10月24日質問事項5
5.地方創生
○山陰中央新報:知事、済みません。話変わるんですけど、地方創生に絡んで、安倍首相が来年度から自治体が自由に使える交付金の制度の創設も考えておられるようなことも発表されましたけども、このことについてどういうふうに受けとめ……。
○溝口知事:知事会などもそうですけども、人口問題に対応するためには、一定の資源をそこに投入しないとできないわけですね。資源ということは、現実の世界でいえば財源がなきゃいかん。それをやはり、地方は財政の状況も厳しいわけですし、課税権を持っているのは概ね国なわけですね。それは、そこで徴収された税を補助金でありますとか交付金でありますとか、あるいは交付税というような形で地方に渡して、それで地方はそれを活用していろんな施策をやってるわけですから、ある意味で人口減少対策をやろうとすれば、子育て支援を強化するとか、あるいは個別自治体でいえば産業振興を行うとか、やっぱりそういう財源を用意をしなきゃいかん。結局それも国民が負担するわけですけどもね。やはりそれは配分の仕方によって負担が変わってくるわけですね。いずれにしても交付金を活用してやろうということはいいことですし、知事会にも我々も言ってますけども、各地域で状況は違いますからね、状況に合ったような施策が展開できるためには、できるだけひものつかない交付金がいいと、あるいは交付税が望ましいということですね。
○山陰中央新報:その中で、そのお金をどうやって使って、どういう効果が出たかという検証する仕組みっていうのも導入されるようなお考えも言っておられるんですけども、それと、島根県は中山間地とか離島も抱えてて、なかなか都市部に比べて目に見えて効果が上がってくるようなこともなかなか難しいようなことを思うんですけども、この効果を検証するような仕組みを導入するということについては、いかがですか。
○溝口知事:それは一定の仕組みが必要だという考えは理解できますけどね。どういうやり方でやるかということが明らかでありませんから、内容をよく見てということじゃないですか。
○山陰中央新報:あと、総額でいくと、年間で2,000億円ぐらいだっていうような話なんですけど、額については。
○溝口知事:まだまだ検討中のようですよ。
○山陰中央新報:いや、検討中なんですけども、今、そういう2,000億というような数字も出てるんですけども、その2,000億ということについては。
○溝口知事:非常にモデストだなという感じでしょうね。
○毎日新聞:2,000億については、先日、町村長さんとの意見交換のときに、意味合い的に言うと、ちょっと少な目じゃないかなというような感じの発言を知事、してらっしゃったように記憶するんですけれども。
○溝口知事:ええ。2,000億で決まってるわけでもないみたいですね。まだいろいろ政府も検討されてる状況じゃないかと思います。
○毎日新聞:もうちょっとふやしてほしいという。
○溝口知事:もうちょっとというか、問題の大きさを考えますと、相当のことが必要でしょうね。
○毎日新聞:2,000億は……。
○溝口知事:僕が前から言ってますのは、日本全体としての人口の増減というのは、社会増減というのはないわけだから、結局自然増をふやすほかないわけですね。自然増ということでいうと、死亡率のほうは、これは人工的にコントロールできませんから、そうすると出生数をふやすということが大事なわけですよ。そういう観点からいうと、フランスなど、あるいは欧州なんかで見ますと、GDPの3%ぐらいをそういう子育て支援だとか、あるいは住居手当だとか、いろんなことをやってると。日本は1%ぐらいだと言ってますね。そうすると、フランス並みにそういう子育て支援をふやそうとすると、GDPの2%ぐらい要るということになるでしょう。で、そのGDPの2%というと、消費税でいえば4%ぐらいになるわけですね。欧州の諸国は消費税20何%とか、非常に高いわけですよ。だから、欧州は高福祉高負担という道を選んでそういうことをやっていると。日本は中福祉中負担ということで来てるわけですから、まだそこに一挙に行くわけにはいかないでしょう。国民全体の、それは考えを聞きながらやらなきゃいかんですね。しかし、そういうふうにしないとなかなか出生率は上がっていかない。しかし、上がらなくてもできる努力をできる限りやっていこうと、やっていく必要があると、そういう考えですね。
○山陰中央新報:知事、先日、市長とか町村長との意見交換されて、創生本部にも要望されると思うんですけども、そういう意見を踏まえて、市長とか市町村長の意見を踏まえて、どういうところを重点的に訴えていくことになるんでしょうか。例えば少子化対策であったりなど。
○溝口知事:市長会、町村会の意見なども聞いてまとめておりますけれども、島根自身で、全国共通の部分を除いていったりしますと、地方に対する支援も、地方の実態、実情が違いますからね、そういう実態、実情に合ったような支援を国が考えていく必要があると、こういうのが第1点ですね。
そういう中で、中核都市といった問題については、画一的に人口20万の中核市にならないとそういう支援の対象にならないというんじゃなくて、松江市を初めとして中海・宍道湖圏域で見ると66万ぐらいになるわけで、そういうところにも支援ができるようなことを考えてもらいたいと。
そして、その次のレベルでいうと、島根県は東西なんかに長いですから、医療を確保するとか、いろんなことになりますと、人口が3万、4万、5万でも一定の中核的な機能を果たさなきゃいかん。そうすると、そういうところにも支援ができるようなことをやらなきゃいかん。
さらに、中山間地域、離島ということになりますと、集落によっては非常な人口の減少が進んでますから、集落単位で一定の支援を行うということも必要ですね。そういうことをやはり政府として考えてもらいたいということであり、そういう意味で、地域の実態に合ったような支援を考えてもらいたいというのは、我々の要望の大きな一つですね。
○山陰放送:知事、そういう面で、松江の市長も会見の中でおっしゃっているんですけども、出雲、宍道湖、中海、大山という一つの圏域で、経済一つになって県境を越えて、もう中海圏、大きな動きの中で地方創生に向けて、鳥取県の出身の石破大臣がおられるということも一つあると思うんですが、しっかりそこのところを特徴立てて、財政もあわせてそういうのをちょっとアピールしていきたいということを言っておられますけど、そういう面で、地域に合ったという意味では、松江市が中核都市になるのも、一つの大きなブロックとして、そこのところを何か地方創生として国に求めていくとかっていうような、そんな考えも出てるんですけど、知事、そんな、その地域に応じたという意味ではどうですか。
○溝口知事:ええ、そういう要素を入れております。
○山陰放送:それも踏まえてということですか。
○溝口知事:はい。
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