10月8日質問事項3
3原発再稼働(伊方原発・美郷町議会意見書)
○毎日新聞:知事、済みません、話少し変わりますが、同じく原発の話ですけれども、四国電力の伊方原発、愛媛県にありますけれども、再稼働に向けて、今、報道なんか見ますと、愛媛の中村時広知事の最終判断がもうすぐ出るんではないかという話が出ています。その中で、6日に政府が開いた原子力防災会議の中で、メーンとしては伊方原発の周辺住民の避難計画が議題になって、最終的に政府がその避難計画については了承してるという状況だと思います。その中で安倍首相が、原発事故が起きた場合、国民の生命や身体、財産を守るのは政府の重大な責務だという形で発言をしたというふうに各紙報道されています。これは四国電力の原発をめぐる発言ではあるんですけども、この発言をどう受けとめられるか、この発言というのは島根原発にも対応するものとお考えなのか、というふうに理解されますか。その辺いかがでしょうか。
○溝口知事:それは全部でしょうね、原発全部についてでしょう。たしかエネルギー基本計画の中にそうした文言が織り込まれてたと思いますよ、政府として。ちょっと厳密な文言は覚えていませんが、私は入れろという主張をしたほうですから。
○毎日新聞:原発全部についてということは、島根原発にも。
○溝口知事:同じことですね。
○毎日新聞:政府は同じ姿勢で臨むと。
○溝口知事:それはやはり、この原発というものをエネルギー政策上必要だから設置をしようというのが政府の考えですね。いろんなリスクはあるし、しかし、それは規制委員会のチェックだとか、いろんな対応でやっていきますと。それでも万が一のことは起こり得ると。そうなると、それはやはり、そういう政策を日本として必要としたわけですから、必要だと判断した国が責任を持って対応するというのがある意味で当然のことだと思います。
○毎日新聞:そのある意味当然、今回は6日の政府の原子力防災会議での安倍首相の発言が全てのということは、今後、どういう流れになるかはわかりませんけれども、現状、中国電力が島根原発を動かしたいという思いでやってるというところで、中国電力としては、いつかの時期で動かしたいというような話を県に持ってくる日というのは来るんだろうなと思うんですけれども、そういう場合、例えば島根県として、改めて政府であるとか首相に対して、政府として、国として何かあったときは責任持ちますよという言葉を改めて言ってもらうというようなことは、もうないということでしょうか。それは必要ないんでしょうか。
○溝口知事:そういう仮定の話はわかりませんけれども、国のエネルギー基本計画にそういう文言がきちっと入ってるはずですよ。それを確認されてるということじゃないかと私は思いましたけどもね。
○毎日新聞:あくまでそこの部分について、報道なんかを見ますと、愛媛県知事さんは、首相からちゃんと言質をとるんだというようなところを非常に強く以前からおっしゃっていたというような報道もあります。だから、実際に首相の言葉として、紙に載ってる言葉ではなくて、首相の生の言葉として責任を持ちますという言葉が欲しいんだという表明がずっとあったんだと思うんですけども、そういう生の言葉というのは、知事は今後は、まあ必要はないという。
○溝口知事:そういう仮定の話には、今の段階で申し上げませんが、必要なことですね。
○毎日新聞:必要というのは。
○溝口知事:必要なことでしょう、それは。
○毎日新聞:そういう。
○溝口知事:政府が、政府のエネルギー政策の中で行われているわけですから、そこから起こるいろんな事態は政府が責任を持つということです。
○中国新聞:じゃあ関連で、今回、知事は島根原発の再稼働については、30キロ圏の皆さんの意見を聞いて、総意をもって検討したいというふうに言われてますが、今回、伊方原発の愛媛県もなんですが、一部、山口県も30キロに入ってる部分がありまして、知事としてはやっぱり、立地県の愛媛県だけじゃなくて、愛媛の知事は、やっぱりこの周辺の山口県の意見も聞くべきだと思われますでしょうか。
○溝口知事:聞く。
○中国新聞:聞くべきだという、山口県のほうの意見を。
○溝口知事:今回はどうされたんですって。
○中国新聞:いや、今後、稼働について判断するときに、愛媛の知事は山口の知事に意見を聞くべきかどうかというふうなとこですね。
○溝口知事:仮定の話ですから何とも言えませんね。
○中国新聞:仮定というよりも。
○溝口知事:広いことを言えば、例えば原発の事故が起これば、それは空気に乗って、いろんなところに流れるわけですよ。いろんなところが影響を受けるわけです。だけど、その全部のところまで意見を聞くということにはなかなかならないんで、一定のルールを設けているということでしょう。だから、そのルールに基づいてやるということが基本でしょうが、状況によってそれぞれが判断するという要素はあるでしょうね。
○中国新聞:ただ、島根県の場合は鳥取の意見を聞きますよと。
○溝口知事:島根県の場合は近いですしね。政府が鳥取県と鳥取県の取り扱いを同じようにされるということが大事だということで、原発の交付金なんかもちゃんとやってくださいということを言ってるわけです。だから、それがずうっと広いとこまで影響が及ぶ、じゃあそれもっていうことは、やはり一定のルールが要るでしょうということです。
○中国新聞:要は愛媛県と山口県の一部も30キロ圏に入っているんでですね。
○溝口知事:その詳細を私は知りませんから、それにお答えする用意がありません。
○毎日新聞:知事、済みません、先ほどの話、エネルギー基本計画の中に、確かに政府がホームページなんかで発表してる文では、(2)原子力というところで「万が一事故が起きた場合には、国は関係法令に基づき、責任を持って対処する。」という文言が入っているんですけれども、ここのところを指して、先ほどの発言を言ってらっしゃるということだと。
○溝口知事:そうです。私がそういうのを入れなさいと言ったことがあるんですよ。
○毎日新聞:これは、言葉として入っていれば、もうそれでいいという話なのか、改めてその……。
○溝口知事:いや、そんなことは言ってません。ただ、政府の方針として、それがありますということを申し上げたということです。だから、総理も求められればそういう発言をされるということです、ということを申し上げているんです。
○中国新聞:知事、先週も聞いたんですが、美郷町議会の意見書ですね、ちょっと先週はまだ見られてなかったんで、詳細はちょっとおわかりにならなかったと思うんですが、改めて今回、美郷町の意見書について、御感想をちょっと聞ければと思うんですが。
○溝口知事:美郷町ですか。意見書は拝見しました。要望のあった事項は、原発を含めた国のエネルギー政策と関連をしており、国の調整や支援が不可欠な事柄であります。私どもとしては重点要望等におきまして、国に広域避難の仕組みづくりや必要な財政支援について要望しています。さっき申し上げたようなことですね。美郷町を始めまして、県内の避難先市町とは定期的に意見交換も行っておりますけども、今後も協力して問題の解決に当たっていきたいというふうに考えております。
○中国新聞:それと、やっぱり今回、これまで原発問題といえば、この30キロ圏内のことが主だったんですけど、こうして避難計画、広域避難で周辺もだんだん影響を及ぼしていく中で、やっぱり被災地区から離れてる美郷町からこういった意見書が出たことについては、どういうふうに思われますか。
○溝口知事:そういう意見はいろんなとこであるんだろうと思いますね。難しいのは、じゃあ、それなら日本全国にするのか、近隣の国だって影響あるじゃないかっていうことにもなるわけです。近いところでは避難をする時間が短いですから、影響がやはり深刻になるという配慮、考えがあって10キロとか30キロということを一つのめどとしていると。便宜上のですね。だから、それを広げるか広げないかっていうようなことは、先ほどの交付金をどうするかといったようなことも含めまして、総合的に考えていく必要がある課題ですね。あるいは避難する時間があるのかないのかというようなことを含めましてね。それはそういうことで一つの回答が決まっているわけじゃないと思いますね。
○中国新聞:それと、今回一番大きかったのは、やっぱり原発に対しての安全を確保しなければ動かしてほしくないという、そういった意見書の中身があったんですが、それについては知事は美郷町議会に対してどういうふうにお答えするおつもりですか。
○溝口知事:まだ、そこまで対応していません。
○中国新聞:ただ、やっぱり30キロ圏外の方も原発については非常に不安を持たれてるっていうことなんで、そこら辺はどうやって解消していくかということだと思うんですが。
○溝口知事:現状では、その30圏内に入る周辺市を含めて、意見をお聞きをするという体制でやっておりますからね。周辺、それ以外のところも含めて、我々のほうで必要な対策を電力会社に求めていくし、政府にも要請をしていると、こういうことですね。
○中国新聞:だから、その安全については、もう電力会社と政府に要請をするということで県としては大丈夫だよと美郷町のほうには説明するというふうな。
○溝口知事:いや、そこまで具体的に考えていません。しかし、現実の問題としては、そういう問題なわけですよ。
○中国新聞:多分美郷町のほうも、今回の虚偽記録問題もあって、やっぱり不信感を持ってると思いますし、またやっぱり県都に原発があるってことで、何か事故が起これば、もう県全体に経済的にも影響が大きいということで多分心配されると思うんですけど、そういった心配はどうしても。
○溝口知事:それは常に残りますね。
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