5月9日質問事項4
4原発(宍道湖断層調査、避難計画)
○山陰中央新報:知事、済みません、中国電力が宍道断層の追加調査をするということを決めたんですけれども、5月中に着工する予定ではあるんですが、まずこれについてどのように受けとめられてますでしょうか。
○溝口知事:規制委員会からそういう要請が出て、それに基づいて中国電力が調査をされるということですから、規制委員会の安全性審査のプロセスで必要な作業が行われているというふうに思います。
○山陰中央新報:2号機の審査の段階でも、各市町村の規制委に対する申し入れでも宍道断層というところはしっかり調査をしてくれというような意見もあって、県民としても注目度は高いと思うんですが、その中で、これまで中電は追加調査をやらなかったわけですけど、そういった規制委の指摘に対してやられるということに関しての評価というのは、知事はどのように。
○溝口知事:規制委員会がさまざまな観点から必要と思うものを調査をされるということは当然な任務ですから、その任務遂行の中で起こっていると、こういうふうに理解をしています。
○山陰中央新報:調査をする側の中電に対して、何か求めることっていうのは。
○溝口知事:それは、規制委員会にきちっと納得されるような、納得というか、規制委員会が必要とする調査をやっていただきたいということですね。
○山陰中央新報:中電は今まで追加調査する必要はないと言ったところに、規制委がやりなさいというようなことを言って、それに対して中電が応えたということに対して、知事はその中電の姿勢に対して評価はされますか。
○溝口知事:評価とか、そういう問題じゃなくて、審査は任務としてやるわけですから、ある意味で命ずる行為でしょう。それを受けるのはある意味で当然ということじゃないですか。
○山陰中央新報:知事、済みません、原発絡みでもう1点。この間、福島の視察されて、避難計画の実効性を上げていかなきゃいけないとか、課題もいろいろお感じになったと思うんですけど、今、鹿児島県の川内原発で規制委が人員を優先投入して、夏にも再稼働かって言われてますけど、その中で地元の鹿児島県が30キロ圏内の市町村と一緒になって避難計画の説明会というのを先日から開いているんですけども、知事としてはどこかのタイミングで、島根原発の2号機もどこかで再稼働という話になってくると思うんですけども、どこかのタイミングで避難計画の説明会というのを開く必要性があるかっていうのをどうお考えになりますか。
○溝口知事:避難計画は。
○山陰中央新報:住民に対しての避難計画。
○溝口知事:それは、その具体化に応じて当然やっていくでしょうね。
○山陰中央新報:それは、住民に対する説明会というのは必要なのかどうか。
○溝口知事:だから、避難計画というのもいろんなレベルがありますからね、抽象的なレベルもあるし、それから市の段階で、もうこの地区はこういうようなところに集合して、こう行くというような具体的なところまであるし、いろんなレベルで、レベルに応じてそれぞれの市でやりますけども、もちろん県と一緒になってやっていくということじゃないかと思います。
○山陰中央新報:それは再稼働、今、川内原発が再稼働が一番近いって言われてるっていう中で、避難計画についても市民、県民に理解してもらう必要があるからっていうことで、改めて住民に対しての説明会を開いているんです。
○溝口知事:いろんなレベルがありますから何のことかわかりませんけれども、訓練なんかはもう今までも地域の住民の方とか、あるいは児童生徒だとかも入ってやっていますね。そういうことをやっていきますし、それからさらに地区ごとにどういうふうに避難をするかというようなレベルになりますと、それは例えばある市が、周辺市が地区ごとにやっていくということもあるでしょうし、あるいはまだ抽象的なレベルですと代表の方に説明をするということもあるし、いろんなことでなされると思います。
○山陰中央新報:ええ。再稼働するに当たって、きちんと避難計画、まだ住民説明会というのは開かれてないと思うんですけども、再稼働するに当たって、県民に対して避難計画というのを理解してもらうような住民説明会というのは開く必要があるかどうかっていう。
○溝口知事:再稼働の話はまだ……。
○山陰中央新報:いや、別ですけど、どこかのタイミングで。
○溝口知事:別の話で、ただ、それは安全審査もまだ何も終わってないわけです。それはそういうこととは直接関係ありませんね。そういうこととは関係なく、いずれにしても原発が存在する以上、万が一の対応というものはやっていかなきゃいかんということで、国と立地自治体と一緒になって避難計画をつくったり、あるいはいろんな整備をしたり、それをやってるプロセスに今あるということです。そのプロセスの状況状況に応じて住民の方に説明しなきゃいかんことが、レベルまで来ますと、それはやっていくということですね。さらに細かいレベルまでやらなきゃいかんということになりますと、やっていくという。一般論でいえばそういうことです。
○山陰中央新報:いや、一般論はわかるんですけど、それは島根県としても、いつかのタイミングのところで……。
○溝口知事:それは先の話ですから、ある意味で、それはそういうことになるでしょう、そういう事態になれば。まだそんなことに言及しなきゃいけない状況じゃないですね。
○山陰中央新報:必要性はあるということですよね、そういうふうにやっていく必要はあるということですよね。
○溝口知事:それは当然あるでしょう。
○中国新聞:知事、宍道断層の話でちょっと追加ですけども、宍道断層というのはもともと中電はないと言ってまして、それが8キロになって、10キロになって、22キロになって、さらにそこで調査の必要はないというふうに言ってたところが、今回、規制委員会のほうから詳細なデータを出しなさいと言われたんで、じゃあ調査をしますという、ここに来てようやく追加調査ということに乗り出したわけですけど、まずこの中国電力の姿勢というか、これについて、規制委はさっき言われたように任務をちゃんとやってるということだと思うんですけど、中国電力がこれまで相次いで長さの訂正をしてきたというのがまずあって、さらに調査を、22で終わってたわけですけど、データが不足していると言われたんで今回やりますと。このことについて、まずどういうふうに思われますか。
○溝口知事:そのことというよりも、電力会社は政府の規制の枠組みの中でしか行動できないわけですね。あるいは事業ができないわけであって、過去の段階では、だから保安院が規制当局であったわけですね。それから法律もあったわけですけども、ただ、当時の段階としては、福島原発で起こるような事態を規制当局が想定していなかったんで、多分ああいう事故が起き、事故が起きたために規制委員会が規制をきちっと強化しようということで国会の審議を経て新しい法律ができて規制委員会ができて、そのもとで規制委員会が厳格な審査をされているということだと思いますね。中国電力というよりも、規制の枠の問題じゃないですかということを申し上げているわけです。
○中国新聞:まさに枠組みの問題なんですけど、そうなんですけど、これまで要は専門家の中とかにも、地質学に詳しい専門家の中にも、もっと詳細な調査が必要なんじゃないかという声はあったんですよね。あったところが、それしてなかったわけですけど、今回、規制委から要請をされてやりますというぐあいになった……。
○溝口知事:いや、どこまでそういうものを安全対策をやるかというのは、大きな国の規制の枠組みの中で決まってくるということでしょう。
○毎日新聞:ただ、済みません、一方で、中国電力は福島第一原発事故の後に、国が何かの指示を出す前に先取りしてというような形で津波対策をやったりとか、いろんな対策をやってきてるわけですよね。知事は先ほどから規制の中でしか事業ができないというふうにおっしゃってますけれども、そういうところにおいては中国電力は規制の枠を超えて、規制をより厳しいような立場で自分たちでいろんなものをやってきている。一方で、宍道断層についてはそういう、もっと調査したほうがいいんじゃないかという声もあったりしても動かずに、最終的に国に言われてようやくやるというような形になってるわけですよね。ある種、電力会社の中でダブルスタンダードになっているようなふうにもとれるんですけれども、そういうような状況を知事はどう思われるのか。
○溝口知事:そこは、あなたの見方でしょうね。
○毎日新聞:知事はそういうふうには思われないですか。
○溝口知事:私は、それは電力会社は原発の安全性に関する国の法律でありますとか、あるいは規制当局の枠内で安全基準を満たすようにしなきゃいかんわけでありましてね、最終的にはやはりそういう規制の枠組みの中の話だろうというふうに思います。
○中国新聞:最終的にはそうなんですけど……。
○溝口知事:したがいまして、我々が望むのは、規制当局に対しましてきちっと安全審査をやってもらいたいと、その結果をきちっと説明してもらいたいと、こういうことです。
○中国新聞:ちょっと記憶が曖昧なんで、もし間違ってたらあれなんですけど、先ほどもありましたけど、事前了解を認めたときに、たしか宍道断層なんかについても、というのもあるので、そういう部分についてもしっかり審査をされることを、県としてもたしか要望されてたと思うんですよね、規制委に対して。だから、それだけ県としても宍道断層というのは原発近くの活断層なので、慎重に調査をするべきだというスタンスでおられたと認識してるんですけど、そのことについて、若干対応が遅かったというか、後手後手の感もあるのかなと個人的には思うんですけど、そこら辺、知事はそういうふうには思われないんですか。
○溝口知事:そこは、やはり電力会社は国の法的な枠の中で、それを守りながら事業を行うという立場にあるわけですよ。それでもちろんその枠組みがそれでいいのかどうかという議論は随分あるわけですよ。ただ、そこをどう判断するかというのは、最終的にはそういう国の規制当局の判断によるほかないんじゃないですか。
○中国新聞:だから、今回のある意味、実質指示をされて追加調査するというのは、そんなに違和感はないというわけですか、知事の中では。
○溝口知事:いや、規制当局も国民の皆さん、あるいは住民の皆さん、あるいは自治体の皆さんなどがどう考えているかということを、当然それは配慮しながら安全基準をつくり、もちろん技術的な要素がありますよ、技術的要素に加え、人々の関心事項も対応しながら、安全基準をつくり、それについてもどこまでやるかという判断をされるんだと思います。
○山陰中央新報:その宍道断層については、今までないと言っていたものがどんどん伸びてきてるという経緯があって、だからこそ住民の不安も大きくて、それで市町村とかも厳重な、厳格な審査をということで要望されてると思うんですけども、やっぱり今回、追加調査ということを決めた以上は、中電に対してきちんとした調査をやってもらいたいという思いは当然知事として。
○溝口知事:それはあらゆる問題について、こういう意見もある、こういう意見もあるということは出てくるわけですよ。それで、中電と、それから断層についていろいろしなきゃいかんという人もあるけども、その人の間ではなかなか物事が決められないわけですよ。そのために国の機関がここまでだとか、これで安全だとかという評価をするわけですよ。それで、過去の体制ではそれが十分でないということで新しい法律をつくって、新しい枠組みをつくって、新しい基準ができて、今やってるということですよ。そのプロセスでそういう問題を新しい規制機関は指示をしたというふうに理解してますけど。
○山陰中央新報:それはわかるんですけども、さっき言ったのは、要はこれまで活断層の距離が伸びてきた経緯があるわけです。
○溝口知事:だから、それは両方の意見がありますと。だけど、それをどこまでするかというのは、両者の間ではその意見が終結しないわけですよ。しかし、そういうものを終結するのは規制をしている、電力会社の事業について安全性を審査する政府の規制当局だということを申し上げている。
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