7月22日質問事項2
2合区
○山陰中央新報:知事、済みません、参議院の選挙制度改革で、前回の記者会見でもお伺いしたんですが、その後、参院の自民党が地元の県連に説明に来たり、あと、きょうも本部のほうで総務会を開いたり、早ければ週内にも決着するんじゃないかというような見立てがありますが、改めて今の状況ですね、一貫して反対の姿勢を貫いてはこられてるんですが、動向を見られて、所感があればお願いします。
○溝口知事:この問題は、国会の場で国がどうするということを決める問題でありますが、県の立場、地方の立場からしますと、合区になりますと、県を代表する人が明確にいないということになり得るわけですね。意見が違ったような場合に、一人の人格がこっちのこうだっていうわけにいかないでしょうからね。我々の立場としては、都道府県制ということがあるわけですね。それがあって、都道府県で国の施策の県ごとの計画をつくったり、いろんなことをするわけですから、県の立場を参議院、衆議院においても代表して国政の場に伝えてくれる人がいるということが必要だろうというのが県の立場です。
他方で、国会で議論になってますのは、長年、訴訟があったこととも関連するわけですけども、一番低いところと高いところの格差が広がると憲法違反になる可能性があるということで、そこをどうするかという議論がずっとなされておるわけですね。しかし、今度は合区をすると、私が申し上げたような都道府県制というものとの関連はどうするかという議論は、その議論の中ではなされないわけですから、それはその議論ではなくて、別の法律でもいいと思うんですけども、国会の場でそういう問題にどう対応するかということを決めるべきだというのが私の立場です。最近の、きょうあたりの新聞を見てますと、とりあえずと申しますか、最高裁が違反のおそれであるとか、いろんなことを判決を出されている最低のところと最高のところの調整は合区というようなことでやることも、まあやむを得ないという方向に与党のほうでは傾いているようですね。他方で、さっき申し上げたような、今度は都道府県制という問題をどうするかと。その中での問題はないかということは附則で検討するというような動きになってると思いますね。私はそれはいいことだと思いますね。
その場合に、憲法改正をしてそういうことをする必要はないのではないかというのも私の意見ですよ。国会の場で都道府県制を前提にした場合にはこういうことが必要だと、こういう制度が必要だという法律を新たに出して、今回のあれは別として出して、国会の中でそういう制度を新法によっておつくりになるということがいいんじゃないかと思いますね。憲法改正してやる必要はないんで、国会の場として公平なやり方だと、例えば一県一票は保障すると。今、一人区ですと、前から申し上げてますが、たしか岐阜が200万人ぐらいですかね。そこまでは一票ですと。あとは200万で輪切りのようにしていって、それに応じて、例えば参議院なら参議院の人数を確定をしていけば、一つの案ではないかと思います。ただ、それが今度は憲法違反かどうかというのは、そういう制度に対して、その制度に反対される方がおられれば、それは最高裁に訴えられるとか、そういうことになっていき、それでやはりその問題は最高裁で最終的には決めるということになるでしょう。
あるいは、その展開がどうなるかわかりませんけども、そういうようなやり方でやられるということがいいんではないかと。ただ、今、報道などで議論されておるのは、今度の法律の附則の中にそのようなことを盛り込むということでありますが、内容までは書いてありませんけどもね、私は前からそういう案を考えてはどうかということは、余り大勢じゃないですけども、言ったりはしております。
○山陰中央新報:今のお話を踏まえると、新法という新しい法律の話はされたんですけども、今回、今おっしゃったように附則のところで知事のおっしゃる、まず都道府県代表一人を確保した上で、その上でまた話をしろというのは、今回の附則を見ると、まあこの議論としてはかみ合ってくるかなという認識をお持ちでらっしゃる。
○溝口知事:今までない議論ですからね、都道府県制というものが大事だということはいろいろ、国会、国政の場でも認識される人が多くなってるということじゃないでしょうか。
○中国新聞:知事、今の話だと、国会議員一人一人というよりも、都道府県ごとに一票とか二票とか、人口に応じてやる制度がいいんじゃないかということですね。ですからアメリカの上院みたいに各州が二票持つような形で、知事がおっしゃったのは、200万人を境に人口割で一票とか二票とか三票とか。
○溝口知事:それは上院の場合はそうですよね。
○中国新聞:そういったことを参考にということですね。
○溝口知事:上院がやっても、そういう、全部一人である必要もないわけですよね。それは人口に応じて増やしたっていいわけです。ただ、最低一票は必要じゃないかと。
○山陰中央新報:知事がおっしゃるのは、一番下の鳥取と北海道を比べるから、その格差が出るわけであって、一人区の中でも一番大きい岐阜と、要は北海道を比べると。
○溝口知事:いや、北海道じゃなくて、衆議院じゃないですよ、参議院において、東京と一番下の鳥取と比べると非常に格差が大きいという議論だけでやっておられるけども、そうじゃなくて。
○山陰中央新報:同じ一人区の中でも鳥取じゃなくて。
○溝口知事:やはり都道府県制がある中では、都道府県を代表する人がいるというのが公平上必要なんじゃないかと。そうすると、都道府県一票というのを確保して、例えばその一票の一番大きいところが200万人だとしますと、あとは輪切りでふやしていけばいいんじゃないですかと。特に参議院を念頭に置いた議論ですね。
○中国新聞:知事はやっぱり、憲法には一人一票というのは明確に書いてないんで、そういった意味で、そういうふうにしても大丈夫だということですね。
○溝口知事:それはいいんだと思いますよ、考え方の問題ですから。
○毎日新聞:知事、済みません、先ほどの説明の確認なんですが、改正数が1のところの中の人口で比べるということ。
○溝口知事:そんな厳密なとこまではあれですけど。
○毎日新聞:いや、今のお話なんですが。一つの考えだと思うんですけれども、一方、国会に代表として出ていった各議員にとっては、一人区で出ても二人区で出ても、東京のように、何人でしたか、5人、6人いるところでも、国会に出ていって、それで一票を投じるというところになると、その権利に特に一人区だから、二人区だからって差が出るわけじゃないですよね。そうすると、今最高裁が言ってるような一票の格差の問題の解消にどうつながるのかなというところがちょっとわかりづらかったんですが。
○溝口知事:それはいろんなやり方があると思いますよ。ただ、代表する人がないというのは困るということを言ってるわけです。
○中国新聞:先週、東京へ行かれて、地元、国会の選出議員さんにお会いされましたけど、そのとき今の御自分の持論を説明されたとか披露されたりはしたんですか。
○溝口知事:説明したことはあるかということですか。
○中国新聞:うん。
○溝口知事:それはありますよ。
○中国新聞:反応はどうでしたか。
○溝口知事:そこら辺はいろいろですね、考え方の問題ですから。
○毎日新聞:済みません、もう一回確認なんですが、どの都道府県でも必ず一人は確保するという前提でやるということですか。
○溝口知事:ええ。
○毎日新聞:ただ、それっていうのは現状も変わらないんじゃないですか。
○溝口知事:どうしてですか。
○毎日新聞:いや、今はそういうような、いや、だから、今の合区の議論以前の話で、これまでの現状でいうと、必ず一人は、必ず県代表は置いておこうという流れで今まで来て、そこに対して最高裁、司法のほうがそれはもう一票の格差の観点から問題だというふうに言ってるんじゃないんですか。
○溝口知事:ちょっとわかりませんが、要するに最低のところと最高のところの比率だけで議論するのはおかしいんじゃないでしょうかと。それで合区ということになると、合区になった、例えば2つの県は意見が違ったような場合に、誰も県の側の意見を国政の場で言う人がいなくなるという問題が生じますねと。したがって、今の最高裁の憲法違反かどうかというのは、最低と最高の比率だけでやってますから、そうじゃなくて、じゃあ、そうした場合に合区にすると違う問題が出てくるでしょうと。そうすると、その問題については別途手当てをする必要があるんじゃないかというのが基本的な考え方ですね。
○朝日新聞:別途手当てする必要というのは、具体的にどういうものを考えてらっしゃるんですか。
○溝口知事:だから、それはさっき申し上げたように、今、一人区で、参議院でいいますと岐阜が200万人ぐらいですよ。そこまでは都道府県一票は確保しますと。あとは200万人に対して400万人のとこは2人にしますよ、600万人のとこは3人にしますと、そういうふうなやり方でやれば、一票の格差というのはほとんどなくなるんじゃないでしょうかということを申し上げています。
○山陰中央新報:一番下と上ではなくて、一人区の一番大きいところと一番上を比べたらっていうことですか。
○溝口知事:そうじゃなくて、切っていきますから同じことになるわけですよ。
○山陰中央新報:いや、格差の話でいうと。
○溝口知事:格差はないということでしょう。要するに各県一票は認めるということを前提にすれば。まあちょっと技術的な話だから、ここで余り議論しても。
○山陰中央新報:知事、今の話、そこの話は理解はしたんですが、そうすると、比例の話もあわせてまた、その配分をしていくと、また調整。
○溝口知事:比例はまた違う話でしょう、それはね。
○朝日新聞:知事、済みません、200万人のところで区切った場合、島根70万人なんで、格差が出ると思うんですけど、それがよくわからないんですけど。
○溝口知事:そういうので不公平かどうかっていうのは、例えばそういう法律をつくって、その上でまた次のプロセスに入ればいいんじゃないですかということです。
○朝日新聞:でも、最高裁は憲法の話で言ってるわけで、法律で解消できる問題なんでしょうか。
○溝口知事:最高裁が言ってるのは、一番低いとこと高いところの格差をこうしなさいと言ってるだけですね。
○朝日新聞:まさに200万対70万でも変わんないと思うんですけど。
○溝口知事:違う案は議論してないんです、それを合区にした場合の問題はね。だから、それは国会がやる必要があるんでしょ。
○山陰中央新報:それ、今の話で質問があった200万人と70万人のところで最高裁が、もし今その話で。
○溝口知事:言えば、それはまたそういう。
○山陰中央新報:不平等だって話になるかもしれないですよね。
○溝口知事:そうそう、なるかもしれないですよね、それはね。
○山陰中央新報:ただ、知事のおっしゃる……。
○溝口知事:だけど、それはそのときに考えればいいわけですよ。
○山陰中央新報:一人の確保するっていう手段としては、そういう案があるんだけども、その改正法が憲法と合憲性があるかって話になると、またそれは議論が出てくるだろうということですよね。
○溝口知事:それは出てきた時点でやればいいんじゃないですか。ただ、そういう議論を一切やってないでしょと言ってるわけですよ。
○山陰中央新報:そうですね。
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