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3月23日質問事項1

1.財政健全化

○山陰中央新報:知事、済みません、2月の定例県議会でも、県財政の健全化というのが一つ大きな論点になったと思うんですけども、来年の財政健全化の基本方針、10年間、最終年度を迎えますが、改めてその間の取り組みの評価と、あと、今、県財政を取り巻く環境を、現状どういうふうにお考えになっているかというのをお聞かせ願えますか。

○溝口知事:一つは、健全化の取り組みですね。

○山陰中央新報:はい。

○溝口知事:平成19年に財政健全化基本方針というのをつくりました。19年の秋ですけれどもね。そこでは平成29年度に財政調整のための基金を130億ぐらい確保した上で収支均衡になることを目標として、10年で取り組んできたと、こういうことであります。この間の財政健全化につきましては、やはり給与の減額などをしますので、職員の協力を得まして給与の特例減額でありますとか、あるいは定員の削減ですね、そういうことを行ってきたということであります。

 また、国のほうは、リーマンショックなどのときに、国として経済対策を打ってきたり、最近は地方創生支援でありますとか日本銀行の金融緩和などがあって、そういうものも、実はそういう景気全体が悪くなると、政府はやはり景気対策をとるんですね。しかし、その裏にやはり財政の赤字がふえるという問題はあるわけでありますけれども、当座、地方自治体にとっては財政支援的な要素がありますから、それはそれでありがたいわけであります。そういうことがあったということでありますし、それから、放っておけば、その当時は250億円ぐらいの基金の取り崩しをしないとやっていけないという状況で、これをやりますと数年のうちに基金がなくなってしまうと、そういう状況ですからね、なるべく取り崩しを小さくできるように、財政の抑制をある程度行ってきたということで、大変厳しい状況の中でやらざるを得なかったと、こういう感じを持っております大体ほぼ見通しどおり達成されることになったわけでありますが、今後を考えますと、地方創生、人口減少対策といった新しい政策分野が広がっておるわけでして、これに対処をしなくてはいけないと。そのためにはやはり、それを賄う財政基盤がなくてはいけないわけですね。だから、放置したままではなかなかできないと。

 それから、国の財政が他方、消費税の引き下げ、予定していたものを延期するとか、それからいろんな施策をとりますから、国の財政は非常に悪化をしておりますね。そういう中で将来を見据えますと、そういう国の財政の動きが地方財政にも大きく及んでくる可能性があるわけです。そういう意味で、今後につきましては10年間の財政健全化のプロセスをよく検証し、その上で今後どうしたらいいのかということをよく検討しまして、財政の見通しを一定の前提を置いた上で県財政の今後の運営の方針ですね、そういうものを秋ぐらいにつくりまして、議会にもよく説明をし、御理解を言い、それから県民の皆さんにも御理解を得ながら、次のステップをどうしていくかということを検討していこうと。まだそれがどういうものになるかということは、今の段階ではそういうことで、何か示唆できるものはありません。これからの課題だということです。

○山陰中央新報:それで知事、今おっしゃったように、この10年間を振り返ると、かなり国の経済対策とかに助けられた面があったかなと思います。それで、一方で、これからを考えると、さっき知事がおっしゃったように、人口減少対策とかっていうのを打っていかなきゃいけない中で、さらに県財政というのは厳しさを増していくのかなというふうに見てるんですけども、2月議会のときに知事も、この2年間やった一律シーリングというのはもうやらない、一律のマイナスシーリングはやらないっていうようなことも言及されてまして、これからどういう手法でその財源というのを捻出していくかというのは一つ焦点になると思うんですけど、その辺はいかがお考えなんでしょうか。

○溝口知事:その部分はそんなに大きなもんじゃないですね。もうベースがずっと低くなってますから。それが大きな問題になるということはないと思いますが、そういうものはやめていこうという考えですね。各部局に、基本的な考えで、まだ整理ができてるわけじゃありませんけども、そういうものをやめて、それぞれの部局が必要なものを出してきて、財政のほうでよくチェックをして、県全体としてのものを、予算を作成していくということですね。そこは、秋の段階になりませんと、財政の見通しとか、それは景気動向なんかにもよりますからね、あんまり具体的なことは、現段階では申し上げられませんが、そういう道筋でいこうということであります。

○山陰中央新報:議会の中でも、知事答弁として、例えば県単の事業で最終年度を迎えた事業とかの見直しもしていかなきゃいけないっておっしゃってましたけど……。

○溝口知事:それは一例としてね、申し上げたんですけどね。

○山陰中央新報:はい、ええ。知事としても、財源を捻出するためには事業の見直しというのも当然必要になってくるというようなお考えなんでしょうか。

○溝口知事:捻出というよりも、それぞれ県の必要な施策を、優先順位の高いものからやっていくと。それは人によって違いますからね、一つの答えが出るわけじゃありませんけども、我々としては全体を見て、適切な方針をつくって、それに基づいてやっていこうと。これまでかなりいろんな対策もやってきましたから、そういう中に新しい政策も出てきていますから、今おっしゃったような地方創生とか、人口減少対策でありますとか、あるいは中山間地域等の問題ありますし、これからよく検討してということです。

○山陰中央新報:それで、知事おっしゃったように、事業を見直したりとか優先順位つけようとしたときには、きちんとその事業の効果とかというのをきちんと検証した上で、県民にも説明しないといけないようなことになると思うんですけども、そこでいうと、やっぱり政策企画局とかの役割というのは非常に、PDAサイクルのところで大きいのかなと思うんです。その辺はどうお考えになりますか。

○溝口知事:そこは財政企画だけじゃなくて、それぞれの部局がそうですね。それぞれの部局で、自分の分野でどうすべきだということを考えるということです。

○山陰中央新報:事業の見直しを図ろうとするときに、今、健全化を進めてきて、いろいろ切ってくる中で、今やってる施策というのは必要だからやっているんだとは思うんですけども、その中で、また事業の見直しするということになると、知事、トップとしての政治判断というのも必要になってくると思うんですが、その辺はいかがなんですか。

○溝口知事:それは政治判断はしますが、いずれにしても、財政の規模はそんなに大きく変動はできませんからね、その中で必要な施策を部局の、部局も県民の方々のいろんな陳情なんかもあるでしょうし、いろんな要請もありますから、そういうことを踏まえて作成しますから、それをやはり県庁全体として我々が見ていくということです。

○山陰中央新報:県庁全体というのはよくわかるんですけども、その中で、さっき言ったように最後は知事の政治的な判断も必要な場面も出てくるかなと思うんですけど、その辺は、改めていかがでしょうか。

○溝口知事:個別の話、私のほうは全体の枠組みをこういう考えでということで、随時話を聞きながらやっていくということですね。

○山陰中央新報:知事、済みません、冒頭の健全化のことで改めてお聞きしたいんですけど、先ほどおっしゃった今後の事業の見直しというのは、それはあくまでも部局のところの責任においてやって、知事としてはその事務事業の見直しというところについては、知事として判断はなさらないっていうようなことなんですか。

○溝口知事:いやいや、方針は出して、そういう方針のもとで各部局がやっぱり検討しなきゃいけないと。それを持ち上げてきて、それを我々がどうするかというのを判断すると、こういうプロセスです。

○山陰中央新報:我々というのは知事がっていうことですね。

○溝口知事:そうですね。

○山陰中央新報:あと1点……。

○溝口知事:まあ予算ですからね、財政当局ですね、総務部。

○山陰中央新報:あと、県議会のほうから、その事業の見直しをする際には、議会と協議をする、議論する場を設けてはどうかっていうような提案もあって、総務部長は前向きな御答弁もなさってましたが、知事はその辺はいかがお考えでしょうか。

○溝口知事:具体的にどうするかというのはこれから相談してということじゃないですか。

○山陰中央新報:はい、そうなんですけども、その考えについては。

○溝口知事:それはまだ、今の段階ではさっき申し上げましたように、これまでの財政健全化の総括をしまして、その上でどういうふうにしたらいいかという、その上で今後の国の財政等々がどういうふうになるかを見まして、県の財政のあり方ですね、そういうものを検討して、その上で見通しを立てて、で、今後の財政方針と申しますか、そういうものをつくっていくと。そういうものをベースに各部局は予算の作成なんかしますから、そういう段階で議会との相談をしていくということになろうと思いますけどね。

○山陰中央新報:それが、県議会が求めているような協議の場というか、そういう形もあり得るっていうようなことですか。

○溝口知事:協議はいずれにしてもするでしょうけども、どういうやり方でいつするかというのは、まだ相談してません。これからの話です。

○山陰中央新報:その議論する場自体については、知事は別に否定はしないっていう。

○溝口知事:どういう形でやるのかですね。

○山陰中央新報:はい。それは今後、御検討なさっていくという。

○溝口知事:そうですね。

○山陰中央新報:はい、わかりました。


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