5月11日質問事項1
1落石事故
○山陰中央新報:知事、関連の落石事故に関してですが、今、道路管理者としての発言をされたわけですけども、当該の箇所、過去に対策をされていて、パトロールもした上で、ちょっと不運な事故が発生したわけですけども、改めてこういった事故の防止に向けてどういったことが必要だというふうにお考えでしょうか。
○溝口知事:県内、落石の可能性のある場所はある程度わかっているわけですね。しかし、数が多いわけですから一挙にはできませんけども、落石をパトロールによってチェックをしておったりしますから、それによって早くやるところ、後になるところなども勘案しながら、効果的な対策を打っていくということが大事ですし、それからやはり専門家の方々に、パトロール以外にどういう対応をしたらいいのか、よく話をお聞きし、ほかの地域でも同じようなこともあるでしょうから、国交省にもよく相談をして、実効あると申しますか、どういう手順でやっていくのがいいのか、委員会を設置をしてよく検討をして、それに基づいて対応していくということが大事だというふうに考えております。
○山陰中央新報:対策が必要な箇所は数が多くて一挙にできないというお話があって、現在県が進めてらっしゃるのは緊急輸送道路とか、優先順位をつけてやってらっしゃるということで、そういう話はあるんですが、一方で財源が限られていて、土木関連ですと道路整備とかもしないといけないということの中で、こちらの対策もしないといけないという、限られた財布の中で取捨選択しないといけないということがあるんですが、こういった事故を受けて、その予算配分とかについてのお考えというのはいかがでしょうか。
○溝口知事:やはりこうした重大な事故が起こっていますから、予算措置としてもこういう分野に力を入れていくということは当然必要なことだというふうに考えています。
○山陰中央新報:例えばめり張りということでなってくると、もうちょっと今の額から何割ぐらい上乗せしないといけないとか、そういったことは今後の検討材料になるんでしょうか。
○溝口知事:それはやはり委員会をつくって検討しますから、そういう専門家の方々の御意見などもお聞きしながら対応していくということではないかと思います。
○山陰中央新報:重ねてになりますが、そうすると、こちらにウエートを若干かけていくと、ほかの事業をスクラップしないといけないとか、そういったことも出てくる可能性があるんですが、そのあたりはいかがですか。
○溝口知事:それは全体の中でできる限りのことを、それぞれの分野であるわけですから、その全体を見渡して、適切な対応をしていくと。どういう、基準があったりするわけじゃありません。
○山陰中央新報:今、予算の話をしたんですけども、今度、パトロールしたりする人員の話なんですが、今、パトロールは実際、車の中から目視して、上のほうまで行かずに見てるって、これも限りがある中でできることをやってらっしゃると思うんですが、ただ、人員自体が、県の職員さんも減ってる中で、このあたり、どうやってクリアするかってなると、新しいまた民の力というか、住民含めた話とか業者さん含めた通報体制とか、改めてそういったお考えはいかがですか。
○溝口知事:全国的にもこういう問題はあるわけですから、いろんなところの事情もよくお聞きしたり、全体的には国交省の所管部局がありますから、そちらともよく相談をし、意見を聞きながら対応していくと。今、具体的にこういうことでこうするというところまで詰める段階にはありません。
○山陰中央新報:あと、事故発生が大型連休中ということで、5月の4日ですが、その後、6日には平日が訪れて県も記者会見をされたわけですけども、知事とか関係の職員さんとか部局長さんは、発生からどういった対応をされてたかというのをちょっと、知事を含めて教えてください。
○溝口知事:私のところに連絡はずっときてましたし、部長は出かけておりましたけども、すぐ戻ってきて対応しています。それから、そういう会議を、委員会を設けるとか、あるいは国交省の連携、連絡とかも休み中ですけどもやって、それから国交省の専門官も既に1回来られて見ておられると。熊本から来られたようですけれども、そういう体制はひいておるということです。
○山陰中央新報:あと、改めて土木部長さん初め、結果責任のところで、経過観察がちょっと不十分でということが、今後のこれは検討課題ですけども、今回、知事も冒頭で重大な事故を道路管理者として重く受けとめていると話がありましたが、今回の事故に対する責任というか、そのあたりはやはり結果的には普通に使っている方がそこで事故に遭ってしまったので、それなりの県の責任があるとか、瑕疵というか、そのあたりはどういったお考えでしょうか。
○溝口知事:どういう手順でどういうふうにしたらいいのか、いろんな制約のある中で、やはり専門家の意見を聞く、あるいは各地で行われている状況などを調査をする、そういうものを参考にして考えていくということですね。
○山陰中央新報:できることには、もちろん予算と人手、本当に限りがあって、リスクをゼロにするということは恐らく難しい、できないとは思うんですが、そのあたりをどうやってゼロに近づけていくかということが大事だと思いますが、そのあたりはどう思いますか。
○溝口知事:そういうためにやはり現場を見たり、専門家の指示を仰いだり、そういうことをやっていくということですね。
○山陰中央新報:知事、専門家の委員会ですけども、いつに開くっていうのはもう決まってるんでしょうか。
○溝口知事:時期は、具体的にはまだ決まっていませんが、早くやるということでは了解をしてもらっていますね。
○山陰中央新報:もう今週も半ばになっていますけど、今週中なのか、それとも来週になりそうなのか、その辺は。
○溝口知事:ちょっと後で話をしましょう。土木部から職員も来ておりますから。
○山陰中央新報:わかりました。
○溝口知事:それは国交省の都合もありますからね。
○中国新聞:よろしいですか。
○溝口知事:はい。
○中国新聞:先ほどからちょっと伺ってると、専門家の意見を聞いてだとか、委員会を立ち上げてだとかいう話なんですけども、それはいつごろの時期までにある程度の結論を出すとかいうようなのはあるんでしょうか。というのも、災害というのはいつ起きるかわからないものですし、間もなく梅雨時期に入りますし、あんまり悠長なことはしてられないかと思うんですけども。
○溝口知事:それはそのとおりです。できる限りのことをやります。
○中国新聞:早くということですか。
○溝口知事:そうですね。
○中国新聞:めどはありますか。
○溝口知事:範囲が広範に及んでいますから、どこをどうするというのはやはり、よく調査をしながらやっていく必要がありますね。
○山陰中央新報:先ほどの落石対策の話の中で、予算の配分にちょっと力を入れてということで、こういった事故もあったのでということだったんですけども、それは今、まだ安全対策ができてない箇所が1,300幾つあるということがまず一つありますし、実際、今回の死亡事故があった場所は対策をしていた箇所のうちに入ってまして、じゃあ、その予算をどう振り分けていくか、今やってるところの点検も含めて、その予算で見ていくのか、それとも今点検してないところを優先的にやらないといけないのかという、そこの、どこに手を入れるかというお考えはどうですか。
○溝口知事:そういう専門的なことは、やはり専門家の意見をよく聞いてということです。
○山陰中央新報:じゃあ、大枠で確保して、そこをどう振り分けるかはこれからの委員会でということですね。
○溝口知事:そうですね。
聞きますと、なぜああいう落石が起こるのかというと、専門家の意見を聞いたんですけども、こういうことのようですね。島根県の中山間地域を中心として、閃緑岩という石がありまして、これは火成岩ですね。それで、火成岩のうち、深いところでできたという意味でしょうね、深成岩というふうな分類をされておって、それが中国山地とかの山の中にあるわけです。そういうところが高いところなんですね。それが割と風化作用を受けたりするんですね。そうすると、そういうものがだんだん小さくなって、土砂に長年かかって変わって、土砂の上には、そうすると今度は植物なんかが生えますからね。それで土のようになるわけですけども、その下には大きな閃緑岩というのがあって、これが壊れていくわけですね。だから、至るところにあるようですよ。ただ、危険なところは道路ですかね、道路以外のところはそう被害がすぐに起こるようなところじゃないです。そんな状況でありまして、なぜ土の中にそういう石があるのかというのがあって、だから、それはもう至るところにあって、それを全部封鎖するというのは現実的には難しいわけですね。だから、道路のそばなどで落石として問題があるようなところはできるだけしようと、塞ぐというような感じですね、それをやっていかなきゃいかんということなんですね。したがいまして、数が多いわけですが、どういうふうにしたらいいのかということについては、そうした専門家の方々がいろいろいらっしゃるようですよ。そういう方々に我々もよく聞いて、どういうやり方でやっていくかというのをまた御教示いただこうということです。
○山陰中央新報:さっき知事がおっしゃったように、これは島根だけの問題じゃなくて、どこでも、ほかでも起こり得る話なんで、それこそ国交省が先導して何か対策を打つべきなのかなあとも思うんですけども。
○溝口知事:そこはわかりませんね。
○時事通信:済みません、落石の関係に戻るんですけれども、国交省にもよく相談したいとおっしゃってたんですけれども、また重点要望にこれから行かれると思うんですけれども、その際に国交省に対して落石対策の補助金なんかをふやしてほしいだったりとか、そういった要望もされる御予定なんでしょうか。
○溝口知事:直接はそういう文言が入っているかどうかは別として、文言はあってもなくても、話はする必要があろうと思いますけれどもね。
○時事通信:わかりました。
○NHK:済みません、落石事故の関係で、やっぱりその亡くなられた遺族については、どのように補償対応等をしていくのかということがまず1点と、専門家を含めての委員会というのは、大体、済みません、何人ぐらいの規模で、それは委員長としては知事がなるのか、それとも、どういった組織構造になるのかっていうこと。
○溝口知事:それは専門家ですから、専門家のグループだと思いますね、基本的には。
○NHK:基本的には助言等をするアドバイザー的なものという理解でいいんですか。
○溝口知事:アドバイザーというか、その人たちがこういう方法でやったほうがいいんじゃないかという案のようなものを、考え方のようなものも整理して我々に提出していただくということではないかと思いますが、まだ具体的に何をどうするかというところを文章で詰めているわけじゃありません。そんなとこでいいですね。
○NHK:遺族というか、今回亡くなられた方については。
○溝口知事:それは、既に土木部長はお会いしていますけれども、そういうお話はこれからですね。
○毎日新聞:これからというのは、賠償の話とかですか。
○溝口知事:そういう日程が決まっているわけじゃありません。
○毎日新聞:知事のお考えとしては、賠償責任の有無というのはどう思っていますか。
○溝口知事:私も過去の例とかは知りませんけども、県の責任があるわけですから、そういうものを勘案しながら、よく先方ともよくお話をしたり、あるいはほかの事例をいろいろ見たり、専門家の意見も聞いたりして考えていくことで、現段階でそういうことを既に進めているわけじゃありません。
○中国新聞:さっきの落石の関係の委員会の話なんですけど、専門家たちのチームで、そこで案なり考え方なりをまとめてもらって報告してもらうという形なんで、一般的に言うと諮問機関みたいな言い方になるのかなと思いますけど、そういうスタイルというのをイメージしてらっしゃるんですか。
○溝口知事:そういう細かいとこまではまだ、どういう運用をするかとか、何をするかというのはこれからの話ですね。ただ、基本的に何をどうしたらいいかということを、要するに我々に指し示してほしいということです。それはやっぱり専門家の意見がないと我々も決められませんから。
○中国新聞:例えば検討する課題として、もちろんこういった事故が多発しないためにいろんなことを考えなきゃいけないということになると思うんですが、例えば落石、今、車内で目視しているだけの点検体制をどうするかとか、あるいは実際落ちてる石とかの大きさで、これが落石だとか、これは何か、ただの砂利だみたいなのとか、そういういろいろな対応マニュアルとかがある、今もあると思うんですけど、そんな動静だとか、そういうところなんですか。
○溝口知事:いずれにしても、どういう対応が必要かということを、現場を見たりして、我々に示していただくようにしてもらおうというのが目的ですね。
○中国新聞:先ほどからちょっと専門家、専門家とおっしゃるんですけど、多分専門家もいろんな分野が当然あると思うんですけど、どういうことを。
○溝口知事:それは何か地盤のそういう安全性を、こういうことに携わっている人たちがかなりおられるわけですよ。かなりというか、人数ははっきりしませんけど、国交省の中に。あるいは研究所がありますからね、国交省の。そういう方々に来てもらうと。だから世の中にそんなに多くないと思いますよ。
○中国新聞:今、そういった方に、だから照会をしてると。
○溝口知事:それを国交省に頼んでいるということです。
○中国新聞:なるほど。
○溝口知事:もちろん業者の方々がおられますよね、こういう事業をやられる。そういう案ができて、のり面の網をつくるとかね、経験上、そういうことを持っている業者の方々もおられるでしょうからね、そういう中で、そういうことができる人がいるのかどうかというのもちょっとわかりませんけどね。
○中国新聞:できれば業者からも委員会にとか。
○溝口知事:それは決めていません。
○中国新聞:候補の一つという感じ。
○溝口知事:それも決めていません。
○山陰中央新報:知事、済みません、今回の落石事故があった現場から少し離れたところで9年前に同じような、亡くなられてはいないんですが、人身事故があって、過去、さかのぼってみると人身事故自体、全県的に見るとそんなに多くはなくて、ぽつぽつあるぐらいで、それが今回重なってるってなると、結構レアなというか、なかなかないことだと思うんですが、過去にあったところでまた起きてるということに対しては、改めてどういう認識をお持ちなんでしょうか。
○溝口知事:だから、そこは地中に埋まっていますからね、どこまで、どれだけあるかというのはやっぱり目視ではなかなかわかりませんね。しかし、全部掘り返すかというと、それもできませんね。じゃあ全部覆うかというと、それはまた大変なことになりますね。どこまで覆ったらいいのか。だから、一定の制約は常にあるわけでありますが、どこまでそういうことをしたらいいのか、そういうことについて我々に考え方を教えていただこうということです。
○山陰中央新報:確かにおっしゃるように、過去あったところばっかりやってたら、全然違うところでまた起きることもあるんで、そこはおっしゃるとおりだと、それは。
○溝口知事:要するに全県的にあるわけですよ。それで、雨などで土が洗われたりするとそれが出てきたりね、今回の例ですと、木の根っこにあったようですね。それで木が大きくなるとそれも浮き上がってきたり、あるいは今回の場合ですと、風が強かったりして木が揺れたりしているという話も聞いておりますし、いろんな場所によって、あるいは気候によってリスクも変わるんだろうと思いますね。
だから、そういう中で一般的に、この程度はしといたほうがいいというような目安みたいなものが、できればいただいて、それに沿ってやっていくと。
○読売新聞:済みません、読売新聞ですが、遺族の方と、それから県としての対策というのは今お聞きしている事案なんですけれども、例えば県内にはたくさん箇所があるので、県民の方へ改めて注意といいますか、近くでのり面がある場合はそういう可能性もあるみたいなことをおっしゃっていただけないでしょうか。
○溝口知事:それも必要ですね。
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