7月13日質問事項1
1.選挙
○山陰中央新報:知事、済みません、10日に投開票がありました参議院議員選挙についてお伺いします。結果、自民、公明両党が勢力を伸ばして、勝利に終わったわけですけども、全体的に見渡されて、どういった印象を、結果を見て受けられたかというのをお願いします。
○溝口知事:短くは難しい質問でありますけども、野党が協調して戦うという、今までに余りなかったような選挙戦でありまして、その行方がどうなるかということが注目をされたりしましたし、また、そうした連合に対して、与党からはいろんな批判もありましたね。そういう中では、例えば経済対策、アベノミクスについての評価の論議、あるいは社会保障の問題、あるいは財政の問題とか、あるいは憲法改正問題、いろんな課題がそれぞれあって論戦が激しくなされたわけでありますが、結果としては、与党側が大勝利と言っていいんでしょうね。
それから、合区の問題につきましては、10日の選挙速報が出た後、青木さんの報告会がありましたけども、そこで、東西300キロメートルを超える長い広い選挙区で、鳥取、島根両県の県民の方々によく自分の考えをお伝えをしたり、あるいは選挙区の方の意見を聞かれるといったような時間がなかなか十分とりにくいといったような問題意識を出されましたね。そういう意味で、やはり都道府県制というものがそれぞれあるわけですから、合区制の問題点を国会の場で議論をしなければいけないというような感想をしておられましたけども、私どもも基本的にそういう考えで、選挙の前から合区の問題は指摘しておりましたが、現実に選挙があると、短い期間であれだけの広い、そして長い行程をこなすというのは容易なことではないし、そういう合区制度の問題点が現実に、一つの側面でありますけども、わかってきたわけでありまして、やはり国会の場でこの問題をよく議論をして対応すべきではないかというふうに考えます。
それから、与党が引き続き政権を担うわけでありますが、多くの課題があるわけであります。先ほど申し上げましたような、経済の立て直し、あるいは社会保障制度、あるいは世界的な不安定な市場の動向、そういうものに直面をしているわけでありますから、政府としてこれから年末に向けて経済対策、あるいは予算編成の過程などで、きちっとした対応をとっていただきたいというふうに思います。とりあえずそんな感想ですね。
○山陰中央新報:今幾つか触れられましたが、まず、合区の問題についてなんですが、投票率で見ると、前回の3年前、島根県だけで見ると若干上がってまして、ただ、鳥取県、自民党の候補が出せなかったということで下がりまして、過去最低になったということ。それから、無効票で、これもまた一定程度ありまして、中には記載で、合区反対とか、そういった意思を表示するような文章もあったということで、今、知事がおっしゃったように、やっぱり前々から合区は問題があるだろうとは言ってきたわけですけども、実際にそういったことを踏まえると、県民感情としてもある程度反対する意見が多かったというのは、やっぱり明らかになったというふうに思われるんでしょうか。
○溝口知事:ええ、私はそう思いますが、これまで最高裁は、1人当たり、議席に対する人口を一つの指標としまして、それが過度に進むと憲法違反だという判例を出してこられておられるわけでして、そういうものに対して、どういうふうに対応するかということが残っておるわけでありまして、政府におかれて適切な対応をされることを望むものであります。
○山陰中央新報:自民党等は、憲法改正も含めて公選法等々、手段は幾つかありますけども、かねて知事は公選法でということですけど、これは変わらずですね。
○溝口知事:変わりませんね。
○山陰中央新報:その案を持って、全国知事会等でも今後またいろんな議論がなると思いますけども、知事はそれを。
○溝口知事:いろんな場で必要に応じて言ってまいりますけれどもね。
○山陰中央新報:それから、公示中に、島根県でいうと、隠岐に候補が入らなかったりだとか、知事も先ほどおっしゃったように、明らかと候補者と触れ合う機会というのがかなり減ったように感じるんですが、そういう意味では、やっぱり合区というのが投票する有権者にとっても弊害になっているというふうに認識を持つんですが、それはどうですか。
○溝口知事:ですね。それは、合区選挙自身の問題でありますけども、その前の段階として、いろんな地方の行政がやはり現実の問題として都道府県単位で行われるわけですね。いろんな、それは法律の定めによって、県ごとにこういう計画をつくりなさいとか、そういうことが現実にあるわけですから、それを踏まえた、やはり選挙制度というのが必要なんじゃないかというのが私の基礎にある考えですね。それで、それに加えて、今回のように広い選挙区になりますと、候補者と選挙民の方々がお互いに話し、聞き合う時間がなかなかとれないといった問題が明らかになったと、こういうことでしょう。
○山陰中央新報:それから、いろんな課題、先ほど後段でおっしゃった経済とか社会保障の充実等々ありますが、一つ、今クローズアップされているのが憲法改正でして、これから明言はされてませんが、自民党等も憲法改正の発議ができる、今、環境になったということで、国民的議論がまた出てくると思いますが、憲法改正について、知事はどういったお考えをまずお持ちかということを、余りお聞きしたことがないので、お願いします。
○溝口知事:私自身は、憲法改正、余り言ったことがないですけども、政府・与党の中には憲法改正という考えはありますね。選挙でどういうふうに、選挙では論議が余りなかったように思いますけども、やはり憲法というのは、国民の権利・義務でありますとか、いろいろな最も基礎的な法の枠組みでありますから、やはり国民によく理解をされるよう進めることが必要だと。そのために、衆参両院に憲法審査会といいましたかね、があるわけでありまして、その場でいろんな議論をする。また、憲法審査会も国民の声を聞く場があるわけでありますから、そういうことを通じながら、やはり理解を得ていく努力が必要だろうというふうに思います。
○日本経済新聞:今の関係で、経済政策についても触れられましたので、ちょっと伺いたいんですけれども、今回アベノミクスへの評価ということも含めて、もう一つは消費税の延期ということを国民に問うということもあったと思うんですね。それで、結果を見れば、当然それは支持されたということだと思うんですけれども、特に島根、鳥取、高齢化が進んでいますし、財政的に、社会福祉の面で消費税上げなくて大丈夫かという声もあると思うんですけれども、それについては今の状況で何か御意見はありますでしょうか。
○溝口知事:全体として見ますと、国、地方とも、いろんな施策の展開が債務という形で財源を調達をすると。国債残高、あるいは地方債残高が膨らんで、そういう負債の額が大きくなっているわけですね。これをずっと続けるわけにはいかないわけでして、それが今とまる状況にないわけですね。やはり長期的にそういうものが健全な姿になるようにしなければいけないだろうと。これは誰も同じだろうと思いますけどもね。ただ、景気の動向によって若干変動すると。消費税の引き上げの延期もそういう観点からなされる面もあるわけですけども、ずっとやめるわけにはいかないわけですね。結局、国民全体で負担するほかないわけです。国債、あるいは地方債であっても、結局最後は国民が負担するわけですから、やはりこれも国民の皆さんによくわかるような説明を政府としてやらなきゃいかんでしょうね。そういう長期展望をやはり、長期の枠組みと申しますか、考え方といいますか、そういうものをやはり確立する努力をしないといけませんね。
○山陰中央新報:済みません、先ほどの憲法の話なんですが、知事御自身は、9条とか条項は別として、加憲なのか、改正なのかも含めてですけども、変えないといけない部分はあるとお思いなのか、そのあたりはいかがですか。
○溝口知事:子細に見たわけじゃありませんから、わかりませんが。
○山陰中央新報:いずれにせよ、幾つか……。
○溝口知事:憲法改正を行うとしたら、憲法改正しないといけないということが明確にわかるようにしなきゃいかんということでしょう。それが必ずしも明快になってないという、いろいろな意見がばらばらになっているということじゃないでしょうかね。だから、やはりそこは衆参両院の憲法審査会なりでいろんな議論をしながらやっていく必要があるんじゃないでしょうか。
○山陰中央新報:済みません、また選挙の話に戻って申しわけないんですが、今回の選挙から変わったのは合区と、また別で18歳、19歳というのが新しい有権者に加わって、まだサンプル数は少ないんですけども、一定の数字が出てまして、島根、鳥取でも40%台ということで、これが多かったのか、少なかったというのをどう思われるのか。少なかったなら、なぜこういったことが起きたのか。実際にやっぱり大学等に行くと、住民票を移さなかったりして、不在者投票はできるんですけど、それをやらなかったら下がったりするんですけども、今の印象についてお願いします。
○溝口知事:数字の上から見ますと、18、19歳の世代の投票率と、これまでの20代前半の投票率は、そう大きくは違わなかったというようなことですね。それが一つです。若い人全体の動きと余り変わらなかったという印象ですね。
○山陰中央新報:もうちょっと多かったらよかったとか、そのあたりは。
○溝口知事:それは、多いほうがいいだろうと思いますけども、これから努力をする必要がありますね。
○山陰中央新報:啓発等をもうちょっと強めたほうがいいのかとか、そのあたりはいかがですか。
○溝口知事:それもあるでしょうね。
○山陰中央新報:実際に今回、そういった初めて10代が有権者になるということで、各候補者もなかなか悩んでいて、実際にこれで国政選挙がスタートして、1回あったわけで、今度地方選等々になるということで、もちろんこれから議員さんの選挙等々もありますし、次の知事選等でも話が出てきて、知事が次の知事選に出られるかどうかはちょっとわかりませんが、知事自身もそういう必要性がまた出てくる可能性がなきにしもあらずなんですが、知事は18歳、19歳にどういうアプローチをされたり、関心を持ってもらうための、県政施策もそうなんですが、お考えかというのは、今回一つお聞きしたいんですが。
○溝口知事:私自身のこととは別にして、選挙権を有する人たちに情報を提供するということが必要ですね、行政の側からも、それから、議員さん方もそうでしょうね。いろんな集会を開くときに案内をするとか。それから、そういう若い人、18、19歳の方を含め、若い人たちにそういう場に出ていただくようないろんな工夫をやはりやっていかなければいけないだろうというふうに思います。
○山陰中央新報:今回、18歳、19歳の投票数で約2万5,000、島根と鳥取でふえたということなんですけれども、全体としての総投票数というのは、前回とほぼ変わっていないという、そういった状態について、どのようにお考えですか。
○溝口知事:島根県全体の。
○山陰中央新報:ええ、島根、鳥取両県で、合区で計算したときに全体としての総投票数と変わっていないという現状については、なかなか20歳以上の方の投票というのが、その分ふえてないということ。
○溝口知事:人口全体によって動きますけども……。
○山陰中央新報:そうですね。
○溝口知事:投票率の方は、そう短期間は大きくは変わりにくいということでしょうね。
○時事通信:済みません、合区の話に戻るんですけれども、今回の選挙で、鳥取県だけ比例で候補者を出すということで、竹内功さん、立候補されたんですけれども、落選してしまいまして、47都道府県の中で鳥取だけ今回代表者が出なくなったんですね。そのことについて、どう思われてるかというのと、あと、合区の救済策ですよね、自民党が比例で候補者を立てて、各郵政とか農協の票を回しますよというふうに救済策を立てたんですけれども、それが機能しなかったんじゃないかと見られているんですけれども、そのことに関しては何か考えはあるんでしょうか。
○溝口知事:ちょっとコメントはできませんね。
○時事通信:鳥取から国会議員が一人も出なかったことに関しては。
○溝口知事:合区制度をとると、そういう可能性があるということでしょうね。
○時事通信:3年後までに、制度が変われば解消されるかもしれないんですけど、それがうまくいかなかったら、3年後の参議院選挙もまた合区でやるということになりかねないんですけれども、3年後の参議院選挙は、もう絶対合区を解消してくれと、これは強く求めていく考えでしょうか。
○溝口知事:そこの話は、合区をとる以上、そういうことが起こり得るわけですね。だから、それは合区の問題なんですね。それで、要するに合区としては、鳥取、島根を青木さんが代表するということですよね。そういう制度なわけですね。比例の話は、また別の話だろうと思いますね。ただ、関係はしますよ。法的にはそういう法の仕組みになっているということですよ。
○山陰中央新報:今のお話で、これまでは青木さんは島根の代表として、島根のいろんな事情をよくわかって、一つの体で島根のことを見られてきたわけですけども、今回、おっしゃったように、両県の代表になられるということで、ただ、体は一つなわけで、そうすると、やっぱり隅々まで見れるか、御本人もたしか知事が出席されてた当選報告会のときに、民意が本当に反映できるのかというこの制度自体について疑問を持ったまま当選しましたということをおっしゃったんですけども、そうすると、やっぱり鳥取のほうの話も聞いたりするとなると、島根のある部分が手薄になったりだとか、いろんな弊害が出てきかねないんですけど、そのあたりの危惧はお持ちなんでしょうか。
○溝口知事:それはやはり両県を代表してやられるということでしょう。ただ、私なんかが前から言ってたのは、両県で意見が違う場合は、一人の代表が2つの意見を代表するわけにいかないという問題があるというのは、合区の問題だということを私は言ってきておりますけどね。
○中国新聞:知事、済みません、その合区の解消についてなんですけれども、恐らく島根、鳥取県と、あるいは今回合区、もう一つの徳島、高知県以外の多くの有権者というのは、多分余り自分のところのことではないので、合区に対して我々のような切迫感というのがなくて、多分多く関心がない状況もあると思うんですけど、そうした中で、やっぱり合区を解消するためには、日本国全体を巻き込んだ議論というのが必要だと思うんですけども、その辺についてのお考えは。
○溝口知事:そこら辺は、国会でもそういう主張をされますからね。私どもも知事会などでそういう主張は今までやってきておりますから、引き続きやってまいります。
○中国新聞:それで、今回、3分の2ということで憲法改正がある程度現実味を持ってきて、その中で自民党なんかは非常事態条項ですか、こうしたものを一つの取っかかりにして憲法改正の議論をしたいということもあるようなんですが、非常事態条項って結構反対する声も多いので、参議院のあり方というのを一つ憲法改正の中で議論してほしいなと、そういうあたりのお考えというのはありますか。
○溝口知事:そこはやはり衆参の憲法審査会でいろんな論議をするということが必要だろうと思いますね。
○中国新聞:今度、青木さんも国会議員、また再選されて、そのお立場に戻られて、国会で働いていかれると思いますので、青木さんや県選出の国会議員を通じて、そういう憲法審査会だとか、そういう場に県の主張が反映されるように働きかけていくということはされていきますか。
○溝口知事:それはやりますね。
○中国新聞:行く行くは、日本国民がひとしく合区は問題だという意識を共有してもらうと、そういう方向になっていけばいいということですね。
○溝口知事:いいですし、それは公選法の改正もありますしね。どういうやり方がいいかということをよく考えてやる必要がありますね。
○中国新聞:わかりました。
○山陰中央新報:済みません、18歳選挙権の話にちょっと戻るんですが、先ほどもお話があって、今回県としても啓発活動だったりとか、これは県教委かもしれないですけど、主権者教育とか、いろいろ取り組みをされてきたと思うんですけど、今回それで抽出調査で数字も出てて、今振り返ってみて、どういったところが課題だったかとか、今後に向けて具体的にどういう取り組みが必要かとか、そういうのがあればお願いします。
○溝口知事:やはり学生の方々に我々の立場から、あるいは学内でありますとか、あるいは議員の方々、いろんな接触をふやしていくということが大事でしょうし、それから、いろんなインフォメーションが伝わるようにしていくということでしょうね。
○山陰中央新報:やっぱり今回合区だったというのもあって、余計難しい面があったということですか。
○溝口知事:学校のほうは、そこでやるということは余りありませんからね。
○山陰中央新報:候補者の顔が見えないとか、そういった面では。
○溝口知事:合区全体の問題ですね。
○中国新聞:いいですか。
先ほどの話にもちょっとあったんですけど、鳥取だけ参院選で代表がいなくなって、きのう、平井知事もそのことについて会見で触れたりしていたんですけども、山陰で見ると、やっぱり島根と鳥取で協力して何か施策を進めていくとか、国に要望したりとかいうことは、随分今からもふえてくると思うんですが、そうすると、青木さんだけしかいないということになると、数は力ではないんですが、声がちょっとやっぱり1人より2人、2人より3人というふうに国会議員がいらっしゃったほうが声が届きやすいと思うんですが、その点についてはどうお考えですか。
○溝口知事:それはやはり合区という問題の一つですね。要するに意見が違うような場合に、1人だと代表できないという問題があるわけですね。そういう程度の問題もありますけれども。だから、法改正をするなり憲法改正するなりということになると、合区そのものについての論議でやるほかないですね。
○中国新聞:あともう1点伺ってもいいですか。
それと、合区で徳島、高知、鳥取と、いずれも投票率は下がって、無効票なんかも多かったんですけども、どう見ていいのか。島根は投票率が前回より上がり、無効票も前回より少なくなりというような、この合区の中では唯一ちょっと違った傾向が出たような気がするんですけども、これは知事はどう見られておられますか。
○溝口知事:県民の方々も、そういう合区ですから、やっぱり一生懸命応援したいという気持ちも背後にあるだろうというふうに思いますね。
○中国新聞:反作用になったということですね。反作用が働いたということですか。
○溝口知事:いやいや、そこら辺は想像ですから何とも言えませんけども。やはり野党のほうも一体となって選挙戦やってるわけですから、いろいろの中で、青木さんを支持する人たちも青木さんの支持を強化をするというか、そういうことはきっと起こってるだろうなというふうに想像はしますけどね。
○中国新聞:済みません、先ほど合区の問題として、2県を一人で代表すると、それぞれの県で意見が異なったときに困りますという話で、過去に島根、鳥取県、何か中海の県境問題とかあった時期もありましたけども、今のところ、青木さんが両県を代表する上で、そういった現実的な懸念というのはないというふうに。
○溝口知事:今当座の問題としてはないと思いますね。
○中国新聞:ただ、例えば長崎県と佐賀県とかだったら、諫早湾の水門をあけるか閉めるかで現実的に対立してたりとかするんですけど、そういうこと考えて……。
○溝口知事:そういう具体的な問題はないと思います。
○中国新聞:ただ、懸念としては、合区をすると、一般論としては、そういう問題はあり得ると。
○溝口知事:あり得ると思ってます。
○山陰中央新報:済みません、今回の開票で、奥出雲の選管が非常に開票に時間が滞ったというところがありますが、そのあたりの受けとめと今後の再発防止策について、選管を取りまとめる県としてはどのように受けとめておられるのかというところを教えてください。
○溝口知事:そこはやはり選管に判断していただく必要がありますね、私よりも。
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