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12月10日質問事項3

3政府機関の地方移転
○中国新聞:知事、済みません。政府機関の地方移転の関係で、先日、島根県のほうで国のほうに20機関ですか、要請されていたうちの16機関については、やめましょうということで地元の市町村さんとも了解された上で、下げたということを聞いておるんですけれども、このことに関してまず知事の見解、所見というのをお伺いしたいんですが。
○溝口知事:16機関については、国のほうでいろいろな事情を説明されて、難しいという通報が来ましたから、要望している市町村にも意向を確認しましたら、まあそういう状況ならやむを得ないということになっておりますね。4機関については、まだこれからいろんな議論が国としてなされるということでありますが、国のほうはどういう議論をされるのか、まだ我々のほうに連絡はありません、いつ、どうするのか。情報も得るべく努めておりますけども、現状はそういうことです。
○中国新聞:この地方移転の問題に関しては、全国紙なんかでも文化庁の京都移転とか、そこで非常に京都は引っ張りたいけど、文化庁側が難色を示しているといったように、政府機関側のほうが余り地方に出ていきたくないというようなことが、官邸や省庁側から発信されているんですけれども、その点について知事はどう考えますか。
○溝口知事:それは、もう長年そういう問題はあるわけですね。やはりそこに勤めている人にとっては、家族ともども移転をすることになるのかとかね。そうすると、家族ではなかなか、もう学校に行っているとか、いろんな事情があって難しい問題があるけども、政府はできるだけ努力しようというのが、今回の地方創生に向けての国の取り組みですけどもね。一定のところをまだ政府としてやっていこうということでありますから、ぜひとも少なくとも残っている4機関などについて配慮をお願いをしたいというふうに思っていますし、我々も、これも国会議員の方々、地元と一緒になって働きかけをしております。
○中国新聞:政府のほう、国の省庁側からヒアリング等では、地方に移転すると、例えば機関の機能が低下してしまうとか、あるいは研修なんかだと、講師を呼ぶのにやっぱり首都圏から呼ぶので、島根に移転してしまうと非常に不便になるとか、地理的要件とかを言われるケースが多いんですけど、知事、先ほど長年の問題だとおっしゃっていますけど、その辺を、はっきり言って地理的にはもうしようがないかなというか、それを言っちゃおしまいというか。
○溝口知事:そういうコストをかけてもね、地方の振興のためにやるというのが政府の考えですからね。それはできるだけの努力をする必要はあると、我々は要望しているわけです。
ただ、やはり多くのコストをかけて、それだけで済むかというと、やはり家族との関係とかいろんな問題はあるんだろうと思いますね。これは常にありますね。だから、民間でも、(コマツ会長の)坂根さんなんかがそういうことを言ってますね。地元で人が採用できると、調達をやるとか研修をやるとかね。だから、いろいろな事情があるでしょうが、政府も地方創生ということで、政府機関の地方移転というのを一つの目玉にしているわけですから、やはりそうした方針に合った対応を政府はとるべく、全力を挙げて取り組んでもらいたいというのが私どもの気持ちですね。
 

○山陰中央新報:今の話に関連ですけども、もともと知事もおっしゃったように、長年のこれは問題で、こういった先ほど知事がおっしゃったような、家族を連れていかないといけないとか、いろんな問題がある。それをわかった上で、今回リストをつくって投げかけられて、一生懸命都道府県の職員さん、地元の市町村職員さんがこれがいいんじゃないかって考えて出したものを、いや、だめですよと言われているわけですよね。じゃあ、最初からリストに入れなければいい話で、そういうちょっと出したものに対して、そもそも移転できませんって突き返されたこの16機関のことについて、ちょっと率直に何か変だなと思う……。
○溝口知事:政府がそういうことまで準備をしてやる時間がなかったのか、途中でそういう展開になるというのは、やはり政府として対応がどうだったのかなという疑問はたくさんありますね。
○毎日新聞:同じ問題ですけれども、そもそも知事から見て、国はこの政府機関の地方移転に本気で取り組んでいると思われますか。
○溝口知事:それは表現の問題ですが、政府が、担当はやっていると思いますけれども、いろんな制約があるということでしょうね。
○毎日新聞:ただ、先ほどの質問にも出ましたけど……。
○溝口知事:ただ、そういう難しさはあるけども、それに対してやはり政府の、政府全体というよりも、リーダーの人たちがやはりイニシアチブを発揮しないといけないですね。発揮しないと、なかなか実現は難しいですね。我々はそういう要望を知事会でもしておりますけれども、引き続きやっていきたいと思います。
○毎日新聞:リーダーがイニシアチブを発揮しないと実現は難しいというんなら、リーダーというのは政治家たる大臣であったりというところなのかと。
○溝口知事:大臣であったり、そういう人ですね。
○毎日新聞:そういうイニシアチブというのはしっかりとれているというふうに思われますか。
○溝口知事:現状を見ると、なかなか行き届いてないなということですね。
○毎日新聞:実際、先ほど出ましたけども、県の職員さんにしても、市町村の職員さんにしても、この前お伺いすると、担当していた政策企画監室の方は、この提案のために2回上京されているとおっしゃいました。2回上京するということは、飛行機に2往復しているわけで、それで何人行かれたかわかりませんが、それだけ考えてもかなりの額を島根県としてこの提案に、人件費も含めて費やしていると思うんですよね。それで、こうやって蹴られる、そもそも国のほうが蹴るつもりでやっている計画とすれば、そこに県としてお金をかけてやって何の成果も得られないというんだったら、逆にそのお金、別のことに費やせば、もっと地方創生に役立つ可能性だってある。そういう意味で、県も国のこういうものに振り回されているようにも見えるんですが、国に何かもうちょっと言われるようなことないですか。
○溝口知事:それは我々いつも言っていますよ。重点要望だとか、石破大臣にお会いするときとか、いつも申し上げているところです。
○毎日新聞:ただ、いつも言われていて、それでこの状況が出てくるというのは、それは効果が出ているとは言えるんでしょうか。
○溝口知事:そこは何といいますか、効果が出ているとは言えないでしょうね。
○毎日新聞:それに対して今後何かやられること、国に対して島根県として何か言っていくということはあるんでしょうか。
○溝口知事:それは機会あるごとに言ってまいりますし、国会の先生方を通じても言ってもらっていると、こういうことです。
○毎日新聞:重ねて言うと、新たに何かやられる、取り組まれることというのは。
○溝口知事:上京の折とか、お会いする機会がありますからね、また申し入れをします。
○毎日新聞:それは、でもこれまでもやってこられているものと同じなわけですよね。同じことを繰り返されるのか、その効果が出ていないというふうに知事が思われているものを、何度も何度も効果が出ていないけど繰り返すということなのか、効果が出るように何らかの方策を考えて知事が動かれるということなのか、どちらなんですか。
○溝口知事:それは両方ですけども、私どもできる限りの要請、働きかけをしてまいりたいと思います。
 

○中国新聞:済みません、先ほど文化庁の例を出しましたけど、文化庁に関しては馳文科大臣が京都へ行って、下見をして、すごい文化庁側に働きかけをするようなメッセージをかなり発信されている。でも、なかなか省庁が動かないというところがあって、先ほどリーダーシップで大臣とおっしゃったですけど、もうちょっと上のレベルというのも必要なのかなと思いますけど。
○溝口知事:まあそれはいろいろあると思いますよ。
○毎日新聞:加えて追加で、例えば各省庁が移転の島根県なり、島根県内の市町村が出した提案に対する各府省の見解というのをインターネットでも公開されているわけですが、例えば雲南市さんが提案された自治大学校の機能の維持なんかについては、全国から研修生が集まってくることから、全国から見て交通が便利であることなど、全国の自治体や職員の要望を踏まえる必要性があるから難しいんじゃないですかというふうに、そもそも難しいことがずらずらずらと書かれてあったりとか、例えばそれ以外にも、情報通信系のもので松江市さんが要望されたものなんかにしても、松江市、島根県も頑張っていらっしゃると思いますが、Rubyなんかがあって、その集積があるので、そういう研究機関どうですかという話をしたら、別に周りにそういう集積がなくてもいいんだというような形のはね返しを国のほうがしたりとか、そういうようなのが非常に見えるんですけども、知事はこの各府省の見解というのはごらんになりましたか。
○溝口知事:聞いていますけど。
○毎日新聞:それに対して何か感想を持たれましたか。
○溝口知事:それは、それぞれ各省で見ればいろんなことはあるでしょうからね。やはり政府として、上に立つ人たちが指示をすべきでしょうね。
○毎日新聞:各府省としていろいろあるだろうというのは、それは、ああ、なるほど、各府省が考えているのは一理あるなというふうに思われたということですか。
○溝口知事:そういうことじゃなくて、各部署のリーダーの人たちがやっぱり働きかけていかなきゃいかんだろうと、こういうふうに思います。
○毎日新聞:働きかけるというのは、大臣なり。
○溝口知事:ええ、それは石破さんにお会いするときとかね、いつも申し上げております。
○毎日新聞:その石破大臣を含めて、各省庁を説得するというんですか。そういうようなことが必要だということですか。
○溝口知事:やっておられると思いますけどもね、なかなかそこがうまくいかないところも多いということも聞いています。
○中国新聞:まとめると、先ほども雲南市さんの例が出ましたけど、交通の便であるとか、そういった面でどうしてもやっぱり省庁さんが難しいというところは仕方ないと言ったらあれですけど、そういうとこもあるのかなということは認められるんですか。
○溝口知事:それは、そういうことを乗り越えてやっていこうというのが地方創生ですからね。そこは、やはりやってもらいたいと思いますよ。ただ、全般的な問題として、やはりいろんな問題を見ますと、コストがかかるわけですよね、いろんな問題。別に政府機関の移転だけじゃなくて、あらゆることをしますとね、社会保障でもかかりますし。日本全体で見ると、そこのところはやはり、その必要なコストをどうやって賄うのかという大きな問題の中で処理をしていかなきゃいかんわけでしょ。
だから、今度の補正などの中でも、交付金を少しふやすということですけども、新聞などでは1,000億と出ておりますけども、TPPだとか、いろんなこともありますね。そういう中で、やはり政府の中でいろんな政策調整をするという枠組みがありますからね。そこはやはり政府の中で可能なことをやるというふうに落ちつくわけですけれども、しかし、そういうところでもね、こういう分野には配慮をしてもらいたいということを言うわけです。やはり、その問題は、きょうのこの消費税の問題でも、結局はそういう財源を何で賄うのかと。要するに、借金ではだめですよという大きな制約があるわけでしょう。あらゆることがそれに関連しているわけですね。だから、そういう中でいろんな施策のバランスを政府は考えていくほかないと、そういうプロセスの中にありますから。だから、どれもこれも同じようにはできないわけで、それは政府の中で判断するほかないですね。そういうダイナミズムがあるわけでしてね。だけど、我々は、この部門は島根などでというと、インフラの整備が大事だから、これはぜひ進めてくださいという要望をみんなするわけです。

 


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