6月29日質問事項1
1.原発
○山陰中央新報:知事、済みません、今日、松江市の松浦市長が記者会見されまして、使用済み核燃料税の導入する意向を示されたんですけれども、具体的な話というのはこれから詰めるんですが、これについて、知事、どのように受けとめられてますでしょうか。
○溝口知事:前からそうした構想は言っておられましたけども、どういうことでやられるかというところまでは聞いてませんでした。今回お話しになったことを聞きますと、使用済み核燃料については、再処理施設の運転開始により搬出が可能となった段階で速やかに搬出する必要があるので、その搬出を促進するため、使用済み核燃料の課税等の取り組みについて協力してもらいたいと、中電にそういう要望されるようですね。私もまだ詳細は聞いてませんので、これからということです。
○山陰中央新報:市のほうからは、県に対して何かそうした……。
○溝口知事:そういう要望、要請事項を入れるという話は事務方は聞いてたようですね。
○山陰中央新報:それはいつの段階ですか。
○溝口知事:最近のことじゃないですか。
○山陰中央新報:最近というのは、この1週間とか。
○溝口知事:そうじゃないかと思いますけどね。詳細は聞いてません。
○山陰中央新報:それで、市長としては、追い出し税という目的だということなんですけれども、これまで3月に知事が言っておられた中で、防災対策というところもお金が必要だということも言っておられるんですけれども、この辺で目的のところが市と県で若干違っている部分あるんですが。
○溝口知事:今回の要請事項を見ると、再処理施設の運転開始により搬出が可能となった段階で早く搬出するということなんで、多分六ヶ所村の施設が動き始めると、これは持ち出せるわけですね。そういうことじゃないですか。
○山陰中央新報:あと、市が徴収するということになると、逆に今やっておられる、県が核燃料税のように徴収をして、各市、関係市に分配してというものとまたちょっと違ってですね……。
○溝口知事:どういうことで課税するかどうかは別として、中電がこの負担をするということになりますからね。調整が必要なことになれば、調整をしていくということですが、市町村が課税することについて県が関与することはありませんね。
○山陰中央新報:先ほど言われた必要な調整というのは、それは具体的にどういったような調整ですか。
○溝口知事:周辺市を含めてですね。だから、まだ具体的なことは何もわかってませんから、余りわかってないことを言っても、推測で言ってもいけませんから、詳細といいますか、具体的なことは答えられません。
○山陰中央新報:済みません、市が徴収すると、なかなか分配できないというところで、周辺の市から、やっぱりリスクというところもあるわけなので、懸念の声というのも出るんじゃないかと思うんですが。
○溝口知事:そういうことはいろいろ考えられますけども、まだ内容がわかりませんから、今の段階で余りいろいろ言って誤解を生んでもいけませんからね。
○中国新聞:済みません、じゃあ、関連で。
使用済み核燃料の課税については、結構前から松江市長がしたいという表明をされてから、いろいろ、ちょっと時間はたってるんですけども、この間の県庁の動きでは、その使用済み核燃料の課税というのは、例えば知事の知る限りで、部長の会議で議題になったりとか、そういう検討段階まで行ったことというのはないんですか。
○溝口知事:まだまだですね、これからですね。
○中国新聞:所管は多分総務部だと思うんですけども、総務部内で勉強なり検討なりというのをしてる段階という感じですか。
○溝口知事:あるいは他県の状況をよく見るとか、いろんなことを参考にして、これから決め、考えるのであって、今どうこうということはありませんね。
○中国新聞:ちょっと先ほどの質問ともかぶります……。
○溝口知事:県は既に出力割ということで、課税をしてきた分ですね。
○中国新聞:それまで徴収をしてきた核燃料税というのは、県がしてきた徴収のシステムがありますよね、分配して。その松江市さんが今度やろうとしているのは、仮に市で独自にやるということであれば、核燃料税という同じ税をめぐって2つの体系で取るということになるので、そこら辺がうまくかみ合うのかとか、整合するのかという。
○溝口知事:いろいろあり得ますが、現段階で具体的なことがはっきりしてませんからね。それから、私どももどう対応したらいいのか、あるいは周辺市にも配慮しなきゃいかんですし、もう少し状況が明らかになっていく段階から、必要があれば相談をしていくということですね。
○中国新聞:じゃあ、現状松江市さんの担当部署とお話を聞いたりというのは。
○溝口知事:そこまでまだ行ってないと思います。話は聞いてますけどね。
○中国新聞:松江市の中でもうちょっと検討が具体的に進んでからということですね。
○溝口知事:そういうことも含めて、今の段階で、あんまり曖昧なことに対して曖昧な答えをしてもいけませんから、松江市の動向を見たり、あるいは相談があればこちらが対応するとかね、そういうことをやっていきましょうということです。
○山陰中央新報:済みません、知事、周辺にも配慮しないといけないというふうに先ほど言われたんですけど、なぜ配慮しないといけないかというところの理由をお伺いしたい。
○溝口知事:そういう出力割とか、稼働してなくても課税するというのは、核燃料があることによって、いろんな管理をするとか、チェックをするとか、いろんな経費もかかるわけですから、そういうことに対して一定の財源を電力会社からいただくということは、合理的といいますか、そういうことですね。本来というか、国がやるやり方だってあると思いますけどもね。国が徴収して、立地市だけじゃなくて、周辺市まで交付金を出すというようなことになればでしょうが、なかなか全国的なそういうやり方は難しいですよね。
○毎日新聞:済みません、福井県が使用済み核燃料税について決めたときにもここで議題になったと思うんですけども、県としては、使用済み核燃料税、市が方針示されましたが、現時点で条例を制定するというお考えはないんですか、今の段階では。
○溝口知事:今それをするという計画はないですね。
○毎日新聞:計画はないと。
これに関しては、いろいろ話があって、県が取っちゃうと、結局追い出し税という話じゃなくて、結局お金を分配する話、お金の話になってしまうということがありましたけど、改めてそのあたりについては、知事、どうお考えですか。
○溝口知事:この原発が存在することによって、例えば住民の避難の訓練をするとか、あるいはPRをするとか、一定の費用がかかってきますね。それは県だけじゃなくて、立地市、それから周辺市町などもそういうことをしなきゃいけませんね。鳥取のほうもそういう問題がありますから、関与する人たちが多いわけですから、そこら辺の意見などもよく聞きながらやっていかなければいけないだろうというふうに思いますから、曖昧なことを今の段階で言うのは適当でないということです。
○毎日新聞:じゃあ、県としては、今後も他県の事例も含めて研究していってどうするか判断すると。
○溝口知事:はい。
○山陰中央新報:周辺市からすると、市だけが徴収して、分配されないということに対して懸念というのもあると思うんですが、それを踏まえて、知事として県……。
○溝口知事:今言ったこと以上のことはないですね。今申し上げたようなこと以外にはありません。
○山陰中央新報:県として独自に分配する仕組みというところも、使用済み核燃料税として、そうしたことも選択肢としてはあり得るということですか。
○溝口知事:それは今、出力割や何かで課税しているやつも周辺市にも行くようにしてるわけですね。だから、使用済み核燃料をどうするかという話についても、そういう観点からどうするかということは、課題としてはあるでしょうが、今の段階ではっきりしませんから、余り曖昧なことは言いませんということです。
○中国新聞:せっかくなので、原発の関連で、この間、参議院選挙が今選挙期間でやってますけども、以前に比べて原発に関する論戦が少ないように感じられて、というのも、各報道機関の調査なんかでも、原発やエネルギー問題を重要な争点であると考える人は、地方創生であるとか、子育て支援であるとかという課題に比べると少ないようなことが報じられてますけども、原発の再稼働の是非はともかくとして、原発の防災対策を進めている県としては、こういう議論がちょっと低調な状況というのは、余りよくはないかなというふうに思うんですが、その辺について知事はどう考えてらっしゃいますか。
○溝口知事:コメントはありませんね。それは、人々の持ってる関心が時と状況によって変わりますからね。今はやはり経済全体がどうなるかとか、あるいは世界経済がどうなるかとか、そういったようなところに強い関心が向かっているわけでしょ。だから、それは物事というのは、そういう状況の変化によって関心は移りますね。
○中国新聞:それでも、知事が常々言っておられるように、立地市と周辺市との意見調整のメカニズムであるとか、そういったことはなかなか国民的な議論が交わされないと、国もなかなか動き出さないと思うので。
○溝口知事:国は余り動かないんですね。国が動かないから県がやってるということですよ。
○中国新聞:それを……。
○溝口知事:だから、国のほうで交付金を周辺市まで手当てするというようなことになれば、それはそれで一つの解決でしょうけど、ないですよね。大変だという状況が違うということでしょう。
○中国新聞:その後押しになる国民の議論というのがなかなかないと、県としてもなかなか望ましい方向に行かないのかなという気もして。
○溝口知事:それから、経緯がありますからね、国の関与とか。
○日本経済新聞:知事、今週の金曜日に、原子力安全協定に基づいて、中国電力に対して廃止措置計画の了承をするということで、清水社長がいらっしゃいます。我々がこれまでお聞きしているのは、県としては了承するけれども、周辺自治体の声も聞いてということだったんですけども、今の段階で、もう既に周辺自治体は皆さん了承したというふうに理解してよろしいわけですね。
○溝口知事:はい。
○日本経済新聞:それを踏まえて、金曜日、改めてどういうふうな形で了承するかということをお話しいただけますか。
○溝口知事:県自身も中電に対して、了承はしますが、こういうことに注意をしてくださいという項目はあるわけですね。それは中電によく伝えますし、それから規制委員会の関連の分は規制委員会、あるいは内閣府が関係する部分もありますし、それから経産省もありますね。我々がそういうことをやりますというのは周辺市に言ってありますし、鳥取県にも言ってありますから、そういうのを踏まえて、周辺市から来てますが、大体要請することはほとんど変わりありませんね。周辺市から県に来ておるものとしては、立地自治体と同じように、いろんな面で取り扱ってほしいというのは前からありましたね。それは県に来てますが、これは前から申し上げていますように、意見が違ったときに立地市なりとどういう調整をするかというメカニズムが合意できない、あるいはできないと機能しないわけですから、そこは国が調整すべきではないかと、国が考えるべきではないかということを言ってますが、国はなかなか容易なことではないということもあるのでしょう、やりませんね。引き続き国に要請をしていくということです。
○日本経済新聞:そうしますと、我々が要するに申し入れの中身で見たのは、県議会のときにペーパーで配られましたですね。受け入れるんだけれども、これこれこういうこと。例えば燃料の搬出を適切にやるとかですね。それ以降、周辺自治体からはやっぱり安全協定を立地自治体並みにって出てるんですか。
○溝口知事:それは、我々に対する要望ですから、国に対する要望じゃないですよね。
○日本経済新聞:それは、だから、県に対してはそういう要請があったわけですね。
○溝口知事:はい。
○日本経済新聞:ただ、それに対して、県としては、それが国がやるべきだというふうに……。
○溝口知事:それは我々も努力をしますが、なかなかそこは進みませんねということはあるわけです。あるいは中電に対して、出雲市からは一定の要請が出てるようですね。
○日本経済新聞:そうすると、我々が拝見したものから周辺自治体の声によって追加されるものとか、特にそう大きな変化はないというふうに考えて……。
○溝口知事:そういうことですね。
○日本経済新聞:はい。ありがとうございます。
○日本海テレビ:済みません、核燃料税の話に戻るんですけれども、先ほど市の課税に県が関与することはないとおっしゃられてましたけども、県も課税されてて、幾らぐらいが適正価格かとか、そういった話も市とされることはないんですか。
○溝口知事:はい。
○日本海テレビ:核燃料、使用済み燃料の1本幾ら課税する、幾らが適正かとか、そういったことも市と話されたりとか、そういうことはないんですか。
○溝口知事:県のほうもいろんな形で、結局中国電力に課税してますから、そういう関係で無関係じゃないということはありますよ。ただ、市町村がやられる税制について、県が関与するのは法律上ないということです。
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