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1月6日質問事項4

4.原発
○中国新聞:知事、済みません、島根原発のことでお聞きしたいんですけども、御存じのとおり1号機は廃炉になって、現在、廃止措置計画が原子力規制委員会で審査中であり、2号機も再稼働の前提となる安全基準の審査が進んでいるという状況で、3号機については、中電は一応書類準備中という状況ですね。この1年間、どういう1年になる、この原発に関して、と知事は見てられますか。
○溝口知事:御指摘のように、1号機は廃止措置計画をつくるわけですし、2号機は新適合基準に合致するかどうかという審査が行われていますから、この分野では何らか新しいことが起こるということじゃなくて、やはり原子力規制委員会がきちっとチェックをしていくということが必要でありますね。
それから、審査が終了した後どうするかということになれば、それはやはり安全協定がありますから、それに基づいて審査結果を国から説明を受けて、県民の方々によく説明をし、県議会あるいは県の安全対策協議会など、いろんなところの意見を、あるいは周辺市の意見なども聞いて対応していくということですが、まだそういう状況にはもう少し時間がかかりそうですね。

○中国新聞:先ほどの話に戻りますが、県として、この島根原発の関係で、この1年でこういう分野を少なからず前進させたいという部分というのは、特に知事の思ってらっしゃるとこはあるんでしょうか。安全対策等とかも含めてですけど。
○溝口知事:1号機、2号機等の扱いについては、やはり原子力規制委員会できちっとチェックをしていただくということですね。
それから、安全対策は、周辺市を含めて対策をする場があります。対策を検討する場がありますから、そこを通じて、さらに安全対策を強化する施策として何ができるか、あるいは何をしなければいけないのか、そういうことをさらに検討し、実行できるものを実行していくということですね。
○中国新聞:安全対策を強化する上で、特に今思ってらっしゃる課題というんですかね、いろんな面あると思うんですけど、先ほど言われたように広域避難するときに受け入れ先との調整とか、まだまだできてないところがありますけども、そういった分野、幾つかジャンルを上げていただけるとありがたいんですけど。
○溝口知事:きれいに整理はできませんけども、万が一のときに避難をしないでとりあえずは残る人もいますね、すぐに動けない人もいる。そうすると、そういう動けない人のための施設等々、あるいはそういうところに運び込むことなどをさらに具体化をしていくとか、あるいは離れたところでも危険だということになると、避難をしていかなきゃいけませんね。その避難の仕方ですね、多くの方々が避難しますから、車両を確保するとか、あるいは原発の万が一の事故があったような場合には、放射性物質の飛散があります。そういうものが避難するときに車と一緒に外に出ていかない、そういうことにならないようにするためにはどうしたらいいかとか。それから避難先の確保は、観念的にはできていますけども、具体的にどういうことが必要なのか、関係の周辺の県、市などとも相談をしていくということが必要ですね。こういう問題は、すぐにぱっとできるわけじゃなくて、人々の避難のときの行動を含め、いろんなことを積み重ねていくということではないかというふうに思います。
 

○山陰中央新報:知事、関連で、2号機のダクトの腐食の問題で、19個穴が見つかって、県も立入調査もなさったんですけども、知事も再三、再発防止策とか原因究明をというようなこともおっしゃってますけども、中電も今、それを一生懸命やってると思うんですが、それが終わった際にというのは、きちんとやっぱり県民に対して丁寧な説明というのは必要だというふうにお考えになるんでしょうか。
○溝口知事:それは必要ですね。やはり中国電力のいろんな対応等について、規制委員会のほうでどういうふうに審査をして指摘をされるか、あるいは規制委員会自身の対応といいますか、あるいは基準と申しますか、そういうものも見直していかなければというようなことを規制委員会は言っておられるわけでして、そうした規制委員会の動きを我々もよく注視をしながら、中国電力としてやるべきこと、あるいは我々のほうで避難対策などを強化すること、そういうものを引き続きことしも可能な限り進めていきたいということです。
○山陰中央新報:安全上重要な設備のとこで腐食が起きてて、過去に、2010年に点検漏れがあったりとか、あと2015年には点検記録の偽造問題があって、その際、中国電力は再発防止とか原因究明が終わった後に住民説明会というのを開いている。今回もさっき言ったように安全上重要な設備で起こってて、相当不安に思ってる県民も多いと思うんです。今回、再発防止策とか原因究明が終わったら、やっぱり中電は住民説明なり、さっき知事もおっしゃいましたけど、県民に丁寧な説明っておっしゃったんで、そういうことも必要っていうふうにお考え……。
○溝口知事:それは当然必要ですね。
○山陰中央新報:わかりました。
○中国新聞:済みません、原発をめぐる動きで最近あったものとして、他県ですけども、新潟県の知事が東京電力の会長と会談をして、今、新潟県のほうで進めている福島原発事故の原因の検証等々、それが動いている間は原発の、柏崎刈羽原発の再稼働を認めることはできないというような内容の会談になったんですけども、知事はその辺は何か感想は持たれましたか。
○溝口知事:報道は見ましたけども、我々も新潟の実態というのを承知しているわけじゃありませんから、そしてまた、そういうものに対して規制委員会がどういう考えであるかということも詳細に知ってませんので、我々がコメントするわけにはいかないですね。
○中国新聞:その報道等を見て思い出したのは、知事がそれこそ福島原発事故の直後とか、あるいはその1年後、2年後ぐらいの時期には、実際、原発の、福島に行かれたりとかもしたと思うんですけど、福島事故の原因究明であるとか、そういった検証ですね、こういったものがなされることが原発の再稼働というのに国民的な合意をつくっていくときには絶対必要だというお考えだと……。
○溝口知事:それは必要でしょうね。なぜああいうことになったのか。そういうことにならないためには何をしなければならないのかということを、やはり規制委員会が、規制委員会としての基準でありますとか、あるいは電力会社がやらなければいけない対応だとかを明示して、それで原発はこういうことで安全ですと、こういう基準を守れば大丈夫ですというようなことをやはり規制委員会が示さないといけませんね。
○中国新聞:今ある新規制基準というのは、福島事故のある意味教訓というのをある程度反映させた形で、ですから、それに適合してるかどうかというのは、まさに規制委が今、島根2号機についてはチェックをしてるわけですけど、ただ、福島事故のとき、実際問題になった広域避難とかは、避難計画は新規制基準の中には御存じのとおり入ってないわけですから、完全なものとは言えないと思うんですけど、その辺の福島事故を踏まえた検証なり検討というのは、新潟県は自分のところでやるという判断だったんですけども、島根県と、島根原発のあるこの県においてはどういう作業というか、そういうのが必要なんだとお考えですか。
○溝口知事:原発そのものの機能でありますとか、現地のサイトでの話は規制委員会の分野ですね。しかし、万が一の事態が完全にゼロにはならないわけでしてね、それに対してどういう対応をするかというのは国のほう、政府のほうの責任ですね。そこはまだ、どういう対応をすればいいのか、あるいはしなければならないのかというところまで国の対策は具体化されていませんね。そういうものをやはり進めていかないといけないだろうというふうに思いますね。
○中国新聞:そうしますと、島根原発2号機、今、審査が進んでて、実際、合格が出るかどうかというのはまだわかりませんけども、いずれ結果が出たときには、知事のほうにまた話が来るわけですよね。そのときにやっぱり国のほうでこういう福島事故を踏まえた対応、対策というのがきちっととられているということが保障されてないと、それは知事としてオーケー出せないんじゃないですか。
○溝口知事:それは、私自身の話より前に、住民の方、あるいは周辺の市町などの方がやっぱり理解ができないといかんでしょうね。我々は、我々自身の判断もあるでしょうが、周辺の人々の考え、あるいは自治体の考え、議会の考えをよく聞きまして、納得がいくということになって我々も最終的な判断をすると、そういうプロセスをたどるんだろうというふうに思いますね。
 

○山陰中央新報:済みません、1号機の話なんですけども、今、廃止措置計画の話も触れられましたけども、計画の審査もある程度進んでいるようで、今年中にはもしかしたら返ってくるかなという、見通しはわかりませんが、という中で、廃炉となると、安全対策、それから今度、廃炉に参入する企業さんの話なんかということも出てきたり、新しい原発にかわるエネルギー対策ということがいろいろ必要になってくる、新しいステージに入り出すんですけども、その中で、県は今、原子力安全対策課がそこを担って、地域振興部もエネルギーの対策をしている、廃炉ビジネスになると商工労働の分野にもなってくるとなると、廃炉に対応したそういう県の機構というか、内室というか、部というか、課というか、そういうものも一つ検討材料かなと思うんですが、そのあたり何かお考えがあれば教えてください。
○溝口知事:そのための課が必要な、あるいは課があって何かができる状況にはまだないですね。やはり関係の部局ですね、今言った防災部、地域振興部、あるいは商工労働部等々が関係してまいりますし、あるいは健康福祉部も病院の施設だとか、いろんな点で全庁的にも関係してくるわけですから、そうした県庁内で防災部を中心に必要な検討を進めると、あるいは情報の交換を常にするとか、そういうことはもう少しやっていったほうがいいんではないかという感じは私も思っていますけども、今後の課題ですね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
○山陰中央新報:知事、済みません、ちょっとダクトのさっきの住民の説明、ちょっと追加でお聞きしたいんですけども、2010年の点検漏れのときは、中電に加えて県と松江市も住民説明会というようなものを開いてるんですけども、今回は中電が一義的には、それは主体となって開くべきだというふうなお考えなんでしょうか。
○溝口知事:ダクトの話は、規制委員会でもどういうふうに考えるべきかということについて問題意識は持っておられますから、そういう点を踏まえてでいいんではないかと思いますが、いずれにしてもいろんな情報の提供はもちろん中電からしなきゃいけません、説明をしなきゃいけません。我々のほうで必要な事態になれば、それは考えていきたいというふうに思いますが、今、具体的な案を持っているわけじゃありません。
○山陰中央新報:それで、2015年の点検偽造のときには、中電が松江市と、あと鳥取県側も30キロ圏内があるんで、境港で開いてるんですけども、どの範囲のところでやっぱり説明すべきだっていうふうにお考えになるんでしょうか。
○溝口知事:そこは状況に応じて柔軟でいいんじゃないですか。まとめてやるということもあるでしょうし、市ごとにやるということも当然あるでしょうし、問題、それからテーマ等々によって柔軟にやっていくという考えですね、基本的に。
○山陰中央新報:やっぱり鳥取側も30キロ圏内に入るんで、やっぱり鳥取側でも説明は必要だというふうに。
○溝口知事:ええ、それは必要ですね。
○山陰中央新報:はい、わかりました。
○溝口知事:そこら辺は、鳥取との関係では、我々が受けていろいろな調整も、相談をするというようなことはありましたが、鳥取県にも直接行くようなことに、もうなっておりますね。
○中国新聞:その時期としては、できるだけ早く、つまり今やってる原因究明と再発防止策というのがまとまったら、早い段階でとは思われるんでしょうか。
○溝口知事:ええ、まとまり、それから規制委員会の方針などが固まる段階でしょうね。
○山陰中央新報:済みません、今のお話で、それは例えば安対協を開くとすると、それも住民の方は一応傍聴できるってことになるんですけど、そういうのではなくて、本当にもう中電だけが開くっていう趣旨なのか、どちらになる……。
○溝口知事:安対協は、基本的に中電が規制委員会の指導も受け、こういうことで2号機を動かしますよとか、そういうときにどうするかというのをチェックするというのが安対協のキーの役割ですが、その前の段階でも情報の提供を住民の方々の代表にして状況を説明するというようなことも当然あり得ると思いますが、そういう関係ですね。まだ現状では、1号機、2号機についても規制委員会が、大体終盤になってるというような話はまだ聞きませんから。
○山陰中央新報:だから、県とか市が関係しない、全くの中電と住民の間でやってくださいねっていう話をされてる。
○溝口知事:やるときには、県も陪席をするというか、そういうことは当然あると思いますけど。
 

○山陰中央新報:知事、ちょっと原発絡みで、今、政府が高レベル放射性廃棄物の、いわゆる核のごみの最終処分場の建設というのを科学的有望地、去年内に示す予定だったんですけど、ずれ込んでるんですけれども、十分島根県内でもその科学的有望地に入ってくる可能性というのはあると思うんですが、もう既に例えば佐賀県の山口知事とかは、もう原発が、あそこも玄海があるので、今、佐賀としては受け入れる考えがないというようなことはもう既に表明なさっている。あと、島根県内でも松江の松浦市長も原発絡みで科学的有望地に入っても受け入れる考えはないというのを示してるんですが、知事として、仮に科学的有望地に入ったときとかも含めてのお考えというか、対応というのはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○溝口知事:まだどういうことを考えているのかはっきりしませんね。
○山陰中央新報:政府のほうがということですかね。
○溝口知事:ええ。考え方が。なぜそこがいいのかとか、そうしなければならないのかというようなことを余り聞きませんから、何となくは聞きますけども。
○山陰中央新報:示された場合というのは、知事として、最終段階も含めて知事の了解の要る話なんですけども、受け入れる、原発も既に立地していることも勘案して、受け入れる考えというのは現時点でどうなんでしょうか。
○溝口知事:そこはやはり、県は各市町村とかの意見とか、あるいは直接住民の意見とかを聞いた上でどうするかという最終判断をするとこなんで、我々のほうでこういうのならいいとか、こういうのはだめというようなことを言うのは余り適当でないというのは、明確なあれがあるわけじゃないですけども、私の考え方はそういう考え方ですね。
○山陰中央新報:フラットというか、そういう立場で。
○溝口知事:それは一般論として、安全な原子力発電の体制でなきゃいかんということがあるわけですね、全体として。そのやり方、方法はいろいろあるわけでありますし、それから使用済み核燃料も、どこかで処分をしなくてはいけないというのも、それがないと原子力発電というのは進まないわけですからね。そういう総合的に見なきゃいけないわけでありまして、県自身がこうだからああだからというのを皆さんの意見を聞く前に余り言うということは、我々の役目ではないというふうに考えていますけどね。
○山陰中央新報:知事がおっしゃったように、廃炉にするにしても再稼働するにしても、必ず核のごみというのは出てくるわけであって、どこかで処分しないとというのはもう間違いない話であって、ただ、過去を見ると、高知の東洋町が受け入れを表明したら、住民の反発にあって頓挫したりとか、なかなか進まない、エネルギー政策の中でも重要な課題だと思うんですけども、政府にはどういうようなことを求めて進めていってほしいなというふうにお考えになりますか。
○溝口知事:我々も、何を求めるかというのは難しいことですね。話は聞きますけどもね。それから、そういう使用済み核燃料が安全に処理をされるというのがどういう方法であるのかとか、そういうことはやはり専門家の意見も聞いてやらないといけませんね。
○山陰中央新報:それはやっぱり国民の理解というのも非常に重要なのかなとは思うんですけど。
○溝口知事:それは大事ですよ。
○山陰中央新報:それも丁寧にやっぱり説明する必要もあるかなと思うんですが。
○溝口知事:ええ。全体として、原発をどうするかということについて、国民的な合意が、了解がないと、いずれにしてもできませんね。だから、その途中の段階で、よくわからない段階で何か言うというつもりは余りありませんね。


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