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5月23日質問事項1

1原発(大飯原発訴訟、避難計画)
○山陰中央新報:知事、済みません。21日に福井地裁で大飯原発の3、4号機の差しとめ訴訟で、福井地裁が再稼働は認めないっていうような判決を言い渡したんですけれども、当然知事も報道とかでその判決内容とかは御存じだと思うんですけど、まずどういうふうに受けとめられたかっていうのを、まず教えていただけますか。
○溝口知事:今回の判決は、住民の方などが発電、原発の発電会社である関西電力に対して起こした差しとめの訴訟でありまして、いわば民事訴訟なんですね。それについて地裁のほうでは差しとめを認めるといいますか、そういう判決をされたと。それで、いろいろな解説も出ておりますが、他方で、行政のほうに対して起こした訴訟じゃなくて、行政のほうは行政としての判断で、あるいは規制委員会の規制基準に合致するかどうかで進められるんですけども、他方で、民事訴訟のほうも、関西電力のほうは控訴するということでありますから、まだ決着してない状況ですね。
いずれにしても、大事な問題でありますから、規制委員会におかれましても、こうした動きもよく見られまして、裁判所の判断などもよく検討され、規制委員会として、これまでのやり方でいいのかどうか、そういうようなことも含めて検討されるだろうと思いますし、そういう意味で、私どもとしては、いずれにしても規制委員会が電力会社の原発を稼働させるかどうか、安全基準が守られているかどうかという判断をされるわけですから、きちっと安全基準に基づいた対応をしてもらいたいということでしょうかね。

○山陰中央新報:知事、今おっしゃった大事な問題というのは、どういう問題ですか。
○溝口知事:大事なというのは、それは訴えを起こした人以外にも、やはり原発の安全性をどういうふうに確保するかというのは大事な問題でありまして、行政としては、それを規制基準という形で電力会社に示して、それを守るように、満たすようにいろんな対応をするように求めてきておるわけですね。だから、他方で、今回の訴訟は、関西電力に対する民事訴訟ですから、規制基準そのものに直接は影響しないわけですね。ただ、そういう地裁の判決も出てますから、最終的な司法としての判断がこの段階で確定したわけじゃありませんけども、一つの新しい材料でしょうから、規制委員会としてもそういう点などもよく、判決の内容なんかもよく見られまして、規制委員会の対応についてもしっかりしていただきたいと。規制委員会として、きちっとした判断を規制基準に基づいてやってもらいたいと、こういうことじゃないですか。
○山陰中央新報:今回指摘した基準地震動がどうだとか安全対策は十分かとかっていうのは、これ大飯原発だけじゃなくて島根原発でも共通する話だと思うんですけども、今回の判決っていうのが島根原発の審査とかにも影響するっていうふうにお考えになりますか。

○溝口知事:そこは、規制委員会がどう判断されるかということによるでしょうね。他方で、判決でどういうデータに基づいてということよりも、最終的にはリスクというのはゼロにならないといった観点から、いろんな判断をされておるわけですから、そういうものとの関連で、国が、あるいは規制委員会がどういう規制基準で適当なのかということを考えて出しておられるわけですから、そこは司法の判断が最終的に確定しないと、司法の判断自身が規制委員会の方法を修正するということにはならんわけですね。しかし、いずれにしても地裁でそういう判決も出てるわけですから、そういう点などもよく考えて、規制委員会としてきちっと安全審査をやってもらいたいと、こういうことですね。
○山陰中央新報:規制委のほうへの注文はよくわかったんですけども、これ中国電力に対して今、当然安全対策とってるわけであって、それで中国電力に対しての求めることってありますか。
○溝口知事:それはやはり、その仕事は、行政としてどうするかというのは、それは規制委員会がやるほかないですね。それは規制基準という形で公開して、それに基づいて電力会社が対応しているわけですから。ただ、民事訴訟は、それとは関係ないわけですね。関係ないというか、民事としてどうだという判断を下しているということでしょう。

○山陰中央新報:もう一つ、今回の判決で、憲法で保障されてる人格権というのを持ち出してというか、それで原発の経済性とかいうよりも、やっぱり住民の安全というのが第一じゃないかというようなことで踏み込んで判決出しているんですけども、その、いわば何というか、経済よりもやっぱり人の命というか、住民の安全だっていうことを判断した今回の……。
○溝口知事:それも裁判所、司法としての一つの判断でしょうね。ただ、それと行政として、施策として、政策としてどうするかというのは、必ずしも一致するわけじゃないわけでしょうが、いずれにしても、司法における最終的な判断がどうなるかということは、まだわからんわけですね。こういう問題については、例えば規制委員会に対して規制基準が問題ではないかという訴訟だってあり得るわけですね。薬害なんていうのもあるように聞いてますけども、今回のやつはそうじゃなくて、民事裁判における一つの考え方を示されたということでしょう。だから、そこら辺の関係がどうなるかというのは、政府のほうがどう受けとめられるかということにもかかっているわけですよ。

○中国新聞:済みません、その関係でいきますと、民事訴訟だというのを強調されてますけど、民事訴訟であって、規制基準に直接、規制基準の是非を多分今回審判したわけじゃないということですよね、知事が言われているのは。
○溝口知事:そこはそういうふうには言いませんけども、規制基準のほうは行政が定めてますから、そこについては今回の裁判では言及がないんじゃないですか。
○中国新聞:そうすると、規制委のほうにしっかり対応していただきたいというのが、何を対応するんかというのがよくわからないんですけど。
○溝口知事:それは一般論として、いずれにしてもいろんな見解があり得るわけですから、あらゆる見解を受けとめて、これが適切な規制基準かというのを決めるのは規制委員会ですからね。
○中国新聞:それで、そういう民事とか行政訴訟とか、そういうことに、そういうのをちょっと取っ払ったときに、一つ、非常にリスクがやっぱり高いものを動かしたらいけないんじゃないかというのが今回の判決なわけですけど、そういう意味でいうと民事も行政も関係なくて、そういう判断が電力会社に対して示されたというのは、全国でも結構、福島の後では初めてですし、一つのそういう意味では、ある意味、珍しい判決だったと思うんですけど、今、まさに島根でもちょうど同じような民事訴訟と行政訴訟というのがあってまして、これがこういう、今回の司法の判断が全国のほかのところにどういう影響を与えるのかというところあたりは、知事はどういうふうに思われますか。

○溝口知事:そこは私がどういう状況であるかという、各地の状況はそれぞれでしょうから。いずれにしても、司法の、地裁の判断としてそういうものが出ておるということでありますから、それは行政における行為、その行為を直接縛るもんじゃありませんけども、しかし、そういう判決もありますから、そういうことは国民の関心が非常に高いということでしょう、この分野において。やはりそういうものを踏まえながら、規制委員会はどこまで規制基準を厳しくするかということをやってこられてるわけですから、それは一つの材料にはなるんだろうという気がしますね。
○中国新聞:材料というのは。
○溝口知事:それは、規制基準なんかがそれでいいのかどうかっていうことですね。
○山陰中央新報:ということは、見直しも。
○溝口知事:だけど、それは行政に対する訴訟じゃないですから、行政に対して今回、基準を見直しなさいというところまでには行ってないわけですね。

○中国新聞:その基準とか、そういうのをちょっと超越したような判決なのかなと個人的には思ったんですけど、行政訴訟ではないんで、知事の言われるようにですね。
○溝口知事:ええ。だから、要するにこれだけの安全対策をとらないとだめだとか、とったらいいとかという判断を数字的にあらわしているわけじゃないんでしょう。
○山陰中央新報:一つ、ちょっと注目したのが、地震の揺れというのが、電力会社が見込んでいるよりも非常に大きな地震が来る可能性がないとは言えないというようなことが判決の中にありまして、それは多分どこの地域でもある意味共通なんかなと思うんですよね。今ちょうど中国電力が活断層の調査なんかやってますけども、知事は地震のリスクということに関して、島根でも宍道断層と、海域に断層ありますけど、その辺に対して今、中国電力にどれぐらいの、今ちょうど調査が進んでいるんで、どういうスタンスでその辺やってほしいのか。
○溝口知事:それはやはり専門家が地震のリスクをはかり、それに基づいて規制委員会がそれぞれの原発ごとにいろんな基準を出してるわけでしょう。そこが適切かどうかという問題でありまして、それは規制基準、中国電力というよりも、規制委員会がどう判断するかという問題じゃないんですか。

○山陰中央新報:ただ、最終的にはそうなんですけども、その前に規制委に示すのは中国電力なわけですね。
○溝口知事:規制委員会がまさに中国電力などから来た対応策を見て、これでいいのかどうかという審査を行うわけですよ。
○山陰中央新報:そうなんですけど、知事として、今回ああいう判決も示されたとこですし、改めてそこで中電に求めるものとかというのはないですか。
○溝口知事:それは中電にどこまでどうしなさいというのは、やはり規制委員会のやるべき仕事ですね。規制委員会はそのためにできているわけです。それで我々も、規制委員会が行う判断に対して、我々はどう判断しなきゃいかんということはありますよ。それで、我々のほうも専門家の意見を聞いたりして判断をしようということです。
○山陰中央新報:知事が言われた中で、規制委員会が出す判断について、県としてどういうふうに判断するかということもあるということですけど、それを考えるときに、今回のこの大飯の判決というのは考慮されるものとして知事は考えられてますでしょうか。
○溝口知事:何を言っておられるんですか。
○山陰中央新報:規制委がその判断を出すわけで、今回、その大飯の中では、基準地震動の問題であるとか、そういったことも上げられているんですけれども、それを踏まえて規制委が判断をして県のほうに判断を求める可能性も出てくるわけですけれども、それを判断するときに、知事としては今回のこの判決というのは……。
○溝口知事:どういうことを言っておられるのか、ちょっとわかりにくいですね。

○毎日新聞:済みません、判決文を全文読んでると、使用済み核燃料があることについての懸念というんですか、そこの部分が非常に厳しく書いているように思うんですけれども、知事もこれまで定例記者会見の場なんかでも、原発に使用済みの核燃料があるということで、とまっている状態でもリスクがゼロというわけではないというところは明確におっしゃってきたと思うんですけれども、この判決は非常に使用済み核燃料が、場合によって水がなくなったりして大きなリスクになるという可能性も指摘しているようなんですが、これまで中国電力はあんまり使用済み核燃料の部分についていろんな対策というのは余りアピールしてきていないように思うんですけれども、知事としてその辺はどういうふうに思われますか。
○溝口知事:それはやはり規制委員会の規制基準がありますから、それに適合するようにやるということが第一義でしょうね。

○毎日新聞:中国電力も福島の事故以降のいろいろな対策で、国が何らかの基準を示す前に対策を行ったりとか、国が示しているもの以上の対策をとったりというような形で、国の基準に適合するというところを超えた部分までやってきて、それを大きくアピールしている部分、幾つかあると思うんですけれども、使用済み核燃料の部分については余りないようなふうにも見えるんですが、知事として何か、そこの部分での懸念であるとか、もしくは何らかお考え、もしくは中国電力に何か、言いたいことと言うとあれですけれども、ないですかね。
○溝口知事:今行われていますのは、規制委員会はこれまでの事故であるとか、いろんなことも検証したり、あるいは専門家の意見を聞いたりして、この規制の基準を定めて、それをクリアしないと稼働ということは認めませんよと、こういうことでき来てるわけでしょう。だから、基準の体系の中にそういうものが、今のプールも含めて入ってるわけですね。ただ、各電力会社が出してきて、これに該当するというようなことがありますが、しかし調査が十分でないとかいうようなことがあって、それは規制委員会がさらに再調査を要請するとか、あるいは対策を要請するとか、そういうことは起こるわけですね。我々が具体的にそういうものがどういうふうに行われているかというところを詳細にわかるわけじゃありませんから、それはやはりそういうものが適合かどうかという判断をしている機関が第一に判断しなきゃいかんわけですね。まだそのプロセスにありますが、ほとんど規制委員会の審査は進んでないでしょう、中国電力の関係などにつきましても。

○毎日新聞:いや、ただ、知事もこれまで、昨年12月の中国電力の適合性審査の申請の前の段階であったり、その後、知事も六本木の規制庁のほうまで行かれて、いろいろと適切な審査をしてくださいというふうにお願いに行ったりしてらっしゃる中で、個別具体的なところでここの部分をしっかりやってくれとか、そういうようなことは電力側にも規制庁側にもおっしゃっていると思うんですよ。ただ、その中に知事、これまでは定例会見の中でも再三再四おっしゃってる使用済み核燃料の話っていうのは余り触れられてないようにも思いますが。

○溝口知事:その点は、規制委員会のいろんな中国電力の申請書をチェックする段階で、まだまだ詳細な審査が行われていませんからね。どういうところにさらに問題があるかというような点は、これから審査が進む中で出てまいりますから、私が以前から3・11で事故が起こって以来、中国電力などに言ってまいりましたのは、まだまだ保安院の時代でありまして、まだ規制基準もはっきりしてないと。しかし、規制基準ができるのを待ってたんじゃだめなんで、どんどんできるところからやってもらいたいと。例えば津波の影響なんていうのが最も影響が大きいと想定されましたからね、早く防潮堤をつくったり、いろんなことをやっぱりやるべきだということは申したりしましたが、その後、やはり規制委員会が新たにできまして、規制委員会自身がいろんな基準を示してやっておるわけですね。その基準に基づいて電力会社はやってきてますし、電力会社自身が規制委員会の基準よりももっと対応したほうがいいようなものは、それぞれの判断でやられるということもあるでしょうし、それは問題ごとにケース・バイ・ケースで決まるわけでありまして、私どもが言うかどうかというような話は。全部我々がこうしなさい、ああしなさいと言うことはできませんね。ただ、いろんな情報なんかがありますし、ほかで起こったことなどについて先行グループが既にやっていれば、そういうこともやっぱりやらなきゃいかんでしょうというようなことは言えますけれども、詳細に入って規制の中身について我々が網羅的に言うということは、それはなかなか難しいことですね。

○山陰中央新報:知事、それで今、大飯については、今、規制委員会で審査が進んでるわけであって、その新規制基準というのもそれに基づいて、大飯についても審査やってるんですけども、それの審査が終わる前に、今回、司法のところが安全対策が十分でないとか、基準自身の。それを独自に判断するっていうことはどう……。
○溝口知事:それは司法として、民事訴訟としてやられてるわけで、規制庁の基準がどうだということは別の話じゃないですか。
○山陰中央新報:いや、それは言ってないですけど。ええ。だから……。
○溝口知事:要するに数字の面で幾らあれしても、それはゼロにならないということは多分あるでしょうからね。だから、そこはやはり規制庁自身が原発の審査を行っているのは、政府としてエネルギー政策上、原発というのがすぐにゼロにするわけにいかないと、一定の稼働が必要だという大きな政策の枠組みがあるわけですね。その中で原発の安全性を確保するためにはどういう規制が必要かと。一般論があって、それで個々の原発については、ここはこういう地形だから、こういう点はちゃんとやらなきゃいかんというのも個別に審査をしているというプロセスでしょう。だから、政府として、国策として、要するにある程度の原発は当面必要だという判断に基づいてなされているわけですね。司法の民事訴訟のほうは、そういうことは別に置いといて、リスクが完全にゼロになるわけじゃない、いろんな問題があるから、そこは非常に大局的な観点から判決を今回出されたと。ただ、それでいいかどうかというのは、電力会社が、それでは十分じゃないんで控訴してるという状況にあるということじゃないですか。
だから、2つありましてね、だから民事訴訟的には、こういう基準ではだめだとか、ここまでならいいとかということは対象になってないわけでしょう。リスクは残ると。

○中国新聞:そのリスクが残るというのは、これまでも原発訴訟はいっぱいあったんですけど、リスクがあるから運転をしたらだめだというのが出たのは福島の後初めてで、そういう意味で珍しい判決なんですけども、そのリスクがあるから、これだけのリスクがあるから、福島でこれだけのリスクもわかったし、動かしたらだめだよということについては、率直に知事はどういうふうに思われますか。
○溝口知事:それは地裁の判決として、そういう判断をされたと、こういう認識をしているということです。
○中国新聞:それはそうなんですけど、知事御自身としてはどういうふうに思われますかということ。
○溝口知事:それについて私、コメントはできませんね。他方で政府のほうは、日本のエネルギー政策の枠組みから見れば、一定の原子力発電というのが必要だろうと、日本経済にとって。そういう観点から一定の基準を満たすものを稼働していこうという政策を出しておられるということでしょう。

○山陰中央新報:ということは、再稼働……。
○溝口知事:それレベルが違うわけですね。
○山陰中央新報:再稼働、ほんじゃあ……。
○溝口知事:レベルというか、視点が。
○中国新聞:視点が違うんですけど、そういう判決が出た……。
○溝口知事:そこのところは最高裁なり上級の、今度は次の段階ですけれども、そういう中でいろんな議論がなされるんではないかと思いますけど。
○中国新聞:多分きっとなされるし、なされるべきだと思うんですけど、司法の判断って、やっぱり一つ重たい意味があると思うんで、政策はそうで、司法はこうでって、議論が、レベルが違うということじゃなくて、政策にそれは少なからず影響を与えるもんだと思うんですね、司法の判断というのは。そこについてはどうですか、知事は、今回のは。
○溝口知事:それは、私は一定の影響はあると思いますね。それは司法として、地裁ですけれども、判断をされたというのは、司法としてはそういう考えがあるというのは政府の政策にも、それはそういうことに対して政府がどう考えるかということは当然残るでしょうね。

○中国新聞:菅官房長官は、あの後の会見で、今までどおり規制基準をクリアしたものは再稼働していくという考えは変わりませんというふうに、これまでと同じようなスタンスで言われてたんですけども、今、そういう影響はあると思うということは、逆に地裁の判決を何らか政府もしっかりと受けとめないといけないという御認識ですか、知事は。
○溝口知事:いやいや、そこは、何といいますか、司法として最終的に確定しているわけじゃないですから、現段階で私がどうコメントするかはできませんね。
○中国新聞:それはまだ地裁レベルではいいわけですか。
○山陰中央新報:知事、済みません、大飯の件なんですが、先ほど知事が言われたんですが、今回、司法としてそういう考えがあるというのは、政府がどう考えるかは残るというふうに言われたんですけど、どう考えるか、政府がどう考えるか残るというのは、具体的に言うと、知事がこう思われてる中で、どう考えるかというのは、何が具体的に残るということですか。
○溝口知事:具体的にというか、それはそういう地裁の判決が出たという事実は、いろんなことを考える際にも、それは頭の中に入れていろんなことをお考えになるでしょうが、ただ、ダイレクトにそれが影響する関係にはないだろうということを申し上げているわけです。

○毎日新聞:済みません、大飯の関係で1点、判決で、原告の範囲を原発から半径250キロ圏内、原発から半径250キロの範囲内に住んでる人について、範囲内に住んでる原告について訴えを認めたということで、ある種、原発から250キロという、かなり広い範囲をとってるんですけれども、大飯原発から250キロといいますと、今、知事が記者会見してらっしゃるこの島根県庁も大飯原発から230キロから40キロの間ぐらいということで、250キロ圏に入るんですけれども、率直にこの広さというのをどういうふうにお考えになりますか。
○溝口知事:それはコメントは難しいですね。
○毎日新聞:広いなと思われるのか。
○溝口知事:そういうことが、どういう観点から、どういうふうな事態を想定して、どういうふうにというようなことがないと、なかなかそれでいいとかどうかということをコメントするのは難しいですね。
○毎日新聞:福島の事故の……。
○溝口知事:それはやはり、そういう問題はやはり、規制庁なり専門家でまずやはり、問われた場合にどうするかということは考えるべきことでしょうね。

○毎日新聞:例えばだから島根原発から250キロという範囲をもしとったとすれば、相当な広い範囲で、福井県とかまで入るわけですよね。
○溝口知事:そういう仮定の話に対して非常に、私が専門的な知識を持ってるわけじゃありませんから、そういう点は私が今この場で何かコメントをするということは難しいですね。
○中国新聞:済みません、しつこくて済みません。今、この地裁の判決が出て、一方で島根の2号機は新規制基準への適合性審査というのが進んでますけども、知事がさっき言われた、民事裁判なので新規制基準そのものがどうだというものじゃないというふうに言われましたけども、そうすると、この2号機の今の審査に今回の地裁の判決が何らかの影響を与えるとか、そういう影響はないというふうに知事は。
○溝口知事:わかりません、そこは。
○中国新聞:ただ、その規制基準がどうこう……。
○溝口知事:いや、そこを私に聞かれても、私が答え得る材料を有していません。
○中国新聞:答える材料はないというのはどういうことですか。
○溝口知事:それは、どういうふうにそういうことが影響するかということについての。
○中国新聞:ただ、知事が先ほど言われた、規制基準どうこうの判決じゃないという意味からすると、今回、今の審査に影響を与えるもんじゃないと捉えるのが普通だと思うんですけど。
○溝口知事:そういうことかどうかは別として、要するに行政訴訟ならそこをどうするかという問題が出てきますし、それから最終的に、もう一つの問題は、司法としてそういうことで決まったわけじゃないわけでしょう、まだ。
○中国新聞:それは地裁ですから、それはそうなんですけど。
○溝口知事:私が申し上げているのは、そういう地裁であっても、司法の場でそういう考えが出てるということは、それは政府におかれても認識をされるわけですから、そういう面で具体的な影響が出るかどうかはわかりませんけども、そういう性格のもんだろうということを申し上げているわけです。

○中国新聞:知事、済みません。原発の避難計画の話で、今回、今度の来週の知事会で広島と岡山とそういう原子力避難、広域避難に関する協定を結ぶ見通しだということは聞いてるんですけども、そのテーマの中で、今、避難手段が圧倒的に足りない。バスが、この前の秋の議会で、中国地方から全部集めてきても必要台数の4,400台の半分ぐらいしか集まらないというのがあるんですけど、これ、この問題は事故が起きて3年、もう3年余りたってるんですけど、解決されないでずっと来てるわけですけども、この避難手段について改めて、どういう、このままだと、はっきり言って避難はほぼ不可能なんじゃないかなと思うんですけど、どういうふうにこれを解決していこうといいますか、何が一番この解決に重要だと思われますか。
○溝口知事:そういう万が一の場合の避難計画をつくっていこうということで、去年の秋でしたかね、政府と地元と一緒になって検討していこうということがあり、各関係の、島根県では4市、鳥取県2市、それぞれ避難計画をつくってきておりまして、それに基づいてどういう避難をするとどういうことが必要になるかとか、そういう検討も行っておりますから、そういう中で、これから具体的な避難計画の具体化をさらに詰めていきたいというふうなのが現状ですね。

○中国新聞:その詰めていきたいといっても、バスをですね。
○溝口知事:だから、そういうバスなんかも含めて、利用可能なバスがどのぐらいあるかとか、どういうふうにしたら避難が円滑に進むかとか、そういうことを考えながらずっと各関係市、それから県も検討してきておりますから、そういうプロセスの中で、さらに検討が進めばいろんなことを発表するつもりでありますけどもね。まだその段階じゃありません。
○中国新聞:今の段階で、原発の事故が起こったときのスムーズな避難というのは、知事は可能だというふうに思われますか。今の計画の段階で。
○溝口知事:そこは、そう簡単にできるできないという問題じゃないでしょう。


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