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8月27日質問事項2

2全国学力・学習状況調査
○山陰中央新報:学力テストについてお伺いしたいんですが、ことしの4月に行った学力テストで、小学校が44位、中学校は33位という過去最低で、それを受けてどのように受けとめられますか。
○溝口知事:厳しい結果だと思います。今、教育委員会からも原因の分析だとか、あるいは今後の対応について話を聞いておりますし、私からもしっかりした対応をお願いをしておりますけれども、教育委員会の説明をお聞きしながら見ますと、まず正答率というのを見ますと、平成25年は小学校がやはり総合で44位だったんですね。それが平成26年、翌年には35位になって、今年度はまた44位に戻ったということですね。それから中学の総合は25年が24位で、26年は25位で、27年は33位ということで一定のレベルを維持しておられるけども、小学校のほうで、特に算数のA、Bというのが全国の正答率よりも2.8%ぐらい乖離がありまして、これが大きく順位が下がる要因になったようですね。国語はAですと32位とか、理科ですと35位ということで、前と余り変わらないわけですけども、小学校の算数が46位、45位ということで大きく変化したんですね。
中学校も算数のところが40位前後というふうなことで悪くなっていますね。そういう意味で、教育委員会の対応として算数の学習指導を改善、充実するためのプロジェクトチームを立ち上げて改善策を検討すると、当面、直ちの対応としてですね、そういうことを言っておられますね。
それから、県教育委員会と市町村教育委員会が連携、協力して、全ての小学校を訪問して算数の授業改善に向けての助言指導を行っていくと。改善の取り組みを12月の県学力調査で検証して、分析結果に基づいて全ての児童生徒の学力を育成できるよう、さらに指導の改善を推進するというふうな説明を聞いておりますけれども、教育委員会として、やはり原因の究明をしっかりやって、それに応じた対応をしっかりやってもらいたいということを私からは申し上げております。
教育委員会も、これまで26年度から30年度の計画として、しまねの学力育成推進プランというのをつくって、県と市町村の教育長をメンバーとした施策の検討やプランの見直しなどを実施をしておると。それから学力育成実務者会議ということで、実務者によってどういう対応をとったらいいかという検討をする、2つのグループを使ってこれまでも検討してますから、この中で早急な検討をしてもらいたいということです。
○中国新聞:知事、今、県のほうは子育て世代のU・Iターンを力を入れようということで頑張ってるんですけど、やっぱり今回の学力テストで、同じような田舎で、片や秋田は1位で、片やこの島根は44位だということだと、やっぱりどちらを選ぶかというときに、どうしても上のほうをちょっと行ってしまう傾向が出てくると思うんですよ。その中で、きのうの素案の中では、ふるさと教育とかは銘打ってたんですけど、改めて今回の結果を受けて、例えば総合戦略の中に学力テストで上位10位以内を目指すとか、そういった数値目標を入れたりするようなお考えはないでしょうか。
○溝口知事:それはやはり教育の現場でいろんな議論を重ねて、どうしたらいいかということをやはりよく考えてやられるということが大切ですね。
○中国新聞:プランでも一応学力アップって、底上げというのは大きくなってるわけなんで、そこでやっぱり数値目標というのをある程度つけたほうがまとまりやすくて、より高い結果が、より効果が出る結果が得られるような気がするんですが。
○溝口知事:それはあるかもしれませんが、そういうやっぱり現場の話は、やはり教育の現場でどういう対応がいいのかというのを、この原因の分析をして、どういうやり方が可能なのか、そういうようなことも含めて、やはりやっていただく必要があると思いますね。それはあなたの言うのも一つのアイデアですけども、目標だけでできるんじゃなくて、原因がどういうところにあって、そういうのがないとだめでしょう。そういうのがなくて、ぽんといったって、それは進まないんじゃないですか。
○中国新聞:ただ、今、一生懸命県としても30人学級とか35人学級に取り組んだり、図書館司書を置いたり、いろいろ教育で一生懸命やっているのに、この今回の過去最低の44位と33位というのは、知事にとってはやっぱり不本意な結果だったというふうな思いですか。
○溝口知事:その原因も、算数のところで大きな乖離が出てるというところがありますから、算数のところをどういうふうにしたらいいのか、なぜそういう状況になっているのか、そういうこともよく分析をしてやらないといけませんよ。そういうこと何もなしに、これでいきましょうというんじゃいけませんね。
○中国新聞:ただ、算数はここ一、二年のことじゃなくて、ずうっともう7年も8年も低空飛行なんで、もっと……。
○溝口知事:そういう問題について、やはり教育の現場にいる人たち、それからいろんな要因があると思いますよ。その上でやはりやらないといけませんね。

 

○山陰中央新報:済みません、教育の現場から先生のコメントで、算数の問題が最後まで読めないという、そういう子供がいると。読解力に問題があるんじゃないかっていう指摘もありますが、その辺はどう受けとめられますか。
○溝口知事:そこもそういう面があるかもしれませんね。
いずれにしても、教育の現場から、どういうことが影響してこういう結果になっているのかと、その問題点は何があるのかというのを把握しないと対応はできません。そのために、平成26年度からしまねの学力育成推進プランというのをつくって、県の教育委員会、市町村の教育委員会、それも教育長のレベル、実務者のレベル、2つつくってやり始めてるわけですから、そこで検討もしていただくということが必要ですね。いろんなことは言えますよ。言えますけども、そのためには原因、それに対応する対応をどうするかということが基礎じゃないですか。
○毎日新聞:知事、済みません、引き続きで学力テストの関係ですけれども、先ほど質問にも出ましたけれども、学力テスト、子供の教育に関することで、先ほど出たみたいに、U・Iターンとか、そういうような部分で、現在、全ての、もうほとんど地方もほぼ全ての自治体がU・Iターン、U・I・Jという言い方もありますけど、ターンということで、都市部からの移住を働きかけているという現状があって、その中で今回、学力テストの点数が低迷したということは、影響はあると思われますか。
○溝口知事:そこはわかりませんね。
○毎日新聞:わからない。
○溝口知事:それは予測がつきませんね。
○毎日新聞:予測がつかない。
○溝口知事:だって、そういう人たちと会って聞かないといけないでしょう。
○毎日新聞:会って聞かないといけない。
○溝口知事:動機が何であるとか、U・Iターンしたいという動機が何であるかというようなことにも影響するわけですね。それはやはり学力のこともあるでしょうけども、豊かな自然の中とか、あるいは農業をやりたいとか、そういう動機もかなりU・Iターンの中にはあるわけですから、そういう意味で、学力に対する考え方というのは人によって随分違いますね。あるいはどういう教育を受けたらいいのかというのも、それは人によって違いますね。学力をつけるために小さいころから塾に行くとか、そういうのがいい人もいるでしょうし、そういうことよりももう少し友達と仲よくするとか、あるいは自然の中でするとか、いろんな考え方があるわけですから、それは一概に、それは人によって違いますから、いずれにしてもそういうことを見ないといけませんね。
○中国新聞:ただ、関連で、今、県内の小規模高校ですね、学校は県外入学で何とか生徒を増やそうというふうな努力をしてるんですが、逆に今回の結果は、県外から来る小規模高校に入学する方々、親御さん、本人さんにとって、そこには影響があるとは思われますか。
○溝口知事:県外留学ですか。
○中国新聞:まあ県外からですね。
○溝口知事:県外からは、高校生ですよね、一人で来られるのは。それは増えておりますね。
○中国新聞:そのときに、島根県の学力が全国で低いと思ったら、そこへ行っても大丈夫かなと、やっぱり不安が出るような気もするんですけど。
○溝口知事:そこはそういう考えもあるかもしれませんけれども、それは実態をよく見ないとわからないでしょう。
海士町などはいろんな人が、それから学力そのものだけじゃないですからね、人間として大事なことは。いろんな要素があるわけですから。だから、それは人によって違いますから。

○山陰中央新報:済みません、U・Iターンだけじゃなくて、今、県内にいる人たちが定住するという、この島根県内に残るという意味でも、学力は大切な資源になると思うんですが、学力は大切な資源になるというふうに。
○溝口知事:学力だけであれば、それは都市でね、競争の激しいとことか、あるいはそういう塾のあるとこでやるという人もおられるでしょうけども、そうでない人もたくさんおられるということでしょう。
○山陰中央新報:島根県の中で学力を高いレベルに上げていくっていう考えで、ほかに算数のプロジェクトチーム以外に、抜本的な対策、何か考えられますか。
○溝口知事:この問題はいろんな考え方がありますから。ただ、算数の部門で悪いといったのは明らかに出てるわけですから、そういう問題をどう対応するかということはいろいろ、それはやや技術的なことかもしれませんね。そういうことをやっていけば解決する、現に25年から26年にかけましては算数のほうもかなり改善してるわけですよ。だからそう何か、いろんな場面によって、やり方によって変化も起こるわけですから、こういう教育でありますとか、そういう学力についての問題というのは、一刀両断にこうしたらいいということにはなかなかならないわけでありまして、いろんな状況を見ながら対応していくということじゃないでしょうか。
○毎日新聞:知事、済みません、追加でお伺いしたいんですけれども、学力テストに関して、例えば今回、全国的な傾向を見ると、大阪府が非常に下位だったものが随分改善したと。その理由の一つとして言われているのが、大阪府教委が中学生に対して高校受験のときに学力テストの成績を内申点に含むというようなところで伸びたんではないかというふうに言われてるものがありますけど、こういうようなやり方というのは、賛否両論あると思うんですが、知事、そういうようなやり方というのはどう思われるか。そしてまた、そういうようなやり方っていうものを島根県でも導入すべきと思われるかどうか、そこを。
○溝口知事:そういうことについては、私が一般論で言うわけにいきませんね。
○毎日新聞:あと、学力テストがその人間の全ての、学力テストの結果イコールその人の価値でもないと思いますし、学力テストの点数イコールその人の学力を全てあらわすというものでもないとは思います。ただ、ある一定の基準というか、指標にはなると思いますが、今後、例えば学力に関するところでは、島根の場合、医師不足なんかの部分もあって、県内での医師養成、県内の人が医師になるというようなとき、やっぱりそれなり、一定の学力みたいなのが必要になってくる。そういうふうなところへの影響みたいなものっていうのはどうでしょうか。
○溝口知事:それは分布がこうなってますからいろいろ違うでしょう。全てが問題じゃなくて、それは個々人の話でしょうね、そういう話になりますとね。
○毎日新聞:ただ、きのうの県教委の説明では、成績、そういうのばっかり言っても仕方ないんでしょうけども、成績の上位層の数というのが全国平均よりも少ないというような結果も出ていたようですけれども、いかがでしょうか、その辺。
○溝口知事:いや、ちょっとわかりませんね、私は。
○山陰中央新報:知事、算数についてピンポイントで対策打つのも必要だと思うんですけど、子供たちがどういう環境に置かれてるとか、学校現場はどうだとかって、そういう抜本的なとこも見ながら対策打っていかないといけないのかなっていうふうに思うんですけど。
○溝口知事:そういう意味では、父兄の方の御意見なんかもよく聞いてやる必要がありますね。
○山陰中央新報:知事が2009年に図書館活性化事業として力を入れて、司書の全校配置を進めたと思うんですが、図書館の環境整備は進んでいて、そういった中で国語の点数も下がっていると、算数もそもそも読解力がないと、そういうふうな結果が出ていますが、特に国語の読む力でも大きく全国と差が出ていますが、その辺の政策と学力テストの関連性をどう考えますか。
○溝口知事:難しいですね。本を読むこととテストとはまた別の問題でしょう。
○山陰中央新報:読解力……。
○溝口知事:まあ重なる部分はかなりありますし、それから読書というのはいろんな広い世界にね、あるいは自分の好きな分野に本を読む子もいますし、いろんなことを読む人もいますし、それは人さまざまです。

 

○山陰中央新報:済みません、学力テストに話が戻るんですが、先ほど知事が図書館教諭の、司書教諭の配置と学力テストの読解力との関連性はわからないとおっしゃったんですが、この図書館の司書事業を始めたもととなるのが、子供の読解力とか思考力を養うためだというふうにして始まったかと思うんですが、それと関連性というのは今後検証されることはあるんですか。
○溝口知事:そういう関係などについても、それはやられると思いますね。ただ、私が言いますのは、読書というのはいろんな広い目的がありますからね、それから読む人の関心も違いますし、読み方も違いますし。それがいわゆるテストの学力とダイレクトにどういう関係になるかということは言いがたいですね。
○山陰中央新報:じゃあ今後、思考力とか読解力を養っていくためには何が一番重要だとお考えですか。
○溝口知事:そこは今簡単に私が答えるわけにいきませんね、難しいです。
○山陰中央新報:やっぱり読書はそれでも重点な……。
○溝口知事:大事ですね。
私なんかはやっぱり、世の中のことを広く知るためには、本とかいったものを読むということが大事だと、そういうことによって、自分のやりたいこととか、あるいは自分の望むものとか、そういう刺激を受けるということが大事なことだというふうに思ってますけど。個人的には。


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