6月27日質問事項2
2参議院選挙区の「合区」
○中国新聞:知事、昨日、参議院の合区案というのがまた出まして、新たな案が出まして、以前の、1カ月前ぐらいでしたかね、会見のときも聞いたんですけど、そのときはかなり、どっちかというと否定的な見解を述べられてましたけど、今回の案でも、結局いろいろ変わったんですけど島根と鳥取が合区になるというところは変わってないわけなんですけども、改めて知事の今回の与野党の協議会が示した案についての知事のお考えというのをちょっとお願いします。
○溝口知事:やはり1票の格差という問題もありますけどもね、地方行政は都道府県制、市町村制ということで行われていますからね、国政の選挙となりますと、比例区等は別にして、都道府県を単位に選挙が行われていますから、そして行政の相当の部分が国の法律に基づいて都道府県が実施をするといったものがありますから、やはり都道府県単位で国政の場で都道府県を代表する人たちが、国会議員の方々が国政の場でそれぞれの都道府県を代表していろんな意見を言っていくということが合理的であるというふうに思いますので、そういう意味で、合区ということになりますと、そこら辺が不分明になるということもありますね。
○中国新聞:フブン……。
○溝口知事:不分明。
○中国新聞:一方で、1票の格差というのは是正をしないといけないということで今、そういう案が出てきてるわけですけども、そのことと比較した場合に、やはり都道府県で1人、国会議員が出ないということのほうが、やっぱり知事としては深刻なんじゃないかと。
○溝口知事:それはいいと思いますけどもね。ただ、そこは国会の中の議論ですからね、実際にどうするかというふうに決めますのは。それから最高裁の、司法の判断というものも重い意味を持っておるでしょうから、そういうものも踏まえてどういう対応をすべきかというのをやはり国政の場できちっと議論をしてお決めになる必要があろうというふうに思います。我々は地方を代表する者として、できるだけ都道府県を直接代表する人たちが国政の場で活動されるということがいいと思っていますけども、そういうことは言ってまいりますが、具体的にどうするかというのは、それぞれ国政の場で議論をされる必要があるというふうに思います。
○中国新聞:例えば県として何かそれを言っていくと言われましたけど、国に伝えていくということは、今お考えですか。
○溝口知事:それは、一般論は申し上げますよ。都道府県を代表するような仕組みを残すことが必要だということを言っておりますが、その具体的な仕組みをつくるということについては、やはり国政の場でそれぞれ議論されていますから、国政の場で合意を図るということが大事だと思いますね。
○毎日新聞:合区については、どうもその修正案が示されて、一部、修正はありましたけど、島根・鳥取については当初と変更がなくて、一人合区ということで、知事としてごらんになって、そういうやり方っていうのは現実的だと思いますか。
○溝口知事:現実的かどうかということは、それはそれぞれ関係する選挙区なり、あるいはやはり国政の場で議論すべきことでしょうね。
例えば全部が、例えば中国5県が合区なんかになったりしますと、どこが代表かというのは必ずしも難しいことになりますわね。今は島根の場合は鳥取・島根というようなことになっていますが、どこかの前の案だと、どこか非常に大きいところと、たしか大阪府と和歌山でしたかね、そんなことになると、一体誰がどう代表しているのかというのが不分明になっていく可能性がありますわね。
○山陰中央新報:知事としては、都道府県代表というのは当然維持してもらいたいんだけど、やはり司法の突きつけてる1票の格差というのもきちんと加味しながら考えていくと。
○溝口知事:いやいや、加味するというか、それは国会の中で司法の判断をどう判断するかという問題になりますね。
○山陰中央新報:知事としては、その司法の判断というのも重いという。
○溝口知事:私はもうちょっと抜本的な論議をして、そんな、一番少ないとこと一番多いところを比較するというようなことでなくても、いろんな考え方があり得るんじゃないかというような気もしますよ。
○山陰中央新報:今のは人口で割ってるからああいうふうな格差が出てくるんですけども。
○溝口知事:人口(有権者)にしても、これは個人的なあれですけどね、いろんな勉強もしてますけれども、例えば1人区ですと、岐阜あたりまで入りましたかね。そうすると、岐阜のあたりですと170万人ぐらいあるわけでしょう。それと島根・鳥取も含めて1人区になってるわけですよ。そこで格別、1人区でおかしいという議論があるわけじゃなくて、まあそういうことでしょう。どこのもね、人口(有権者)が同じにはなかなかならんわけですよ、発展の仕方が違うわけですし。だけど、許容する範囲内に入ってるということでしょう。そうすると、一番低いところと1票のあれを比較して、それがどうかというのは非常に狭い考えのような感じは個人的にはしますね。
だから、そういう議論を、根っこからの議論はあまりなされてないわけですよ。とりあえず司法の何倍ぐらいというのがあったりして、その何倍というのもあまりはっきりしてるという感じはしませんけども、その中でやっぱりやらないと、司法の判断を根本から覆すようなことはなかなか難しいというような現実的な判断が国会の中でもあるでしょうね。
いろんな意見交換をしたりすると、そういう話も聞きますね。そうすると、やはり今の制度を前提にして司法の言うことも、格差があんまり拡大しないようにすると合区のような議論が出てくるわけですけれどもね、果たしてそれでいいのかというような疑問はありますよ。もっといろんな論議があってもいいんでしょうが、なかなかそこが一つにまとまりにくいというところもあるやに聞いていますね。
ただ、我々としては、いずれにしても都道府県という制度が国民の生活に与える行政として大きな意味を持っていますから、都道府県単位でやはり代表を出してくる仕組みを考えていただくのがいいことだということはありますが、じゃあどうしたらいいといっても、なかなかそこは、国政の場でそういう議論が出てこないと進みませんね。
○中国新聞:知事、大分勉強されてると言われましたけど、そういう、ある意味ちょっと小手先というか、ちょっと調整するような議論だと、どうしても島根・鳥取というのは一緒になってしまうわけですけど、もうちょっと抜本的な改革……。
○溝口知事:それも結局は、例えば総務省の選挙部なんかへ行きますと、そういう議論は行政が、総務省がやってないわけでして。参議院の場合ですと、たしか脇さんのもとにチームができて、案外やってるわけでしょう。そこがやってるから、そこに対してどうこうということは政府の中でもしてないわけですね。だから、そこはやはり国政の場でやる必要があるでしょう。
それから、現実に違憲というようなことになると、これはまた短期間に制度づくりをしなきゃいかんというようなことにもなったりするわけでしょうし、もろもろ難しい問題があるので、それはやはり当事者の中で実際的な議論はするという現実があるということですね。しなければならないと。
それから、ずうっと以前から司法でそういう流れで来てるわけですよね、1人当たりの格差ということで。それに対して国政の場でも、その流れの中で問題の解決を図ってますからね。だから、そういう大きなというか、長い歴史のある中で、全然違う考え方が通っていくのかというと、これはなかなか難しい問題だという気もしますね。
したがいまして、我々は原則論はずっと言っていきますけども、そういう具体的なところになると、それはやはり実際の、この問題に直接かかわる、国会でも参議院の方でやってるでしょう。そういうことでやらざるを得ないのかなあという気もしますが、地方のほうの立場として、原則的な考えはよくお伝えをしているということです。
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