3月6日質問事項5
5林業公社
○日本経済新聞:済みません、ちょっと別の話を聞いていいでしょうか。きのう1時から、財政的援助団体監査の結果に関する報告がありまして、この中で林業公社のことを触れてますけれども、まず、知事、今の段階で林業公社の経営に対してどういうスタンスで臨もうと思われているのかをお聞かせください。
○溝口知事:林業公社ですか。
○日本経済新聞:ええ。で、昨年、経営改善のものが出ているということも踏まえた上なんですけれども。
○溝口知事:林業公社のそうした森林を育ててやっていこうというのは、戦後の林業の活用でありますとかね、いろんな観点から国策としてできてきて、そういう形でやってきているわけですね。その後、外材がたくさん入るようになったりして、国産材は相対的に高いので、切って売るということがなかなか難しくなってね、したがって過去にいろんな投資をしたけども、それを回収できる状況になってないので、もう少し長期的にそれをいろんな努力を続けていくことによって回収していこうということで行われているわけですね。もう一旦ロスが出てますから、しかし、それを林業公社をやめる場合もありますけども、同じことですね、実態は変わりませんから。まあいろんな形で間伐材を活用するとかね、あるいは主伐によって搬出される木材をうまく活用するとか、収益が長い期間を通じて上がっていくと、それでこの問題を解決していこうというのが国の考えでありますが、我々もそれに沿ってやっておると、こういうことですね。
○日本経済新聞:きのうの報告書の中では、私は一番この林業公社の問題が大きいと思いました。というのは、滋賀県が既に特定調停をやったりとか、それから今、秋田とか長野で同じことをやっています。それで、まずきのうの報告書の内容についてどう考えられましたですか。
○溝口知事:それはちょっと専門的、それはきのうもらったばかりですからね、これは9月の段階で回答するということになっていますから、その段階でよく。
○日本経済新聞:わかりました。それから、あと県は350億ぐらい融資を、お金を貸していて、無利子でですね。それから、政策公庫と合銀、まあ合銀は6億ですけれども、やっぱり210何億貸していて、民間の分は債務保証がついていますけれども、これは一般的に言うと財政健全化比率にも影響しますし、実際持ちこたえられなくなって宮崎とか、奈良とか、滋賀とか問題になっていますが、これについてはどうなんでしょうか、巨額な借入金。それから、県が無利子で350億、公社に貸し続けているということは。
○溝口知事:それは、今の実態を反映しているということですね。倒産するわけにいかないです。
○日本経済新聞:倒産させないという意気込みでやっていらっしゃるということですか。
○溝口知事:それは長期的な経営改善をすることによって負債を少なくしていこうということです。
○日本経済新聞:ただ、状況は変わっていますし……。
○溝口知事:輸出なんかもふえるとかね、いろんなことがありますから。
○日本経済新聞:ちょっと長くなってあれですが、ただ、素人から考えるとちょっと疑問があるのは、きのうの報告書でも平成95年ですから、これから70年後に経営努力をした結果、赤字が160億円に減るという、ちょっと想像できないような前提のもとで再建プランが立っているんですけど、これはちょっと何か県民に説明しにくいんじゃないかという。
○溝口知事:その事態は前から続いておるわけでしてね。そういう方法でやっていこうということです。
○日本経済新聞:ただ、一旦清算するという話もありますよね、もちろん。そうすれば利払いとまるし。
○溝口知事:同じことですね、それは。
○日本経済新聞:同じことですか。ただ……。
○溝口知事:結局、じゃあその分は、例えば県が負担をするというふうになると、県の一般財源でやるということになりますね。そうすると、その分だけ県債がふえるということになりますね、そうでない場合と比べると。だから、県債で負担するのか、利子補給でするのかという違いだと思いますよ。
○日本経済新聞:ただ、少なくとも民間の210億というのは、いまだに利払いしているわけですから、それは要するに不健全で活用されてないものに対して、年間5%か6%出し続けているということで。
○溝口知事:それは同じことだと思います。
○日本経済新聞:済みません、最後にもう一つ、債務保証の金額が211億というのは、県の予算が5,000何億ですけども、滋賀県の場合はたしか300何億で、人口規模も違いますけども、債務保証ですから、いざというときではありますが、その額は大き過ぎるというふうにお考えにならないでしょうか。
○溝口知事:いや、それは長年の結果ではあるわけですけどもね、そういうものが始まったときと比べて、木材価格がね、外材がどんどん入ってくることによって下がってきたということが大きな原因ですね。他方で、主伐期に木が大きくなって、そういうものが活用できる時期になるし、それから韓国とかね、中国なんかも豊かになってきますと、木材の需要もふえますしね、超長期でそういう問題を考えていこうというのが国の考えです。
○日本経済新聞:ありがとうございます。
○NHK:知事、済みません、さっきの林業公社の関係でちょっと一つ質問なんですけども、きのうの出された報告書の中で、今年度から新しい長期計画が始まっている時点なんですけども、報告書の中では、結果次第ではまた外部の有識者にちょっと経営を見てもらう必要もあるみたいなことがあって、結構経営のガバナンスに対して疑義を示されているような感じもするんですけども、林業公社について、おととし外部の有識者を入れていろいろと長期計画、経営計画を立ててたんですけども、今後外部による経営のチェック機能の強化とか、そういったガバナンスの強化とかで何か今のところ検討されておられることはありますでしょうか。
○溝口知事:そういう林業公社を離れましてね、やはり木材資源を有効に活用していくということは県の大きな課題ですね。ただ、林業公社自体の問題は、これは国策として進められてきておりますからね、そういう中で我々として長期的な展望の中で解決していくべき問題だというふうに考えています。
○NHK:公社の経営というよりも、むしろ国策……。
○溝口知事:公社の経営ということじゃないですね、政策ですよ。
○NHK:政策の影響がやっぱり大きいと。
○溝口知事:政策、ああいう形で制度をつくって、世の中の状況が変わってきたということが林業公社の問題ですからね。林業公社の経営の問題というよりも、そういう林業に対する政策の問題だと。
○日本経済新聞:ただ、経営改善の中には、木材の販売収入を上げるということが柱になっていますね。そうすると、それをこれからやっぱり経営能力のある人が入らないと無理ですよね。それともう一つ、バイオマスの活用も含めてなんですけど。
○溝口知事:そういう木材の活用はね、林業公社の問題ということに限らず、それはやっていきます。
○日本経済新聞:例えば、JAの改革でも、保守的な面があるから外部の人材を入れてとかやりますが、そういう意味でいうと、やっぱり林業公社も県のOBがほとんど、あと飯南町とか自治体から来てますよね。有識者会議のメンバーを見ると、会計士の人は1人ですけど、トップが島大の先生ですけど、関係業界の方が多いですし、恐らくちょっとNHKさんが言うように、内部で改革案をつくったという印象は生まれないとは思いますけれども、どうなんでしょうか。
○溝口知事:そこの問題は勉強してもらったらいいと思いますけども、それは経営というよりも、政策の問題ですね。
○日本経済新聞:林業公社の問題は政策の問題であるということですね。
○溝口知事:販路を拡大するというのは、それは林業公社の問題と別にやってまいりますけどもね、それも結局コストの違いがあるわけですね、外材と。だからどういう負担でやっていくかという問題と裏腹になる。
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