1月17日質問事項3
3.原発(エネルギー政策・再稼働・規制委員会)
○山陰中央新報:済みません、原子力発電所のことでお尋ねしたいんですけども、今月末で島根原発が今全部とまっている状態で、早くも4年ぐらいということになって、いろんな賛否はあるんですが、その中で、ちょっと状況が変わってきてるのが、要は原発がとまってても電気がこうやって供給されていて、しかも中電自体、売電とかいろんなことを、この環境でもできるということになっていて、そうすると、やっぱりリスクがあるものを動かさなくてもという議論が出てくるとは思うんですが、そういう状況で、改めて住民がどう思っているかという、改めて原発自体をどう思っているかというのがまたクローズアップされてくると思うんですが、改めて中電が原発を動かそうとするならば、こういう時期なんで説明が必要とか、前は原発がないとだめだっていうようなことを言ってたんですが、今は別になくてもいいんじゃないかという、こんなに長い時間そういう状況だとあると思うんですが、その辺の考えをどう思われるか。
○溝口知事:それはやはり、国が日本のエネルギーを将来にわたって確保していくためには何が必要かという観点から、やはり日本全体としては考えなきゃいけませんね。そこがやはり一番のキーでしょうね。
○山陰中央新報:我が国のエネルギー政策というのが根底にあって。
○溝口知事:根底にあるわけです。
○山陰中央新報:それに基づいて電力会社もやっぱり事業が左右されていて、その中で選択肢として。
○溝口知事:ということですね。
○山陰中央新報:一つ、一義的には国の政策、今、例えばベースロード電源と言っていますけども、20から22とかっていうパーセンテージが全然まだ達してないですけども、それを見直すのかとかも含めて、いろんなあり方を改めて今、必要なのかなと思うんですが。
○溝口知事:必要なことですね。
○山陰中央新報:電力会社自身には何かあるんでしょうか。
○溝口知事:電力会社は、いわば国のそういうエネルギー政策の枠組みの中でどういうことが許容されているとか、あるいは自社の判断からして安全と低価格のエネルギーというのが両立するというような判断も要るでしょうね。ただ、それは電力業界全体としてやはり考えることでしょうね。一つのとこではなかなか決まりはできないじゃないですか。そのためにはやはり、その前の段階で国が日本のエネルギーを確保する、そのために何が必要かということをやはり明快に話さないといけないでしょうね。
○山陰中央新報:わかりました。
あと、もう1点、原発に関してですけど、前回の会見でも若干あったんですが、新潟県知事さんと東電の幹部との会談があって、それを受けて質問もあったんですが、要は、あそこは、柏崎刈羽は東京電力保有のもので、同じ東電の福島事故があってという経過があって、新潟県知事は、その検証がないと柏崎は稼働できませんよということを言って、要は一つの条件、足かせにしているわけですけども、翻って島根原発について、知事はその東電の福島第一原発の検証がなければ稼働ができないとお思いなのか、それとも、一方で検証を踏まえた規制基準というのができているわけで、その基準に合ったものであれば地元の協議の上という判断になるのか、要はその条件の前提にするのかどうかというのはどうなんでしょうか。そこのお考えは。
○溝口知事:それは、私が、例えば県が決めるわけにはいかないですね。県民の方はいろんな意見があり得ますしね、それから中国電力の意見もあるでしょう。また議会、それぞれのとこであるでしょう。それから周辺の県だってあるわけでしょう。だから、やはりそういうものを、いろんな意見を聞きながら考えを集約していく必要があろうと思いますね。県の役割は、やっぱりそういうところを、そういうプロセスをきちっとやって決定をするということでありまして、私のほうが今リードするという考えはありません。
○山陰中央新報:わかりました。
○中国新聞:済みません、その関連だと、先ほど知事は県が決めるわけにはいかないとおっしゃったわけですけど、新潟県はまさに県が決めてるわけですよね。
○溝口知事:それは一つの考えですよ。
○中国新聞:それは新潟県の考えであって、島根県の考え方、まあ島根県の考え方と新潟県の考え方はまたそれぞれあると。
○溝口知事:それは違うでしょう。
○中国新聞:ですね。
○溝口知事:それから、そういう考えの層、県民がどう考えているかということもあるでしょうね。
○中国新聞:だから、島根県の場合、だから新潟県がやっているような検証作業ですか、ああいうのは当面やる予定はないということですか。
○溝口知事:私どもももちろんそういう各地のいろんな状況も情報収集はしたりしますけれどもね、私どもの考えは、従来から安対協でありますとか住民の声でありますとか、いろんな声をよく聞いた上で判断をしていくということですね。
○中国新聞:済みません、じゃあちょっと話が変わるんですけど、同じ原発の関係で、例の2号機の換気ダクトの腐食問題ですけども、1月11日の原子力規制委員会で、ほかの原発についても同様の検査、確認をするという方針を確認したわけですが、それについての受けとめをお願いします。
○溝口知事:1月の11日に規制委員会でこの話が話し合われて、その結果をちょっと申し上げますと、第1点目は、中国電力の原因究明の前に、他のプラントについて中央制御室空調換気系に係る点検の方法、腐食状況等の調査を指示をしたと、ほかの電力会社に。
それから、島根原発2号機の腐食事象については、具体的な原因究明や対策が出たら、その知見をほかの電力会社にも伝えていこうと、中国電力のほうで。ただ、それはまだできてないわけですね。
3番目に、今後、島根原発2号機の腐食に関する原因究明及び再発防止策の妥当性について厳格に規制委員会としては確認をすると。
4番目に、その上でしょうね、ダクトの保守管理のあり方として、改善が必要な点について規制委員会は検討すると。要するに、新しい基準が多分必要ということになるんでしょう、原因だとかが解明されると。それは規制委員会がやりましょうと。その前に、中国電力の原因等についての調査がまとまれば、それは各種伝えていこうというようなことですね。だから、今、この問題をどうするかというのは、まだまだ住民に説明するとか、そういう段階に至ってないという状況だろうと思います。
○中国新聞:テクニカルな話ではあるんですけども、そうやって中国電力で発生した事象をほかの原発にも広げて、いわゆる水平展開をして確認していくということは、ある意味、規制側としては当然原発の安全性を担保しなきゃいけないわけですから、そういう慎重な判断というのが求められていると思うんですけども、そういう判断で全国の原発の安全性について、そういう点検をするという方法がとられるということ自体は歓迎すべきことと捉えてもいいんですかね。
○溝口知事:そうですね。
○山陰中央新報:済みません、関連ですけども、知事もこれまでの会見で若干指摘されてるんですけれども、要は今のルールというのがあって、そのルールに基づくと、中電のやり方としては法令上問題がないということになっているんですけども。
○溝口知事:そういう、たしか見解じゃないですか、規制委員会は。
○山陰中央新報:そうすると、中電もちゃんとチェックしとけって話はあるんですけど、一方で、その規制委員会の基準がこれでよかったのかという検証ですよね。
○溝口知事:それはむしろ足らないというふうに規制委員会は、そういうニュアンスの発言をしていますね。
○山陰中央新報:はい。
○溝口知事:だから、直そうということでしょう。
○山陰中央新報:だから、もともとそのルール自体どうだったのかっていうのがあって、そこはちゃんと考えてくれということになるんじゃないですか。
○溝口知事:それは、規制委員会がそういう認識だと思いますよ。明快な発表の仕方になっていませんけども、それがうかがえる内容になっていますね。
○山陰中央新報:知事、先ほどの再稼働の話で、立地自治体とか関係自治体とか、あと県議会とか専門家の意見を聞いて判断するということもおっしゃったんですけど、その関係自治体とか県議会とか専門家含めて、意見が一致すれば、それはいいことだと思うんですけども、仮にその意見が割れるということも想定されるんですけども、その場合ってどういうふうな対応をなさっていくお考えなんですか。
○溝口知事:そういう仮定の話にアバウトに答えるわけにいかないですね。それは議論の内容をよく聞いたりした上で考えることでしょうね。
○山陰中央新報:対応というか、考えが割れたときっていうのは、県自身の考えというのも示さなきゃいけないときも来ると思うんですが、その稼働に当たっての判断するときに重視されるっていうことはどういうことなんでしょうか。
○溝口知事:頭を整理しないといかんですね。
○山陰中央新報:だからそこで、例えば避難計画であったりとか。
○溝口知事:いろんなことをよく考えた上でやっていくわけでしょうが、今まではそういう事態が余りありませんでしたから、それから基本的にはそういう会合における多数意見を尊重するというのが常識でしょうが、あるいはそれでいいのかどうかという議論はあり得るでしょうね。だから、そういうものがありますから、今どういう基準でどうするということを答えるわけにはいかないですね。やはり現実のそういう意見表明の場でどういう議論があったかということもよく踏まえながらやっていくということでしょう。
○中国新聞:そういう意味では、例えば先ほどの話のあった新潟県のように、再稼働に関してはこういうのがないとだめですよという条件をしっかり提示される県というのもあるわけです。あるいは、もう再稼働したところでいうと、愛媛県とかも、知事が要は国の責任で安全が担保されたという宣言をきちんとしないと再稼働できませんよというような、ある意味条件をつけてたわけですよね。島根県の場合、それに当たるものは一体何なんでしょうか。
○溝口知事:今、それに答えるわけにいかないですね。それはいろいろ、各県がどういう判断でどういう根拠でということを私が詳細に承知しているわけじゃありませんから。
○中国新聞:将来的にそういうものを考えていく可能性もあると。
○溝口知事:今、ちょっと聞かれてちょっと答えるわけにはいかないということです。だから、基本は申し上げているということですよ。そういういろんな場で意見を聞く場がありますから、そこでやっぱり判断をしていくと。
○山陰放送:関連してですけれども、知事として判断をされる場合に、幾つかの基準なり、そういうものは、その判断を示す場合の要素ですね、例えば規制委員会の判断、それから住民の意見、他県の意見、そういうような要素は幾つかリストアップはするべきだというふうには、あるいはもうしている。
○溝口知事:それは大体やってるわけですけどもね、いつも。頭の中とか、いろんなことではやっていますが、今まではそういうふうに見解が大きく異なるということはあんまりありませんでしたからね。もちろん反対の意見はあることは承知していますが、やはり公式な場で安全対策協議会というものがあり、議会が県民を代表して議会としての意見を出されますからね。
○山陰放送:そうすると、県が判断する上で意見を聞く対象者、あるいは対象物については知事の口からもいろいろ出てくるんですが、その判断をするための要素、ファクターは幾つあるんですか。
○溝口知事:だから、そんな厳密なことに答えるわけにいきませんし、やはりその場で出た大勢の意見がやはりその場における意見ということでしょう、強いて言うなれば。
○山陰放送:済みません、強いて質問しますけども、その県が判断をする上でいろんな考えを聞く、その対象者の多数決で決めるわけではないですね。
○溝口知事:だから、通常の会合となると意見の違いがある場合はそういう多数決ということになりますが、今までのいろんな会合とかを見ますと、議会などでは多数決ということが明示的にあるでしょうが、安対協などはそういうことは余りありませんね。
○山陰放送:質問を変えて言うと、(必ずしも)県として多数の意見に従うということはない。
○溝口知事:だから、基本はそうですよ。ただ、その多数というのは、どういう諮り方をするかという問題もあるわけですね。それはいろんなやり方があるでしょう。
○山陰放送:なるべく多数の意見を探って、そこに結論を求めたいということでしょうか。
○溝口知事:そういう、一般論としてはそうでしょうが、例えば県民一人一人に全部聞くなんていうようなことはなかなか難しいでしょう。そこはやはり周辺の市でありますとか、そういうところ、市は市でいろんな意見を聞かれるわけでしょう、そういうものが積み上がってくるわけです。
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