちんと対応していくということを過去からやっていると思います。
○山陰中央新報:一方で、財政調整基金とか減債基金を大きく崩されて予算組みをされてる、収入の不足の部分を基金を崩して補われた格好だと思うんですけれども、財政調整基金は積み戻して160億円に年度末されていこうということだと思うんですけれども、財政見通し、平成29年度(2017年度)から34年度(2020年度)の財政見通しでは168億円を積み戻す予定になっていて、ちょっとその見通しの部分と既にずれが出てきているような感じになっているようなところもあると思うんですが、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○溝口知事:財政調整基金というのは一定の変動等に対応するわけでありますから、一定の額を確保していくというのは必要なことですね。しかし、それは変動が年々あるわけですから、そういう状況見ながら適切な財源を確保するということも財政の拡大を行う中でやっていると考えていますね。
○山陰中央新報:山陰中央新報の尾添です。知事は常々県財政については安定化しつつあるというような見解も示してらっしゃいますけども、改めて今、県財政はどのような状況にあるというふうにお考えですか。
○溝口知事:県財政は、私が知事になったころ、相当の何といいますか、それは県のいろいろな事業を行う必要があったわけですけれども、そうした中で公債残高がふえる、余裕金が減ってくるということで、いつまでも続けられないので、まずそこを安定させるということが必要ですから、私が知事になってからはそういう方向で進んできていまして、財政の健全化は相当程度進んだということであります。
他方で経済の発展もありますし、そういうある意味、財政の健全化を進めながら県として必要な施策を展開していくという状況にはなっていると思いますね。
○山陰中央新報:知事がおっしゃる安定というのは、どういう状態を安定と言うんでしょうか。
○溝口知事:それはいろんな変動があっても崩れないといいますか、あるいは一つのところにしわ寄せが来ないといいますか、やはり安定的に財政需要とか、あるいはいろんな事業、例えば公共事業は割と変動しやすいわけですけれども、変動しやすいというか、可能な面があるわけですけれども、教育とか、いろんな子育てでありますとか、そういうものは柔軟に上げたり下げたりするよりも、安定的に施策の展開ができるということが大事なわけですね。人々もそういうものを念頭に置いて生活設計などもされていますから、そこは事業によって違いがあるだろうと思います。
○山陰中央新報:ということは県民サービスを維持しながら収支均衡を図り、不測の事態に基金とかが残ってる状態というのを、この間、県の財政課のほうはそういう状況が安定だというふうにおっしゃってた、知事も同じような認識。
○溝口知事:そういうことですね。
○山陰中央新報:あと今後なんですけど、知事もおっしゃってるように国の財政運営がどうなるかわからなかったりとか、人口減少が続いていく中でかなり県財政を取り巻く環境というのは厳しくなっていくのかなと思うんですけども、今後の県財政取り巻く環境の厳しさというのはどのように認識されてますか。
○溝口知事:国の財政も大変厳しい状況にありますね。国の場合は公債の発行ということもある程度できますし、あるいは税を通じて確保するということもできますが、国民の理解を得ないとなかなか進まない。一定の限界といいますか、枠といいますか、そういうものがありますから。そういう中で地方財政は国からの交付金だとか大きく依存しているわけでありまして、我々もそういう国の厳しい状況も念頭に置きつつ、県としてさらに安定、進めるような施策を模索していくということですね。
○山陰中央新報:知事がおっしゃったように財政運営指針に基づいて今回予算を組まれたと思うんですけども、事務事業の見直しとかスクラップ・アンド・ビルドでやってらっしゃって、それは自主財源捻出するのに効果があったと思うんですけども、さっき知事がおっしゃったような国の財政運営も含めて厳しくなる中で、さらに改革が必要なのかなと思うんですが、その辺知事はどのような認識なんでしょうか。
○溝口知事:毎年夏ぐらいから来年度どうするかということを話し合ったり、相談したりするわけですけれども、島根の予算の大きな柱としては、やはり産業を振興していくということが必要ですね。それから子育て支援を、これは長い目でやっていかなければならない。それから中山間地域とか離島とか地理的に不便な地域に対する対策も行わなければならない。そしてまた、社会インフラもまだまだ道路でありますとか、いろんな面で拡充をしなければならないことがありますから、そういうものが課題としてありますから、そういう全体の課題、歳出を要する課題と、それから歳入の確保をやはり毎年毎年チェックしながら、いろんな変動があっても耐え得るような財政基金を持つとか、そういうことをやってきておると。それは長年やってきて、そういうことを考えながら財政当局もやっておると見ております。
○山陰中央新報:今までの話というか、これまではそうだったと思うんですけど、さっき知事がおっしゃったように、これから厳しくなると思うので、今後さらなる改革ということの必要性についてはどうお考えになるのかというのをお聞きしたんですけど。
○溝口知事:来年度予算編成におきましても、そうした観点から事業を拡大するもの、削減するもの、そういうことをやっておりますね。そういうことを引き続きやっていくということが大事なことではないかと思います。
○山陰中央新報:済みません。あと事業の見直しのところで、前に会見でもお聞きしたんですけど、場合によっては知事が政治判断伴う見直しもというようなことも言及されてたと思うんですが、今回見直しの中で知事の政治判断とかもあって見直されたものがあるんでしょうか。
○溝口知事:政治判断というか、やはり縮小が可能なものを財政と関係部局が話をしながらまとめていったと思います。私が個別の問題にあれこれ言うことはそう多くはないですね。
○毎日新聞:済みません。毎日新聞の長宗です。今回の当初予算案なんですけど、キャッチフレーズというか、県民に短い言葉でわかりやすく伝えるとすると、何か知事、思いつく言葉ってありますか。
○溝口知事:島根全体がやはり中長期的に発展をしていくと、そして次世代を担う子供たちの教育の充実等々が行われるといったようなことですね。
○毎日新聞:そこを今回県民に伝えたいということ、そのための事業を盛り込みましたと。
○溝口知事:一つは、やはり事業のやや長年続いておって効果がどうかといったものを縮小して、それを必要な分野に向けるという作業をかなりやってくれてると思います。
○毎日新聞:今回なんですけど、知事の、今回、たくさん総合戦略に向けた新規事業が並んでますが、知事の中で今回新規で目玉の部分というと、何かこれだというところありますか。
○溝口知事:全体的に財政の構造を見直して、削減が可能な部分を縮小したということ、それによって必要な部分への財源の振りかえができたということですね。
○毎日新聞:わかりました。
○中国新聞:済みません。中国新聞の小林です。事務事業の見直しとかで自主財源を捻出するに当たって、知事がもういろいろ知事もチェックされたと思うんですけども、もう少しこの部分はできたなとか、今で十分事務事業の見直しが進んだとか、その辺の感想はいかがですか。
○溝口知事:個別のところまで私が指示をすることはないですね。それはやはり財政部局と関係の部局の話し合いの中でやりとりをする、こういう問題があるのではないかと、それに対して、いや、こうなんだとか、そういうやりとりをする。それで各部局の背後には利害関係者がおられるわけですね。各部局もそういう利害関係者に説明できなければいけませんよね。そういうことを通じて高低が決まってくると。それは一つのフレームワークですね。
○中国新聞:県としてはできる限りというか、できるだけもう絞るに絞ったというふうに言ってよろしいんですか。
○溝口知事:世の中も変化しますから、それに応じて見直すということも起こってくるでしょうね。あるいは国の財政がどういうことになるのかということも大きなインパクトを持つわけでしょうから、そういうものも念頭に置きながら準備をしていくということもあるでしょうね。わかりにくいかもしれませんが、そういうものを予算当局と事業部局がやりとりすることによって、もちろん情報は背後からそれぞれ来るわけでしょうけれども、やっていくと。それを全体的に私が見まして、なるほどとか、あるいはこうだとか、そういう示唆も議論の中でするということですね。
○中国新聞:だから知事としては納得できる予算だという認識でよろしいですか。
○溝口知事:納得できるというか、よくいろんなやりとりをして一定の成果を上げる予算であると。私が言うのも変ですけれども、やはり各部局と財政部局のやりとりの中でそういうのが具体的に進んできたということです。
○中国新聞:済みません。中国新聞の秋吉です。今回、総合戦略に基づく事業に約682億円計上しまして、島根県の予算の構造は知事も御承知のとおり自主財源が非常に乏しい、また歳出のほうは人件費とか公債費とか義務的な経費が非常に多いという、かなり固まった変動をする中でこれだけの額を確保したということについて、この額の持ってる意味合いですね、負担の大きさでもあると思いますし、かける姿勢の大きさだとも思うんですけど、その辺をちょっともう一回説明していただけますか。
○溝口知事:全体として見て、将来の展望も踏まえながら作成された予算だという見方を私はしています。
○中国新聞:この数字については、やっぱり歳出、本当は健全化だけ優先すれば借金返すのにいっぱい使うとかということはできると思うんですけど、これだけの額は確保するという姿勢で、どうしても負担としてはやっぱり、この682億円、地方創生・人口減少対策というのは、歳出の中では結構負担として大きいというふうに見てらっしゃる。
○溝口知事:大きいというか、必要だとは見ていますけれどもね。
○中国新聞:必要な分出すけど、それはかなりのウエートを占めてるという、歳出の中で。
○溝口知事:そうですね。
○中国新聞:あと公共事業についてなんですけれども、提供していただいた資料だと近年800億円台というところで推移してるかと思うんですが、当初でですね。これだけ多分、一定程度ボリュームを確保しなきゃいけない。島根県のインフラは決していい状況ではないということで、そういう考えだと思うんですけども、今後もやっぱりある程度のボリュームを確保していくということで、当然それはそういう、ずっとそれが続いていくというふうに考えてらっしゃるんでしょうか。
○溝口知事:予算全体とも関連をしますね。あるいはそういう中でも国の対応ですね。交付税でありますとかそういうものがどういうことになっていくのか、あるいは公共事業の国からの予算ですね。そういうものにも影響しますが、働く人がいますから、そうした事業は毎年上がったり下がったりはできないので、一定のサイズで、必要に応じたサイズでしょうけれども、やっていくということが必要だろうと考えていますね。公共事業などはやれば幾らでもあるわけですよ。その全体との状況も見ながら総合的に判断をしていくということですね。何か一つのメカニズムがあるわけではないですね。
○中国新聞:少しさかのぼれば、民主党政権のときにかなり公共事業を削減する流れがあって、あのころに比べてかなり下がった時期があったと思うんです。それに対して今は少し緩やかに持ち直してきたという、そういう多分推移だと思うんですけど。
○溝口知事:それは日本経済自身が変化しましたからね。どんどん成長を続けてきたのが停滞をするといった時代が来ましたしね。そういう変化もかつてはありましたね。だけどやはり世界全体、新興国も大きくなっておりますし、今の日韓との関係でも大分変わってきておりますわね。あるいは中国といった大きな大国がさらに大きくなるでしょうからね。そういう全体的な変化の影響を日本全体が受けるわけでありますが、今のところは大きな衝撃を日本が受けるというところまでは行っていないですよね。
アメリカのほうでは随分起こってきますから、だから通商問題なんか非常に厳しくどこの国でも対応していますね。あれも大国だからできることであって、日本などはそういう力はありませんから、やはり日本の経済力が強くなるということも必要なことですね。そういう中でインフラの整備を行っていくことも必要な面もあるということで、全体を見ながらいろいろ考えていくということではないかと思いますね。
○中国新聞:今後も一定のボリュームは確保していくと。
○溝口知事:それは一般論としてはそういうことでしょうね。
○中国新聞:わかりました。
○読売新聞:済みません。読売新聞、佐藤と申します。事業見直しについてなんですけれども、結構今回終了した、46事業でしたかね、あったと思うんですけれども、意外と今の現状に即した形で再構築する事業というのも結構見受けられて、今回必要な分とか確保した中で県債とかも今回結構ふえましたし、事業見直し今後も継続されていくと思うんですけれども、来年度予算が片づいた段階でいきなり次の事業見直しの話しするのもあれなんですけれども、今後、今回スクラップ・アンド・ビルドやった中で今度は思い切って事業を廃止してというのも、スクラップ限定というのも今後はふやしていかなきゃなんないのかなというふうにもちょっと思ったりしたんですけど、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○溝口知事:全体を見ながら、あるいは経済の状況を見ながら考えることで、一定のルールがあってやるわけではないですね。
○読売新聞:今後の……。
○溝口知事:経済状況はそう悪くないようですね、テレビの報道なんかを最近見たりしますと。まあまあの状況のようですから、そうなるとそう大きな変化はないかもしれないとも見ています。
○読売新聞:今後の経済動向なんかを見ながらまた考えていくというような。
○溝口知事:はい。
○読売新聞:わかりました。
○山陰中央新報:山陰中央新報の前田ですけども、2点ほどお伺いします。
まず第1点目は、予算に絡んで人口減少対策と総合戦略を予算に反映してから、ことし2年目にたつんですが、この2年間を通じた総合戦略の効果と費用対効果、効果があったかどうか、投じた予算に応じた効果があったかどうか。要するに総合戦略の予算を通じたBバイC、これはどう評価していらっしゃるか、その中間評価。
それからもう1点は、来年度の予算から中小企業の預託金を特別会計に移行されたんですけども、この中小企業の公的な支援ですけども、これだけ金利が下がってる状況で公的な融資のメリットというのは非常に薄くなってると。その一方で、民間の資金需要を奪っている、いえば官業による民業の圧迫、そういった弊害も出てるんですけども、やっぱり中小企業に対する制度融資をもう少しダウンサイジングしたらどうかという声もあるんですけども、そこら辺のお考えはどうでしょうか。要するに中小企業に対する政府系の金融支援が民間の貸し出しを圧迫している、いえばクラウディングアウトしてるという声もあるんですけども、これについてはどう思われますか。もう少し公的融資を縮小させる必要はないのか、そこら辺はどうお考えですか。
○溝口知事:総合戦略は、産業の振興でありますとか、あるいは子育て支援でありますとか、あるいは中山間地域・離島等に対する対応でありますとか、大きな枠組みで県としてやる方向を示しているわけでありまして、それはやはりそういう大きな枠組みについて議会の理解を得、県民の方々にも理解を得るということをしながらやらないと、それぞれ意見が違うというのではいけないので、そういう方向で進めておって、何をやっているとか、そういう説明を県民の方々あるいは議会に説明をする。それで御意見があればそれをお聞きして必要な対応をするということで、県の大きな施策を展開するのに必要な枠組みだろうと思いますし、そういう役割を果たしておると考えております。
○山陰中央新報:もう一つは公的金融の縮小ですね。
○溝口知事:それは公的金融を切るというよりも、あの枠組みがやや合理的でないといったような考えからそうするわけでありまして、中小企業の必要な資金を抑制するという考えではないですよ。技術的なところがありますから、関係部局に行って説明をしてもらったらいいと思いますね。
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