3月6日質問事項4
4原発(廃炉)
○中国新聞:中国電力が今月末に島根原発の1号機の廃炉を決めるということなんですが、廃炉となれば、県のほうに交付金の影響とか、廃炉作業の影響とかいろいろあると思うんですが、そういった関する県に与える影響についてと、それともう一度改めて廃炉に関して知事の基本的なお考えをちょっとお聞かせ願えればと思うんですが。
○溝口知事:ええ、廃炉を1号機などについてね、するかどうかという問題は、やはり運転を継続すると一定のコストがかかってきますしね、あるいは中国電力の電力供給の中でそういうものが必要なのかどうかということもあるし、やはり基本的に中国電力がどうされるかという、するかしないかはね、中国電力が決めるべきことでしょうということをずっと言っているわけですね。
我々のほうは、原発につきましては、安全がきちっと確保されなきゃいけませんからね。そこはきちっとやらなきゃいかんということです。したがいまして、廃炉をするといって運転を停止しても、この安全対策は引き続き必要なわけですよね。どういう形で廃炉をしていくのかとか、いつごろどういうふうな形になるのかとか、そういうことは規制委員会が今度はチェックをして、これでいい、悪い、こういう計画でないとというようなことがありますからね。そこはやはり規制委員会、いずれにしても規制委員会の審査を受けなきゃいけませんからね。そういうことをきちっとやってもらいたいということでしょう、一般論で言えば。
○山陰中央新報:知事、済みません。先ほど運転停止しても安全対策が必要だとおっしゃったですけども、この1号機を廃炉にすることで、これまであった電源立地交付金というのがなくなってしまうわけなんですけれども、この廃炉後のそれにかわる代替の交付金等、その必要性については知事としてはどのようにお考えでしょうか。
○溝口知事:条例は先進自治体のほうで使ってきた条例の案文を使っていますけれども、廃炉、ちょっと正確に文言は引用できませんけども、要するに廃炉に向けて停止をしたときにはかからないということですけれども、廃炉というのをどういうふうに定義するかというのは、どこもまだ詰んでないんです。それから、規制委員会が廃炉計画というのを電力会社から提出してもらって、その廃炉計画でいいのかどうかというのをチェックして、それで廃炉計画の認可がなされて廃炉に向けての作業が行われていくということになりますからね。だからどの段階までで核燃料税を課税するかどうかというのは、まだこれから詰めなきゃいかん課題だということです。
○山陰中央新報:その核燃料税はそうなんですけど、やっぱり電源立地地域対策交付金というのは、それは。
○溝口知事:そこもまだ確定してないんじゃないですか。
○山陰中央新報:これから廃炉しても安全対策ということは必要で、そのリスクというのはずっと残るわけですけれども、本当にたたむまで残るわけですけれども、そうしたところで財政的なものというのがやっぱり継続して入ってこないといけないかなと思うんですけれども。
○溝口知事:だから、それを核燃料税でする場合もあるし、違う税に移るということも可能性としてはあるでしょうが、まだそういう議論は済んでないですね、これからです。電力会社もそういう問題があるというのは理解していると思いますね。
○山陰中央新報:知事としては、必要性は継続して何らかの財政措置というのは必要だというふうにお考えですか。
○溝口知事:原則的に必要ですね。
○中国新聞:ただ、交付金の場合は、発電所の施設の廃止という届けを国のほうにした時点で、その翌々年からなくなるということは決まっていると思うんで、廃炉とかでなくても、電源立地交付金については、いつ中電さんが国の経産省のほうに届け出るかということでまた決まってくると思うんですけど。
○溝口知事:そこら辺はまだ……。
○山陰中央新報:ちょっと済みません、今、核燃料税と電源立地交付金が今一緒になってこう話が……。
○日本経済新聞:今、廃炉の定義が決まってないというのは、交付金に絡めて決まってないという意味なのか、そもそも廃炉の定義が決まってないということなのかよくわからないんですが。
○溝口知事:核燃料税とかね、あるいはそういうことです。
○日本経済新聞:その流れの中ということですよね。
○溝口知事:だからそこら辺はまだね、決まってないわけです。
○日本経済新聞:その間、ちょっと事実関係……。
○溝口知事:そういう問題があるというのは、我々の側も電力会社も承知をしていると思います。
○日本経済新聞:今週、報道ですけど、中国電力が廃炉を3月末に決めるということを島根県自治体に伝えたという報道がありましたけれども、知事のところにそういうことはあったんでしょうか。3月末に廃炉をする方針だということを何らかの形で中国電力から県に伝えたということは。
○溝口知事:いや、私どもが発表できるような形では聞いていませんね。
○日本経済新聞:発表できない形では聞いていることもあるわけですね。
○溝口知事:ええ、それは何ですか、確定した話じゃないですからね。我々のほうでどうするということじゃありませんからね。それは情報とかはいろんなあれで入りますが、要するにこう決定しましたとかね、これでやりますとかというところまでは来てないと思いますね。
○日本経済新聞:なるほどね。はい、わかりました。
○NHK:済みません、関連なんですけれども、1号機が廃炉にする方針が固まったということで、これから中国電力も計画を規制委員会とかに出して了承されたら廃炉の作業を進めていく流れにこれからなっていくと思うんですけども、そうした中で先行、もう既に廃炉作業を行っている静岡県の浜岡原発ですね、来月から解体作業で出る低レベル放射性物質を専用の施設をつくって敷地内に仮置きをする方針を中部電力は固めたという話がきのう出たんですけれども、中電はもう少し先かもしれないですけど、1号機を廃炉にする上で、国のほうで処分地ですとか、処分方法とか決まってない中で、そういう放射性物質、廃炉に伴って出てくる放射性物質をどうしていくのかという問題があると思うんですけれども、現時点では決まってなくて、これからもなかなか決まらないような感じなんですけれども、そうした中で知事としては、今度の廃炉作業を進めていく中で出た放射性物質、どうしていくべきだと現時点でお考えですか。
○溝口知事:それはですね、今の中部電力の話は私は余りよく承知しませんけれども、いずれにしても原発等の安全性については、規制委員会が多分廃炉の場合は廃炉の計画を電力会社から出してもらって、それを規制委員会が一定の基準をつくってね、で、認可をするという手続でして、それに沿ってやっていくということじゃないですか。今の中部電力の話は、規制委員会との関係はどうなっているかということは、私もちょっと具体的には承知していません。いずれにしても、原発が動こうと動くまいと、原発に関することは規制委員会がチェックする。それに基づいて電力会社が必要な措置をとっていくということになるわけでしてね。稼働のときと似たような、逆のプロセスになると思いますけれども、規制委員会がその面について具体的なことはまだやってないんじゃないですか、規制委員会ができてからは。それは規制委員会ができる前の話じゃないですか、違いますか。
○NHK:何がですか。
○溝口知事:規制委員会ができる前の話じゃないですか。
○NHK:どの、規制委員会ができる前の話ですか。
○溝口知事:いや、規制委員会として廃炉の計画をまだ認定してますか、してないでしょう。
○NHK:要は、廃炉の作業で出た放射性物質をどこで処分するとか、そういうことが決まってないので、中部電力は浜岡の敷地内で仮置きをするというふうに言っているわけですけれども、仮置きをするといっても、要は国として電力会社と話しながら、処分場をどこにするのかとか、そういう議論がまとまらない限り、要はそこにずっと置いておくということで、決まらない限りはずっとそこにあるわけじゃないですか。そういう状況が続いていると、島根1号機に関しても島根県に廃棄物がずっと置かれてしまうような、もしかして中電がそういう判断すればですけど、そういう状況が続いていくことも考えられると思うんですけど、そこら辺について知事はどう思われているのかなと。
○溝口知事:それは基本的に、原発のそういう安全性については、規制委員会がやはりきちっと判断をされて、それに対応して規制委員会、電力会社が計画を実施していくということになると思いますね。それは規制委員会の役割ですよ。
○NHK:処分場は国とか地元の考えとかもあると思うんですけど、もし国から将来的に島根県のほうで処分場をつくってくれというような話があったら、それは知事としてはどうされますか。
○溝口知事:そういう仮定の話は今お答えしませんが、いずれにしても廃炉にしてもね、あるいは稼働する逆の場合でも、規制委員会が原発施設の安全性について判断して、それに基づいて行っていくということじゃないですか。
○中国新聞:ただ、今、国の指針的に、動かすときの規制はいろいろあるんですけど、廃炉にした後の規制というのはほとんどできてないような現状なんですよ。で、実際問題、交付金もとまってしまったらなくなるという中で、これから国が、規制委員も含めて基準をつくっていくんですが、島根県としてそういった規制の仕組みづくりに対して意見というのは今後、地元立地自治体として、そういった工程を含めて、知事のほうは国に物申すと言ったらあれですけど、やっていこうと思ったりするんですか。
○溝口知事:まずそこは、やはり国全体としてね、それは各地域の意見も聞かなきゃいかんでしょうが、国全体としてエネルギー政策の観点からどういうふうに考えるという経産省の立場と、それから原発の安全性のためにいろんな規制を付す権限を有する原子力規制委員会が、どういう考えで廃炉を進めていくかという考えを整理しないといけませんね。その上で我々が意見を言うとかね。そういうルールに基づいて、電力会社が廃炉のための計画をつくらなきゃいけませんね。それを規制委員会が審査をし、それでいいのかどうかということを決定するときに、稼働のときと同じように我々も国の説明あるいは規制委員会の説明を聞いて判断をしていくと、こういうことです。
○山陰中央新報:知事、済みません、確認なんですけども、先ほどのちょっと質問の際に、私としては交付金について原則的に必要だと、廃炉後の交付についてですね。そのように受けとめたんですけれども。
○溝口知事:交付金の話は、それは同じ問題としてあると思いますね。
○山陰中央新報:同じ問題というのは。
○溝口知事:核燃料税と似たようなことでしょう。
○山陰中央新報:核燃料税は、いつの段階かわからないけれども、廃炉になったらとまるので、ただ、県としては、その廃炉になったからといって安全対策をしなくてもいいということではないわけで、だから何らかの形で中電のほうからお金が入ってくるという仕組みは必要だというふうな認識ということですか。
○溝口知事:それはまあ国全体として言えばね、核燃料税のような税を国税で徴収して、立地自治体、周辺自治体等に配付するという手もあるでしょうし。
○山陰中央新報:今は県税で徴収しますよね。
○溝口知事:県の方も核燃料税という形でやるものもあるし、核燃料税について言えば、基本的に廃炉の計画をちゃんとつくって、電力会社のそういう計画に対してね、規制委員会がそれでいいとかね、あるいはそれしか選択肢がないかもしれませんよ。そういうことでやりなさいというプロセスの中で意見を言ったりね、あるいはいろんな人の意見を聞いて伝えたり、まとめてやるということが必要になるでしょうね。まだそこまで、まだまだですね。多分、規制委員会のほうでこういう計画が必要なんだというところまで作業が進んでないんじゃないですか。
○毎日新聞:知事、済みません。核燃料税の話のところにちょっと特化して聞きたいんですけれども、今、核燃料税は県税として中国電力に課してますよね。それで、これは燃料を装荷したときにかかる税金で、少し制度が変わって出力割、価格割と2パターンになりましたけれども、原則として動いている原発に対してかかるものだという認識でいいと思うんですが、今の知事の話でいうと、廃炉した後も核燃料税にかわるような中国電力にかける特別な県税を、核燃料税という名称じゃないかもしれません、何らかの形で中国電力に対する税金を持続していくというようなお考え、というほうがいいのではないかというふうにおっしゃっているわけですか。
○溝口知事:いや、そんなことは言ってないです。要するに、どの時点でね、そういう安全対策だとか、なくても大丈夫だと、あるいはほかの財源で手当てされれば別ですけども、国の交付金などで。何らかのこの対応が必要だろうという一般論を申し上げたと。
○毎日新聞:何らかの対応というのは。
○溝口知事:それは、例えば安全対策のためにいろんな経費がかかるときにね、それの財源を調達するということですよ。核燃料税は、今までは稼働に対して核燃料税いただいていたわけですけども、ほかの先進県では出力に対して、稼働がある、なしにかかわらず課税をするということになりましたね。我々もそれができることになりましたから、今後稼働してなくても出力割というのは徴収できるわけですけども、ただ、廃止がなされた場合にはね、それ停止するというような表現になっていますから。ただ、廃止のために稼働をやめた、運転をやめたというのをどうするかという定義がちゃんとないんで、それは電力会社とよく相談をしていこうと。電力会社も、それは必要でしょうねというふうな考えであるということです。
それから、じゃあそれでしばらくはあったとしても、それはいつかの時点でなくなったとしてもね、まだ原発の安全性のためにいろんな付加的な経費がかかるというようなことであれば、要するに財源は何であれね、国の交付金であれ、あるいは県の税であれね、何らかの形で手当てをしないといけないでしょうと。それは立地県なり、原発があるとこで負担するんじゃなくて、要するに国民全体がやっぱり負担する仕組みでないと困りますということです。
○毎日新聞:知事、済みません、もう1点。廃炉計画の話が少し出ていたので、そこで流れで確認をしておきたいんですけども、県が結んでいる安全協定だと、原子炉を解体するときには、県の事前了解が必要だというふうになっていると思うんですけれども、そうするとその廃炉に当たって事前了解をするタイミングというのは、例えば今やっている2号機の安全審査だと、県のほうでは事前了解出す前にいろんな判断がつかないので、とりあえずまず国、原子力規制委員会に審査してもらって、それの回答を見た上で県として事前了解を出す、出さないというのを、後ろに回ってきますけども、2段階でのやるというようなことでずっと今やっている最中ですけれども、廃炉のときというのも、今、先ほどから知事、国とか規制委員会がその廃炉計画をどう判断するかというふうにおっしゃっているということは、廃炉計画の事前了解についても、2号機の安全審査と同じようにそういう2段階という立場をとられるということですか。
○溝口知事:まあそこまで詰めているわけじゃないんで、確定したことが言えませんけども、それは松江市とかね、周辺自治体とも相談してやらなきゃいかんですが、考え方としてはそうでしょうね。いずれにしても規制委員会がそういう問題については審査し、あるいは決定する権限を有しているわけですから、審査してもらわなければしようがないんでね、そういうふうになり得る可能性は高いと思いますけれども、そういうところまでまだ話を関係自治体とやっていませんから、そうだというふうには言えません。まあ、よく相談をしてからです。
○山陰中央新報:流れからいくと、中電から廃止措置計画のできたときに説明を受けるんだけれども、それは規制委がきちんと審査した後に、もう一度もう一回そこで、そういう2段階という意味。
○溝口知事:そういうことですね。
○NHK:県としては、そういうふうに考えられているけど、一応ほかの……。
○溝口知事:いや、私自身はね。
○NHK:溝口知事としてはそういうふうに考えられているけど、今後ほかのところに聞いていかなきゃいけないと。
○溝口知事:それは、まだこういう話を議会だとか、あるいは周辺自治体だとか、あるいは電力会社とかね、それから国とか話をしている段階じゃありませんから。
○中国新聞:ただ、廃炉の解体工事には事前了解が必要なんですけど、中電の廃炉の判断には、安全協定が別に何らか県のほうに報告はないとは思うんですが、やっぱり中電がもし廃炉するということでしたら、きちっと廃炉の報告をやっぱり知事としては、県に対して、報告してもらいたいと思っているんですか。
○溝口知事:廃炉というのは長いプロセスと考えたほうがいいですよ。
○中国新聞:だからその廃炉については……。
○溝口知事:とめてね、いろんなことがあるし、持ち出す段階もあるでしょうし、いろんなことをする段階もありますから、長いプロセスですよ。廃炉がまだ県で決まっているわけじゃないわけです。
○山陰中央新報:知事、済みません。先ほど、知事として、1号機の問題ですけれども、審査後に事前了解の最終的な判断をしたいというお考えを言われましたけれども、まだ松江市とか周辺との相談はされてないと。
○溝口知事:まだそういうことをやってませんから。これはまだ私の考えというほどのものじゃなくて、そういうこともあり得るでしょうねというぐらいのことでありましてね。だから、あまり島根県がというと誤解を招きますね。その前提でお答えしていると考えてください。
○山陰中央新報:知事、済みません、1号機、仮に月内に判断したときに、中電がですね、これから統一地方選も控えてますけども、知事はもう以前の会見で経営判断されたら、それは了解事項であるんだけども、報告はしてもらいたいっておっしゃってたんですけども、それは統一選控えていてそれが選挙後に報告なのか、それとも選挙前なのかについては、どういうふうにお考えですか。
○溝口知事:それはちょっと向こうのタイミングが。
○山陰中央新報:いや、タイミングもありますけども、仮に月内であったり、その知事選の告示の前だと……。
○溝口知事:前から言っているように、廃炉するかどうかというのを決めるのはね、廃炉と言っちゃいけないですね。電力の発電をやめるということです。
○山陰中央新報:あれを停止するということで。
○溝口知事:それは中国電力の判断です。その場合は、経産省に報告しなきゃいかんわけですよね、それは国全体の電力供給に影響しますから。そういう法律の仕組みです。だから、その話と、廃炉というのをするときには、安全性の観点でどういう手当てをするのかというのは、これは廃炉といって1点じゃなくて、非常に大きな作業を要するわけですよ。そのために計画つくらなきゃいけない。その計画は規制委員会に出して、規制委員会がチェックをする。ただ、まだ今の段階でどういうことが必要だということまで規制委員会は出してないでしょう、こういうことが必要だということを。だから、それを見ないと何とも言えないと。
○中国新聞:運転終了の報告を選挙の前に例えばあえて求めるかということについてはどうですか。
○溝口知事:それは私が言う話じゃないですね。何についてですか。
○中国新聞:運転終了のほうですね。
○溝口知事:電力を発電するかどうかというのは、電力会社の話だと思いますよ。それから、廃炉をどうするかというのも電力会社の話。要するにコストが高いからやめますというのは。ただ、安全性については規制委員会がきちっとこれでいいかどうかというのをチェックをするという仕組みになっていると。
○日日新聞:廃炉後の財政措置を求めるとすれば、中国電力か、国か、それとも両方かというのは、どういうふうにお考えでしょう。
○溝口知事:それはいろんなやり方があるでしょうね。
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