4月4日質問事項5
「島根原発の周辺自治体」
○中国新聞:原発の話ですけども、個別の。青森県の電源開発の大間原発というのがありますけど、ここの周辺自治体の函館市が昨日、電源開発などを相手取って運転を差しとめ、運転しないでほしいという中止を求めることを提訴されたんですけども、背景にここの島根の原発と同じような状況があって、やはり立地自治体のみに稼働への権限というのが限られているというようなことがあるようなんですけども、ちょっと改めて知事の、島根原発の30キロ圏の自治体も島根原発の稼働に関して同意する、不同意をする、そういう権限を与えてくださいというふうなことを今、中電に申し入れてますけど、これがなかなか実現してないという状況がありまして、県内では出雲、安来、雲南と、これ島根県の自治体なので、その3市の市長はそういうふうな主張をされてますけども、その3市を抱える島根県の知事として、いわゆる電力事業者、電力会社と周辺自治体が立地自治体並みの権限を定めた協定なんかを結ぶことについて、周辺自治体の思い、これは多分全国同様の思いなのかなと今思うんですけども、その辺、改めて知事のスタンス、やっぱり電力会社は結ぶべきなのかどうなのか、ちょっとお聞かせください。
○溝口知事:それはいろんな側面があるから、今、全部そこを厳密に答えるのは難しいですけれどもね。電力会社は各地にありますからね、各地で同じような問題があるわけでして、やはり中国電力には可能な調整はしたほうがいいという趣旨のことは言っていますが、中国電力も電力事業体全体でどういうふうにするかという側面もありますしね。それから、その立地自治体の場合には、法律に基づきまして国の交付金だとかがあったりして、やはり国の制度とも非常に関連しているわけですね。だから、国のほうでやはり一定の調整をしないと現実には難しいですね。
そして、あと技術的には、了解をするといった協定は、自治体と電力会社との間の協定になりますわね。それは国が関与するわけじゃないんで。そうすると、複数になった場合、あるいはほかの原発でありましたけども、県外の何県かが関係するといったようなことになりますと、意見が違う場合にどういう調整をするかというメカニズムがないと、なかなか協定自身を大きく変えるということは難しいという側面もありますね。だから、いろんな問題がありますから、そこら辺がやはりうまく解決できるようなことを考えていかなきゃいかんと思いますけども、そのためにはやはり国自身が、エネルギー政策の一環として原発というものの稼働があるわけでして、だから、そこはやはり国がもう少し関与しないと話は進展しないんじゃないかというふうに私は見ていますけど。
○中国新聞:去年の10月ですね、10月の末に県が再稼働の際に3市の意見を聞きますという協定は県との間に結ばれてますけど、これは聞きますというだけなので、逆に言うと、周辺自治体に何らかの否定する権利や肯定する権利があるというものではないですよね。
稼働について否定したり肯定したりというような決定権がある協定じゃないので、その3市はやはり島根県と松江市と同じような権限を持たせてくださいというふうに言ってるわけですけども、国の関与が必要だというのは知事、前から言われてますけど、県として、その3市を抱える県として、国のほうに何らか働きかけていくというか、3市は国に行かれたりとかしてますが、県のほうとして国に働きかけていく、強力に働きかけていくとかいうようなお考えは今ないんですか。
○溝口知事:国には3市の要望なんかはたしか、あわせて伝えていると思いますけれどもね。
○中国新聞:3市のということじゃなくて、県としてです。
○溝口知事:いや、それで県としては、やはりそういうことについては立地自治体の了解もないといけませんからね。しかし、私はいろんな話を政府の関係者と話すときには、やはりそれは国が関与してしないと、この問題はなかなか解決が難しいですよと、そこをやるべきじゃないですかというような趣旨のことは話しておりますけれども、そこはなかなか進展しませんね。
○中国新聞:その会話レベルじゃなくて、県として公的に、公に働きかけるということは今お考え……。
○溝口知事:そのためには、やはりあれでしょう、県として行うということになりますと、やっぱり立地自治体との意見の一致がないとなかなか難しいでしょう。
○中国新聞:それは松江市ということですね。
○溝口知事:そうですね。
○中国新聞:それは松江市と今、その周辺3市の見解が若干違うという。
○溝口知事:それで、その原因は、いわば国の制度にあるわけでしてね。だから、そこが大きな難しい問題ですからね。
○NHK:知事、国の制度に原因があるとおっしゃいましたけど、国のどういった制度に原因があるとお考えですか。
○溝口知事:それは、一つは立地自治体に対しては立地自治体に対してのいろんな財政的な支援もあるでしょう。じゃあ、そういうものをどうするのかという問題にもなるし、あるいは周辺自治体も近いところと遠いところとね、現実にはあるわけですわ。そこら辺の意見をどういうふうに、違った場合にね、調整するかというメカニズムがないと難しいですね。
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